博多ステラ歯科・矯正歯科クリニック (福岡市博多区／中洲川端駅)
永渕 輝雄 院長の独自取材記事
地元民に親しまれている櫛田神社のすぐ側に、140年以上の歴史を持つ川端通り商店街が延びる。そんな伝統的な地に開業を決めたのが「博多ステラ歯科・矯正歯科クリニック」の永渕輝雄院長だ。最寄りの地下鉄・バス停から徒歩数分という好立地。博多駅からも徒歩15分程で、地域の歴史を感じつつ散策がてら向かうのもいいだろう。院内は外の商店街のにぎやかさを忘れさせる落ち着いたトーンで、安心できる空間が広がる。院長は矯正分野に広く精通しており、歯並びがもたらす健康への影響を伝えつつ、先進の機器を使った患者に適したプランでの治療を提供する。同院や自身の理念でもある「皆さんに幸せと笑顔を届ける」という考えは、裏表のないその人柄からも伝わってくる。そんな永渕院長に歯科矯正の重要性や今後の展望について熱く語ってもらった。
恩師から学んだことが経営のエンジン
「クリニックに関わるすべての人に幸せと笑顔を届ける」という理念が印象的です。
僕が過去に勤めていた歯科医院の、尊敬する先生から継承したモットーです。本当に患者さん思いで、消毒や滅菌といった目に見えにくい業務も手を抜かず、直接診療には関わらない方たちにも平等に低姿勢で。そんな姿を見た患者さんはもちろん、スタッフや業者さんたちにも慕われていましたね。若手の僕に対しても優しく時に厳しく指導いただき、成長させてもらえて感謝しています。先生から、他人に与えた分は必ず自分に返ってくるということを学び、僕もその姿勢をまねして受け継ぎたいと掲げている理念です。
先生がこちらを開業されるまでの経歴について教えてください。
出身は福岡で、九州歯科大学を卒業後は同大学の附属病院で初期研修を行いました。その後福岡の病院で働き始めたのですが、そこが半年後に東京に矯正専門歯科の分院を出すことになり、分院長として着任しました。まさか自分がという気持ちはありつつも、がむしゃらに働きましたね。新規開業で1人で分院長を任されていたので、すべてが手探りで思うようにいかなかったりジレンマを感じることもありました。当時は大変だったんですが、今となっては貴重でいい経験をさせてもらいましたね。その後も東京・神奈川・福岡と一般歯科、矯正歯科、小児歯科などでの勤務を経て当院の開業に至りました。転々とする中でいつかは地元に帰りたい思いが芽生えたことと、そろそろ両親の近くに戻り親孝行もしなければ、と思ったのです。今は両親もよく来てくれるのでうれしいですね。
中でも矯正歯科に注力されているのだとか。
歯科医師として経験を積む中で、やはり矯正歯科の需要が上がってきていることに着目しました。海外の先進国、特にアメリカなどは、歯に対する意識がとても高くて小さい頃から矯正するのが当然。美しい歯並びは相手に好印象を与えますし、これからさらにグローバル化が進む中で、日本も矯正に関してはまだまだ伸びしろがあると踏んでいます。歯並びは見た目だけの問題だと思われがちですが、決してそうではありません。ガタガタの歯は磨きにくく汚れがたまりやすいので、虫歯や歯周病の進行を早めてしまいます。またどうしても噛む場所が偏ってくるので強い力がかかり、肩凝りや頭痛が起きたり顎が曲がってバランスが悪くなってしまうことも。歯並びはこうした全身の健康に関わるので、どの年代の方にとっても重要なことなのです。きれいな歯並びは歯磨きの時間も少なくできるので、時短にもつながるメリットもありますよ。
矯正への懸念を払拭し、健康的な人生を送ってほしい
矯正になかなか踏み出せない方も多いと聞きます。
矯正をしたいのに断念する理由として「見た目が悪くなりそう」「価格が高いイメージで躊躇する」といった方も多いですよね。マウスピース型装置を用いた矯正は、これらの懸念材料を払拭するという意味で勧奨できると思います。まず見た目は、ほぼ透明なので気づかれにくい傾向があります。気になる箇所だけ部分的な矯正も可能で、それだとそのぶん期間が短くなり価格も抑えられます。今はマスクで口元が隠れることも後押しして、ここ数年で歯科矯正を希望される患者さんは急増していますね。矯正の方法はいろいろと選択肢をそろえていますが、このマウスピース型装置を用いた矯正は、特に今皆さんの需要に合っているのではと思います。
治療で使う歯科医療機器はどのようなラインナップですか。
機械は好きでいろいろとアンテナを張って収集しています。例えば口腔内3Dスキャナーは、カメラで口の中を撮影するだけで虫歯や歯茎の腫れ、磨き残しを発見することができます。また矯正を希望される患者さんには矯正修了後の歯並びの状態をシミュレーションし、イメージをつかんでいただけるようにしています。これはAIがビッグデータをもとに予測を立てているんですよ。さらにスキャンデータを歯科技工所に送るだけで詰め物を作ることも可能で、歯の型採りが苦手な患者さんの負担も減らせます。他にも歯科用CTは、通常の虫歯の治療でも根の本数や形を見たり、親知らずを抜くときに神経との距離を確認したり活用しています。こういった歯科医療機器も近年で随分と進化していますね。簡素化できて利便性のあるシステムは、どんどん取り入れていきたいと考えています。
実際の診療では、どういったことにこだわりを持っていますか。
現実にはあり得ないですが、もし仮にまったく同じ口内の状態である患者さんでもその方の背景や希望する治療方法、時間のかけ方など考え方は千差万別です。何が正解なのか患者さんによってまったく変わってくるので、話をよく聞いてその意思に沿った治療を進めていくことは気をつけますね。プランの選択肢もできるだけ多くそろえてはいるつもりです。例えば当院ではマウスピース型装置を用いた矯正に関しては、全体の歯並びを対象とするプラン、上下10本程度を対象とするプラン、気になる箇所だけ整える部分的プランと基本的に3段階ご用意しています。患者さんの希望やご予算に合わせた方法を、その時々で選んでいただけるように準備しています。
地域に根づき、歯に関する情報発信を続けていきたい
矯正の無料相談も受けつけているそうですね。
歯科矯正へのハードルの高さから、歯科医院に行く気にもならない方もたくさんいらっしゃると思っていて。とにかくお金がかかりそうといったイメージが先行していると、なかなか足が向かず最初の1歩が踏み出せない。そんな方でも気軽にいらしてほしくて、無料相談を始めました。歯科矯正とは一体どんなことをするのかをまずは知ってもらうだけでもいいのです。その上で今どういった歯並びの状態なのか、ご希望であればどんなプランが合っているのかと進みますが、どこまで求めるかは患者さんが決めること。とにかくまず僕は歯科矯正のことを知ってもらう、広めていくことが重要だと考えています。当院は水曜以外の平日は20時、土曜と日曜も19時までと診療時間が長いのが特徴です。なかなか時間が取れない働き盛りのビジネスパーソンでも、会社帰りや休日に通院しやすい時間設定にしています。
情報の発信といったことも重要だとお考えですか。
来院いただく患者さんには治療以外にも何か情報を持ち帰ってもらいたいと考え、口内状態に関連した虫歯や歯周病のことや、今後予測される病状などの話をします。せっかく治療をしても、根本的な原因が変わらなければまた同じ治療を繰り返すことになりますよね。それをストップさせたくて、丁寧に説明することには時間を割いています。来院いただく患者さんだけでは人数が限られますので、他にもブログやSNSを通じて情報を発信することにも積極的に取り組んでいます。できるだけたくさんの方に歯のことを知ってもらいたくて、いろいろなコンテンツを駆使しています。
最後に今後の展望をお聞かせいただけますか。
歯はどんな年代の方にでもとても大事な器官。もう若くないからといって諦めては、自身の健康を害することにつながりかねません。知識を広めて幼い頃から予防を習慣づけてもらい「虫歯が1本もないんだ」という子どもが増えていくとうれしいです。僕はお祭りが好きで、毎年夏にこのエリアで開催される博多祇園山笠に出たいと思っているんですよ。ご近所さんとのつながりや伝統を大切に守りながら、地域を盛り上げて根づき長く愛される歯科医院にしていきたいですね。皆さまに人生のターニングポイントとなる歯科に出会えたと思ってもらえるように、今後もより一層まい進していくつもりです。
