錦糸町テルミナかわもと眼科 (墨田区/錦糸町駅)
河本 旭 院長の独自取材記事
錦糸町駅直結のステーションビル4階に構える「錦糸町テルミナかわもと眼科」を訪ねた。白を基調にした清潔感あふれる院内は、受付から診療室、検査スペースまでゆったりと広い動線が確保されており、幅広い年齢層の患者が安心して通院できる環境が整う。院長の河本旭先生は穏やかな笑顔が印象的なドクター。開業前は大学病院の勤務医として白内障の手術を手がけ、そうした経験を生かした見落としのない検査診断に力を注いでいる。「患者のつらい症状を常に自分の身に置き換えて考える診療」を実践しているという河本先生に、クリニックの特色や院内のこだわり、子どもの近視治療、今後手がけたいと準備を進めている眼形成の領域についてなど、幅広く話を聞いた。
通勤通学の途中で立ち寄りやすいクリニック
駅直結のとても便利な立地が魅力的なクリニックですね。
私自身もそうですが、病院に行くためにわざわざ時間を取っていくのは、正直言って面倒ですよね。しかもその時間を確保するのも意外と大変ですから、心配なことがあったときに通勤通学の途中で立ち寄りやすいというのは当院のセールスポイントの1つだと思います。お仕事帰りに立ち寄られる方を想定して、平日の診療日は夜7時まで診療していますし、土日も診療しています。かといって患者さんの年齢層が学生さんやビジネスパーソンに偏っているわけではなく、小さなお子さんやご年配の方も含めた幅広い世代の患者さんが来院されます。一度当院で受診された方がご家族やご友人を紹介してくださるというように患者さんが増えていて、患者さん同士がお知り合いやご近所さんなんていうケースもかなり多いんですよ。
院内のこだわりについて教えてください。
眼科はご年配の患者さんが多く来られることもあって、もし車いすで来院されても検査室や診察室に付き添いのご家族と一緒に入っていただけるように、患者さんの動線を含め、割と広めのスペースを確保しました。設備面についても、多くの眼科疾患に対応できる眼圧検査、視野検査の機器に加え、各種レーザー、光干渉断層撮影(OCT)も昨年、新しいものに更新しました。最近は検査機器の精度が上がっているので、疾患の見落としも少なくなってきていますが、検査機器の力を借りつつ、私のこれまでの診療経験も生かして、早期発見早期治療に努めています。
診療にあたって心がけていることはありますか?
例えば「目がゴロゴロする」という症状があったとしましょう。その種の目の違和感は、つい大したことないように思われがちですが、ご本人にとってはつらいことですし、病気を心配して不安な気持ちになるものですよね。ですから、私は常に自分の身に置き換えて考え、些細な症状も丁寧に診ていくようにしています。所見があればすべてモニターに表示して、視覚的に現状を確認していただくことはもちろん、強い不安感をお持ちの方に対しては、心配すべき疾患なのか、心配の必要がないものなのかの区別を、患者さんが納得できるところまでしっかりとご説明しています。
執刀経験を生かした手術適期のアドバイス
先生が医師を志したきっかけは?
記憶をたどると、小学校低学年に大けがをした時の経験が、医療の道をめざそうと思った原体験だったような気がしますね。友達の自転車を借りて砂利の坂道を走っていたら止まらなくなってしまって転倒したことがあったんです。顔から転んで額に10個以上も小石が入ってしまって。偶然近くにいた方に助けていただいて病院で処置を受けたんです。無影灯の下で横になっている私の処置を手際よく進めてくださるドクターがいて、不思議とその光景に恐怖を感じることもなく、子ども心にとても安心したことを覚えています。子どもですから、好奇心からその後もさまざまな世界に興味を持ちましたが、医療もののドラマやドキュメンタリー番組などの影響も受けたりして、中学生になる頃にはやはり医療系をめざしたいという気持ちが明確になっていましたね。
中でも眼科医の道を選ばれたのはなぜですか?
もともとは脳外科に興味があって、顕微鏡を見ながらマイクロサージェリーをやってみたいと考えていたんですが、私が医師になった当時、ちょうど白内障の超音波手術が開花した年だったので、眼科にも興味を持つようになって。眼科の実習はブタの目を使って行われるんですが、実際に手術を体験させてもらったところ、初めて見よう見真似でトライした私に、横で見ていた若い先生が「君、すごくうまいよ」と褒めてくださったんですね。その一言がうれしくて、もしかしたら自分は眼科に向いているのかもしれないと思い、眼科の道を選ぶことにしました。
勤務医時代から長年の手術経験があるようですね。
開業するまでの間は、特に白内障手術に注力してきました。今でも大学病院で私が手術を担当した患者さんが、神奈川方面からここまで通院してくださったりして、20年来のお付き合いになる方もいらっしゃるんですよ。今は機器の性能も高まっているので、白内障手術もさほどハードルの高いものではありませんが、大事なのは手術をする時期。白内障の手術に関しては早くやればいいというものではないんです。これは水晶体の核の硬さの状態に関係しているのですが、やわらかすぎても硬すぎても手術が難しくなってしまうことがあります。そのため、ちょうどいいタイミングを見極めることが手術をスムーズに行うために重要です。当院では現在手術は行っていませんが、手術を長年手がけてきた眼科医だからこそ、そうした手術に適したタイミングまで、年齢や職業、生活スタイルに合わせてきめ細かくアドバイスして差し上げることができます。
オルソケラトロジーなど、子どもの近視治療にも注力
子どもの患者さんも多いそうですが、どういったご相談で来られるのですか?
遊んでいて何かに目をぶつけてしまったというような外傷で来院するケースのほか、やはり近視のご相談で来られる方が多いですね。今の子どもたちはゲームだけではなく、学校でも1人1台タブレットを使って学習することが当たり前になってきていますから、大人同様に目を酷使する生活になって、お子さんの近視が進んでしまうのではないかとご心配される保護者の方の声をよくお聞きします。当院では、特殊なコンタクトレンズを寝ている間に装着して近視の改善を図るオルソケラトロジーに力を入れています。そうした治療と併せて、タブレットの画面を30分見続けたら5分ほど目を休めるなど、手軽に実践できるポイントもお伝えしています。当院は優しいスタッフばかりで、お子さんの検査も丁寧に行っていきますから、安心してご相談ください。
開業から7年が経過しましたが、今後新たに取り組んでみたいことなどはありますか?
実は眼科領域の1つである眼形成、具体的には眼瞼下垂などの手術を当院で手がけてみたいと準備を進めているところです。これまでこの領域の手術に注力している病院に足を運び、手術や外来の勉強を重ねてきました。まぶたの手術と聞くと美容のイメージがあるかもしれませんが、病的なものに関しては保険が適用され、ニーズも多くあります。もともと当院の処置室があるスペースは手術室にするつもりで作りましたから、空調等も手術に対応可能な規格で備えつけてあるんです。まぶたが下がって視界が狭くなってしまったお年寄りに手術という選択肢を伝えても「もう年だから仕方ない」とあえて手術を選択しない方も多いです。しかし、視界が狭いと全身の健康状態に影響のあるケースもあるため、当院の新しい強みとして、近い将来、地域の方に保険診療で提供できればと思っています。
最後になりますが、読者に向けて一言メッセージをお願いします。
最近は職場のリモート勤務が増えているせいか、眼精疲労やドライアイ、視力低下を訴える患者さんが増えています。眼精疲労もドライアイも、単なる疲れ目、渇き目ということでは片づけられない問題で、どちらも放置していると、睡眠障害やアレルギー性疾患など別の疾患に発展するリスクがありますから注意が必要です。処方された目薬を使うことはもちろん、瞬きをしっかりすること、十分な睡眠、湿度管理などを意識すれば、症状はより改善に向かいやすくなります。当院は通勤通学のついでに通院できる便利な立地でもありますから、心配なことがありましたら、気軽に立ち寄って相談していただきたいですね。