山崎 新 院長の独自取材記事

同ビル1・2階にも増床。合計3フロア体制に

同ビルの1階と2階にも拡張されました。

おかげさまで開院以来、多くの患者さんに通っていただいており、歯科医師や歯科衛生士、スタッフの増員はできているのですが、診療スペースの関係でお待たせしたり予約が取りづらかったりという現状がありました。今回、良いタイミングで同じビルの1階と2階のスペースが空きましたので診療スペース拡張の願いがかなうことになりました。12台の診療用チェアが新たに入ります。これまで以上に、メンテナンス・予防歯科に力を入れて、患者さんの歯を守っていきたいと思っています。また設備としては治療中の粉塵などの衛生管理対策もかねて口腔外バキュームや、マイクロスコープを導入しました。口腔外バキュームは、どうしても処置中に発生する細かいちりを即座に吸い取ってくれるので、患者さんはもちろん私たちスタッフもクリーンな環境で治療に取り組むことができます。

マイクロスコープや広い手術室も新たに導入されたとか。

マイクロスコープは、これまで私自身、講習会や勉強会でその有益さを実感していましたので、今回3台導入しました。一番活躍するのは歯の根っこの治療・根管治療かと思いますが、実際の治療の現場はもちろん、しっかりと目で見て確認できますので診断の確実性の向上につながりますし、マイクロスコープの治療中画像を録画できますので、実際に患者さんに見ていただいて治療に納得していただくこともできると思います。また、インプラント治療などを行う広い個室の手術室も新たに設けました。これまで以上に各スタッフが動きやすく、麻酔専門の歯科医師が患者さんの様子を確認しやすいですし、処置に使うさまざまな器具を渡してくれる機械出しの助手は、実際の処置の様子をモニターで確認しながら効率良く機械出しができるようになりました。処置時間の時短もかない、患者さんの負担も減らせると思っています。

1・2階は患者さんのプライバシーを守りながらも閉塞感のないすてきな空間ですね。

治療ユニットの感覚やパーティションの高さを微妙に工夫しながら、患者さんのプライバシーを守りつつも、スタッフ全員で患者さんに目配りできるような空間をめざしました。歯科診療ではどうしても患者さんを少しお待たせする時間ができてしまいますが、そんなときも患者さんを完全にお一人きりにしてしまわないよう、何か患者さんからアクションがあったときにすぐスタッフが駆けつけられるように意識しています。また靴の脱ぎ履きに不安のある方もおられますので、1・2階は靴のまま入っていただけるようにしています。

精密性と安全性の高いインプラント治療を追求

あらためてご開業時の思いをお聞かせください。

卒業後は院内のすべての仕事を理解したくて歯科医院で鍛えていただき、その後インプラント治療専門の歯科医院に約3年間在籍。多くの患者さんの診療に携わり、自分が幅広い治療に対応できる自信がついたタイミングで開院しました。現在は患者さんの多様なニーズに対応する総合的な診療に取り組んでいます。また、より多くの患者さんが通いやすいよう朝9時から夜9時まで通しで診療しています。患者さんにはできれば継続して長く通っていただきたいというのが私の願いです。継続して通っていただくことで患者さんの口腔内の情報を蓄積できれば、虫歯一つにしてもリスクや経過などを総合的に判断し、できるだけ歯を削らずに済むような適切な選択肢を提案できるようになります。ですので、歯科医院で定期的に診てもらうことには大きなメリットがあることをたくさんの方にぜひ知っていただきたいと思っています。

力を入れていることは何ですか？

中でもインプラント治療には力を入れています。天然の歯と同じような噛み心地が期待できること、見た目も自然なこと、周りの歯に負担をかけにくいこと、適切に治療を行いしっかりとメンテナンスを続けていれば長持ちが期待できることなど、メリットは多いんです。当院では一般的なインプラント治療のほか、数本のインプラントで上顎や下顎のすべての歯を支えるタイプなど、難症例にも対応しています。また私はこれまで数多くのインプラント手術やカウンセリング、トラブル対応などをしてきましたので、その経験も生かしつつ、より安全で精度が高く、長持ちするインプラント治療を提供することをめざしています。

インプラント治療では先進のガイドシステムを活用されていますね。

安全かつ精度の高いインプラント治療をめざすために、GPSのような機能を搭載した先進の3Dナビゲーションシステムを導入しています。骨や神経の位置を術前に適切に把握することで、安全性・精密性の向上を図るとともに、治療計画と実際の治療での誤差を最小限に抑えられるようめざします。ですが、ナビゲーションシステムが常に100％信頼できるとは言いきれませんので、このシステムがなくても、安全性に配慮した精度の高い治療を行う技術を研鑽し続けることも重要だと考えています。

予防もインプラント治療も。総合的な歯科診療を提供

歯科衛生士さんもたくさん在籍されています。

見学・実習に来た歯科衛生士を養成する学校の生徒さんたちが、当院の教育体制や雰囲気を気に入りそのまま入職してくれるケースが多くうれしく思っています。当院では先輩の歯科衛生士が、患者さんへの説明や対応の仕方、徹底的なクリーニングの方法などの実際の手技などをマンツーマンで丁寧に指導します。また実際の業務の様子を先輩歯科衛生士が見て、間違いやもっと患者さんのためにできることを指摘。新人歯科衛生士が不安な気持ちを抱えたまま業務にあたることがないよう、細かい疑問などにも丁寧に答えていきます。月に1回は全歯科衛生士が集合しミーティングを開催。新しい知識の共有や、互いの技術に差がないかどうかまでチェックし、全員のレベルを上げつつ均一化できるように努めています。やはりメンテナンスやクリーニングの主役は歯科衛生士。当院の歯科衛生士は皆、自分が患者さんの歯の健康を守る！　という高い意識で取り組んでいます。

診療で大事にしていることは何ですか？

患者さんの症状や治療にばかり目を向けるのではなく、患者さん自身をしっかり理解して診療するようにしています。歯科医師が最良だと思う治療が、患者さんの考えやニーズに合うとは限りません。患者さんの考えなども踏まえて選択肢を提示することが大切です。私たちが立てる治療計画は、その患者さんの都合や環境、私たちの技術力を含め、総合的な要素を客観的に判断したものでなければなりません。さまざまな制約もありますが、常にベストなものを提供できるよう意識しています。

スタッフ構成について伺います。

歯科医師は私を含め4人、他に矯正専門の先生が来ています。病院の歯科口腔外科で研鑽を積んだ先生もおり、親知らずの抜歯でも一般的な歯科医院では難しい症例や急患も可能な限り対応しています。より専門的な治療が必要なときには、適切な医療機関へ紹介しますが、できる限り受け皿を広げたいと考えています。また、当院の歯科医師や歯科衛生士、歯科助手などスタッフ全員が小児歯科の経験が豊富で、子どもたちへの接し方にも慣れています。子どもたちには、小さな頃から歯科医院に通うことに慣れて、当たり前のようにメンテナンスを受けてもらい、大切な自分の歯を守ってほしいと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

メンテナンスには、できる限り楽しく通っていただきたいので、歯科衛生士には人間的にも技術的にも魅力的な存在になってほしいと思っています。患者さんのご都合や生活背景も理解して、より長く快適にメンテナンスに通っていただいて、歯の健康を守ってもらえたらと思います。今後は、さまざまな難症例の受け入れも増やし、患者さんのニーズに対応しながら、口の中の環境を改善するためのお手伝いをしていきたいです。