吉祥寺歯科口腔外科・矯正歯科 (武蔵野市／吉祥寺駅)
大橋 勝 院長、降旗 真由 先生の独自取材記事
吉祥寺駅北口から徒歩4分、町のにぎわいを見下ろすビル2階にある「吉祥寺歯科口腔外科・矯正歯科」。院長の大橋勝先生は日本口腔外科学会口腔外科専門医であり、大学病院などで研鑽を積んだ後に開業した。降旗真由（ふるはた・まゆ）先生をはじめとした3人の女性歯科医師も非常勤で勤務し、矯正を専門に担当している。一般歯科はもちろんのこと、口腔外科と矯正歯科という専門性を必要とする診療を提供しているのが同院の大きな特徴だ。口腔外科と矯正歯科を組み合わせた診療も得意としているが、それはどのようなものなのか。石や障子モチーフを使った和モダンなインテリアで統一された心落ち着く院内で、大橋院長と降旗先生に詳しく話を聞いた。
口腔外科と矯正歯科が中心の専門的な歯科医療を提供
まず、歯科医師をめざしたきっかけやご経歴から伺わせてください。
【大橋院長】医療系の家系ではないのですが高校時代の恩師に勧められ志すようになりました。口腔外科を選んだのは机上の学問だけではなく現場での経験がものをいう点、留学のチャンスがあったことなどが大きかったです。大学院を卒業した後はアメリカでがんや骨の研究に携わり、帰国後は大学病院やJCHO東京高輪病院などに勤務しました。
【降旗先生】子どもの頃から、「矯正の先生になりたい」とずっと思っていました。小学生の頃に矯正を受けていたのですが、担当してくれた女性の先生が憧れの存在だったんです。歯学部に入学した後は矯正以外の勉強もとても楽しかったのですが、進路を決める際は初心に返って矯正歯科を選択しました。大学病院やクリニックで研鑽を積みつつ、こちらにも2021年の開業時から非常勤として勤務しています。
開業に至った経緯や、現在の診療体制について教えていただけますか？
【大橋院長】大規模病院に勤務していた時は、地域の歯科クリニックからの紹介を受けて患者さんを診ていました。遠方から大変な思いをして通う方も多く、「ある程度の難症例の患者さんも地元で治療を受けられるようにしたい」と考えるようになり開業に至りました。一般歯科はもちろん、専門性が必要とされる口腔外科と矯正歯科を2本の柱としているのが当院の大きな特徴です。
【降旗先生】矯正歯科は私を含めて3人の女性歯科医師が非常勤で担当しています。患者さんは小児が6割、成人が4割といったところでしょうか。最近、成人が増えているように思います。口腔外科があるので成人の親知らず、小児の埋没歯なども院内でスピーディーに処置してもらえるのは心強いですね。
歯科口腔外科と矯正歯科を併設している強みはどんな点でしょうか。
【大橋院長】例えば、難しい親知らずは抜歯後にまひが出てしまうことがあります。ところが、矯正で少し引き出してから抜くことでまひのリスク回避を図れます。その他、歯周病などで歯が動いてしまっているような方も、その後の噛み合わせを考慮して矯正をしてから入れ歯を作ったり、「入れ歯が合わない」という悩みを解決するために矯正を行ったりすることもあるんです。矯正というと歯が全部そろっている人が歯並びをきれいにするためのものというイメージが強いかもしれませんが、実はそれだけではありません。矯正は欠歯があってもできますし、より適切な治療を行うための可能性を広げ、治療後の生活の質を高めるためにも有用な手段なんですね。
ライフスタイルや不安に寄り添う無理のない治療
口腔外科では患者の気持ちを大切にしていると聞きました。
【大橋院長】口腔外科に来る患者さんは緊張されていることが多いので、まず私が待合室に行って隣に座り、少しお話して気持ちを和らげてから診察室にご案内するようにしています。また、インプラントに不安をお持ちの方もまだまだ多いので、実は怖いものではないということもできるだけお伝えするようにしています。1本か2本のインプラントを入れて入れ歯の安定を図る方法もあります。あまりコストをかけず、少ないインプラントで生活の質を向上させる治療もあるのだと、より多くの方々に知っていただければと思っています。その他、顎関節症の治療、スポーツによる外傷の救急治療などにも、今後とも力を入れていきたいです。
小児矯正はどのタイミングで始めたらいいのでしょうか。
【降旗先生】上下4本の前歯、6番の奥歯が永久歯に生え替わる頃から始めるのがお勧めです。個人差もありますが小学校2年生くらいでしょうか。ただ、反対咬合に関しては年長さんくらいから専用のマウスピース型装置を使用した矯正を開始することもあります。いずれにしても、小児矯正で大事なのは将来的に歯がきれいに並ぶスペースを確保する土台づくりです。床矯正の他、顎の成長を促したり抑制したりする装置を併用することもあります。その後、表側からのワイヤーによる矯正などをしていきますが、型を採ったり装置をつけたりするのが苦手なお子さんもいるのは仕方のないことです。「他の子はできてるよ」などと比較せず、その子に合わせた声かけをするように心がけています。
矯正歯科では保定期間も大事ですよね。
【降旗先生】矯正後も歯は後戻りをしようとするので、それを防ぐためにリテーナーを使用してしっかりと保定していかなければいけません。そうとはいっても患者さんにとってはなかなか大変なことです。一日中リテーナーをつけているのが理想的ではありますが、生活スタイルによっては無理な場合もありますよね。そんなとき、「昼にできないなら意味がないかも」と患者さんが諦めてしまわないように気をつけています。「夜だけでもできているから大丈夫」と信じることで、患者さんが保定を続けるモチベーションもアップしますからね。
全身の疾患にも配慮して口の中から健康の実現へ
今後の展望についてお聞かせください。
【大橋院長】数年前から東京大学医科学研究所附属病院で非常勤講師の傍ら、白血病の患者さんの歯肉炎治療や抜歯も行ってきました。最近では、近隣の歯科医院から生活習慣病がある患者さんの抜歯や抜髄を頼まれることも増えています。超高齢社会の進展とともに何かしらの疾患を抱える人も多い昨今、有病者歯科は当たり前のこととして注力していきたいです。また、武蔵野市の災害医療活動にも参加しています。東日本大震災では入れ歯を家に置いたまま避難して、大変だった人も少なくないんです。救援物資が届いても、入れ歯というライフラインがなくては満足に食べられませんよね。
【降旗先生】入れ歯の方の矯正をするというのも、なかなかできない経験です。矯正でインプラントのための隙間をつくったり、補綴治療の前に噛み合わせを整えたり、今後も大橋先生といろいろとコラボしていきたいと思います。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか？
【大橋院長】歯科医師は体力第一なので、より良い診療を行うためにも極力体を動かすようにしています。勤務医時代は6時間に及ぶ手術の後、あえて泳ぎに行ってリフレッシュしたこともありましたね。今もたまに近所のプールに出かけたり、ジムに通ったりしています。あとは、通勤は基本的に自転車にしていて、往復で1時間くらいかかりますが気分転換にもなっていますね。
【降旗先生】休日は子どもと一緒に過ごすようにしています。公園で泥だらけになって遊ぶこともありますし、できるだけいろいろな体験をさせてあげたいですね。まだまだ仕上げ磨きも必要な年齢ですが、もっぱら主人が担当してくれています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【降旗先生】矯正はコストもかかりますし、一歩踏み出すのに勇気が必要ですよね。でも、相談は無料ですし無理に勧めることもないので、安心して来ていただければと思います。私はスペイン語、院長は英語での対応もできるので、気軽にお立ち寄りください。
【大橋院長】長年、大規模病院に勤務してきたので、さまざまな診療科目の医師とのネットワークが豊富です。「歯が痛い」だけではなく「腕を動かしにくい」「頭痛が起きやすい」など、全身のお悩みもお聞かせください。持病や継続的に飲んでいる薬にも配慮しながら診療を進め、必要があればしかるべき医療機関を迅速に紹介します。かかりつけ歯科として、口の中から健康を守っていきたいと思っています。
