たにぐち歯科センタービルクリニック (大阪市中央区/近鉄日本橋駅)
谷口 雅俊 院長の独自取材記事
2020年4月、メディカルビルの5階に誕生した「たにぐち歯科センタービルクリニック」。院長を務めるのは、曽祖父から数えて4代目となる谷口雅俊先生。先行して同ビル内で診療を続ける祖父や父の教えを受け継ぎつつ、勤務医時代に培ったインプラント治療の実績や歯周外科治療、噛み合わせ治療、歯周組織再生療法、咬合再構成(フルマウス)治療など、新時代の歯科診療を独自の視点で展開している。穏やかで落ち着いた口調から話しやすい雰囲気を感じる一方、患者を第一とした診療スタンスからは「皆さんからの信頼に応えたい」という情熱がひしひしと感じられる。そんな谷口院長に、同院の特徴やコンセプト、大切にしている患者との信頼関係など、クリニックへの想いを聞いた。
「できないことはない」を前提に、優しく丁寧な治療を
ご家族3世代が、それぞれ別のフロアで歯科クリニックを展開しているそうですね。
曽祖父から代々続く歯科医師の家系で、このビルはその曽祖父が、現在でいうメディカルモールのようなものをめざして設立しました。一つのビルにさまざまな専門分野の歯科医師を集めて高度な治療を提供するのが目的だったのですが、80年ほど前のことですから、ずいぶん時代を先取りしていたと思います。現在も4階では祖父、2階では父が、それぞれ自分の歯科クリニックで診療を行い、3階には矯正を専門とする先生の歯科クリニックがあります。私は以前は大型医療法人に勤務しておりましたが、2020年にこのビルの5階で当院を立ち上げました。
オープンから丸4年がたちましたね。
おかげさまでたくさんの方にお越しいただけるようになりました。現在は歯科医師2人、歯科衛生士が3人と助手・受付が数人います。みんな勉強熱心で、自分の専門分野だけでなく、さまざまな技術の習得に努めてくれています。勤務前の朝の時間を使って全員で院内勉強会をしたり、オペ前には患者さんのカルテを一緒に読んでより良い治療をともに探ったりしています。また、「自分がされて嫌なことはしない」をモットーに、常に患者さんの立場に立って接してくれていますね。
どのようなクリニックをめざしていますか?
大前提として、「できないことはない」「どんなことでもできる歯科クリニック」というのが私にとっての理想です。単なる歯科クリニックではない、そうした意味合いを院名に込めました。虫歯や歯周病の治療は言うまでもなく、インプラント治療や根管治療、歯科口腔外科、噛み合わせ治療、審美歯科、咬合再構成(フルマウス)治療、ホワイトニング、予防、クリーニングまで、とにかく歯科に関することならなんでも行うことが当院のポリシーです。また、「痛みを少なく、優しく、丁寧に」対応することをスタッフ一同、常に心がけています。一方、空間づくりで心がけたのは、まずは清潔感。そして居心地の良さです。患者さんがエレベーターを降りた時にハッとするように、待合スペースはホテルのフロントロビーのようなイメージにしています。
治療法を一つに絞らず多様な選択肢を提案
インプラント治療をはじめ、さまざまな治療法を習得されていますね。
開院前に勤めていた歯科医院では、一般治療はもちろんインプラント治療と審美歯科診療に多く携わり、研鑽を積んできました。特にインプラントは土台となる骨が少ない難症例にも数多く対応し、顎の骨を増やすための歯周組織再生療法の知識も習得しました。他院で断られたケースでも当院で治療できる可能性が考えられますのでご相談ください。また、噛み合わせを含めたフルマウスのトータルケアも得意とする治療の一つです。いろいろなファクターが複雑に絡み合うさまざまな治療だからこそ、やりがいを感じます。歯周病治療では、進行した歯周病に対し、歯茎を切開して歯周病の原因の除去を図る歯周外科治療にも対応しています。さまざまな治療法を習得してきたことで、どんな治療にも対応できる自信がつきました。
インプラント治療についての先生のお考えをお聞かせください。
インプラント治療は失った歯を補填するための治療ですが、悪くなった歯だけを治しても問題が解決したとはいえません。なぜその歯が駄目になってしまったのかを突き止めて改善しなければ、また同じように歯を失ってしまいます。つまり、対症療法ではなく原因療法が大切なんです。当院のインプラント治療は歯を補う治療というより、口腔内全体のバランスを整えていくことを重視しています。品質にこだわった治療技術を提供するのと同時に、噛み合わせや歯並びなどその人の口腔内状態に合ったインプラント治療で、理想的な口腔内環境をめざしています。
設備面でのこだわりを教えてください。
歯科用CTやマイクロスコープなどの診療機器に加え、特に力を入れているのが衛生管理の徹底です。熱水消毒器や滅菌器、ハンドピース専用の滅菌器などはすべて、これ以上のものはないと思える精度のものにこだわって導入しています。タービンなどのハンドピース系器具は、もちろん患者さんごとに毎回必ず滅菌して、自分が受けたい対応や治療を心がけています。患者さんや、ここで働くスタッフたちの大きな安心と安全につながりますし、開院時から徹底してきたことの一つです。どのような治療をするにしても、やはり土台が大切です。その土台からしっかり構築していこうと考えた結果です。
断らず、投げ出さず、患者の信頼に応えたい
患者さんへの説明では何を大切にしていますか?
まず、治療法を一つに絞らないことです。もし医療機関で、「がんだから手術しかないです」と言われたらショックですよね。なので、患者さんには私ができる治療法はすべてお伝えします。その上で、私がより良いと思えるものを提示し、最終的には患者さんに決めていただくのが当院のスタイルです。選択肢をお伝えせずに勝手に決めてしまうようなことはありません。また、よりお金をかけたほうがいいというのは間違いで、どの治療にも良しあしがあります。そういうことも説明し、しっかり理解してもらった上で治療を行っていくことを大切にしています。
メンテナンスにも力を入れていらっしゃいますね。
再発を繰り返さないためには日々のケアが基本ですが、ご自身ではケアしきれない部分もあります。ホームケアだけで十分でないところを補うために、定期検診に来ていただいてメンテナンスを受けることが大切です。目安としては春夏秋冬、年に4回。当院でははがきでお知らせして、予約を取りやすくしています。当院の特徴は、歯科衛生士を担当制にしていることです。同じ衛生士が担当することで小さな変化にも気づきやすく、大きな治療になる前に治療することができます。メンテナンスの最後は私がチェックして、患者さんの歯をしっかり守っていきます。患者さんの口腔内の状況によっては、1、2ヵ月に一度来ていただいたり、逆に年に2回などにすることもあります。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
歯科医師になってから、職場に出るのを嫌だと思ったことは一度たりともありません。経験を積んで引き出しが増えてくると、できることが増えて患者さんに喜んでもらえるようになり、それが自分の喜びになる。幸せで前向きな職業だと思っています。当院には、必要な設備も整っていますし、いいスタッフにも恵まれました。これからも患者さんに喜びを与えられる歯科医師をめざしていきたいです。検診に行きたいけど、どこに行けばいいかわからない方、治療に迷ったり困ったりしているような方でも、当院に来ていただけば何らかの解決策が提示できるはずです。患者さんが治療を望まれる限り、私の側から投げ出すことはありません。「できないことはない」を理想に掲げ、断らず、そして投げ出さずに、皆さんのお力になれるよう今後も励んでいきたいと思います。