平山整形外科医院 (玉名市／玉名駅)
平山 雄大 院長の独自取材記事
玉名市立願寺の住宅街にたたずむ「平山整形外科医院」。玉名町小学校出身の平山雄大院長が2020年10月に開業したクリニックだ。医師になった頃から「いずれは私を育ててくれた玉名の地域医療に貢献したい」と考えていたという平山院長。江戸時代から400年続く、代々医師の家系の19代目で、同院は18代目である父の耳鼻咽喉科医院を全面的に建て直し、広々とした駐車場やリハビリテーション施設を備えているのが特徴だ。「ちょっとした腰の痛みなど、何でも気軽にご相談いただけるとうれしいですね」と穏やかに語る平山院長に、医師をめざした理由や診療方針、患者層、今後の展望など、たっぷりと話を聞いた。
玉名で暮らす人々の健康を守るために
先生のご出身も玉名だと伺いました。
そうなんです。当院のすぐ近くにある玉名町小学校や玉名高校の卒業生です。私が3歳の頃に、父がこの土地に耳鼻科のクリニックを開業しました。同じく耳鼻科の医師である祖父とともに、地域の患者さんに向き合う姿を見て育ちましたね。自然と僕も父や祖父のような医師になりたいと考えるようになっていました。医師になってからは「開業は玉名で」と思っていましたが、その時期は40歳前後の予定だったんです。しかし、父が急逝してしまい、この土地を引き継ぐかたちで2020年10月1日に当院を開業しました。
患者さんは知り合いの方も多いのではないでしょうか。
3歳から高校卒業まで玉名にいましたから、同級生はもちろん、そのご両親、お子さんなど、たくさんの知り合いの方に来院いただいています。地域柄、とても優しい方が多く、野菜を頂いたり、スタッフへのお菓子の差し入れも頂きます。ご高齢の患者さんも多いですが、最近は学生さんやお子さんなど若い世代の患者さんも増えてきましたね。もちろん、地元の方だけでなく、引っ越して来られた方も多くいらっしゃいます。
どのような主訴が目立ちますか？
肩凝りや腰痛が多い印象です。それに、肩や膝の痛み、その他の関節痛が続きます。また、この地域は車社会ですから、交通事故に遭い、検査や治療を目的に来られる患者さんも少なくありません。中には、交通事故で整形外科に行くという認識をお持ちでない患者さんがいらっしゃいます。交通事故に遭われた患者さんに後遺症が残った場合、後遺症診断は病院やクリニックの医師しか記載できません。整骨院、接骨院だけで治療をしていた場合は経過が不明なため後遺症診断書がお書きできないことがあります。当院では医師による診断・治療はもちろん、必要に応じて理学療法士によるリハビリも行いますので、気軽に受診していただきたいですね。ほかにも、当院はリウマチ科も標榜しています。手のこわばりや痛みなど、リウマチの疑いがある患者さんやリウマチの治療のために来院される患者さんも多いですよ。
スタッフ教育に力を注ぎ、質の高いリハビリを追求
力を入れている治療は何でしょうか？
特に骨粗しょう症の治療とリハビリです。骨粗しょう症は、骨折してしまう前から治療に取りかかるように努めています。というのも、股関節や腰の骨を一度骨折してしまうと、歩行能力がどうしても低下してしまうからです。万が一、骨折したとしても、2度目、3度目の骨折を起こさせないようにしていくことが整形外科医の使命だと考えています。具体的な治療としては、薬物療法と運動療法であるリハビリです。体が硬くて転倒しやすい方も少なくないため、リハビリで体の柔軟性を高め、筋力を鍛えていきます。
リハビリで大事にしている考え方があるそうですね。
慢性疼痛に対して背骨や骨盤からアプローチする考え方に注目しています。これは肩や膝、腰などの痛さは、その部位だけではなく、背骨や骨盤の不調が影響しているという考え方です。物を持ったり、体重をかけたりしたときに脊椎で吸収することができずに、その部位に痛みが出てしまうという考えのもと、治療やトレーニングを行っていきます。また体の痛みは柔軟性や筋力だけでなく、睡眠時間やストレス管理なども非常に大切です。初回のリハビリの際はいきなり運動やストレッチではなく、いろいろなことを聞かれると思いますが治療のために大切なことなのでご理解いただけますとありがたいです。当院ではスタッフ全員にレベルアップのための研修費を支援しています。特に理学療法士は毎月院内での勉強会を行い、院外のスキルアップセミナーにも積極的に参加しており、最新で最良のリハビリを提供できるよう日々研鑽しております。
設備面についてもお聞かせください。
性能にこだわった骨密度検査機器を導入しておりますし、リハビリ室は機器の充実を図っており、体組成計なども備えています。リハビリを開始する前に体の筋量を測定し、自分に合った運動量でリハビリを進めていくことが可能です。また、現時点でもリハビリ室は広々としていますが、今後はさらに拡張する予定です。そのほか、2023年5月末からMRIも稼働しました。これまでは近隣の医療機関にMRI検査を受けに行っていただく必要がありましたが、当院で検査から治療まで完結することができるようになりました。費用面、時間面で患者さんの負担が減ればうれしいです。今後も設備を充実させていきたいですね。
患者の笑顔を引き出すための治療やリハビリをめざす
スタッフ同士の連携も大切にしていると伺いました。
私は中学、高校、大学とラグビー部に所属していたので、何よりもあいさつは大切にしています。患者さんに対するあいさつはもちろん、スタッフ同士のあいさつも欠かしません。診療の後は「お大事に」、リハビリの後は「お疲れさまでした」と一声あるだけで気持ちも変わりますよね。何げない声かけこそが、患者さんとの信頼関係にもつながると思っています。今はスタッフ同士も積極的にコミュニケーションを取っていますし、院内の良い雰囲気づくりができているかなと思っています。
お忙しい毎日だと思いますが、趣味などはありますか？
先ほどお話ししたとおり、学生時代はラグビーに明け暮れていました。たくさんケガもしましたし、整形外科医になった動機でもありますね（笑）。また、私は子どもが4人いますので、休日は子どもたちと遊ぶことも楽しんでいます。新型コロナウイルス感染症流行も落ち着いてきたので、これからは子どもたちといろんなところに行きたいですね。父がいた頃は麻雀やゴルフを楽しんでいました。父が他界した後、コロナがはやりだし麻雀はしていないです。ゴルフも一時期楽しいと思えなくなり、辞めていたのですが医師会の先生たちや友人たちがまた一緒にやろうと誘ってくれて現在はゴルフを楽しんでいます。また、休日は治療や医療経営について学ぶために、講習などにも参加しています。
今後の展望をお聞かせください。
リハビリ室を拡張し、介護保険の方を対象にしたデイケアにも力を入れていきたいです。通院が難しい患者さんに対しては、送迎つきで対応できるようにしていきたいなと考えています。また、最近はスポーツ障害などで受診する若い患者さんも増えてきました。玉名には多くの学校がありスポーツも盛んな地域ですので、さらにしっかり対応していきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
体の不調は、睡眠やストレスとも関わってきます。患者さんにしっかり向き合い、一人ひとりに合った治療やリハビリを提供していきますので、安心してお任せください。私たちも患者さんの「元気になりました！」という笑顔を見るために、日々患者さんに寄り添っていきたいと思います。また、当院では打撲や捻挫でものすごく痛い場合を除き、できる限り医師が患部に触れるようにしています。患部の温かさをはじめ、押すと痛いかなどをチェックしながら診断します。どんな些細な痛みであっても、しっかり診療していきますので、お気軽にご相談いただけるとうれしいです。
