スター歯科 (佐倉市/京成臼井駅)
山田 浩平 院長の独自取材記事
2025年6月、佐倉市染井野にあるショッピングセンターから、すぐ近くの臼井南中学校交差点角に移転・リニューアルした「スター歯科」。白とベージュを基調とした院内はゆったりと広く、洗練された雰囲気が漂う。タッチディスプレーのあるキッズスペースも用意され、子どもたちが楽しみながら通院できるよう工夫されている。「歯科に対するマイナスイメージを払拭し、来て良かった、また行きたい、と思えるプラスイメージの場所に歯科医院を変えていきたいですね」と話す山田浩平院長。地域のニーズに応えるべく一般歯科から小児歯科、矯正歯科、審美歯科、インプラントなど幅広く診療し、最近では歯周病に対する新しい治療法にも取り組んでいる。開業10年を過ぎた節目に新たなスタートを切った同院について、山田院長に話を聞いた。
広くゆったりとした空間に充実の歯科医療環境を整備
こちらに移転、リニューアルした背景について教えてください。
当院は2015年にショッピングセンター内に開業して以来、ファミリー層を中心に子どもからご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんに来院していただいていました。おかげさまで患者さんもかなり増えまして、院内が手狭になり、患者さんの受け入れも難しくなってきました。そこでもっと広い場所に移転して、多くの患者さんの期待に応えていきたいと考えたのです。この地域は車社会ですので、何よりも広い駐車場の取れる所を最優先しました。以前、クリニックのあったショッピングセンターからも近く生活圏内なので、前から通っていた患者さんも特に不便を感じることなく通院していただけるのではと思っています。
院内も広くて落ち着きますね。どんな点にこだわったのですか。
一つはキッズスペースにタッチディスプレーのキャンバスを設置して子どもたちが待ち時間を楽しく過ごせるよう工夫しています。また、待合室や診療室はどこも広いスペースを取っています。診療室は10室あり、今はまだユニットは7台ですが、いずれ増やしていく予定です。そのうち3室は完全個室になっています。カウンセリングルームも2室あり、初診時や治療計画の説明の際などに活用しています。以前のクリニックと比べるととても広くなっていますので、以前のクリニックを知る患者さんからは、同じクリニックとは思えない、などと驚きの声もいただいています。また、会計システムも改善して、保険診療、自費診療すべて電子決済ができるようにしています。
診療にあたってどのようなことを心がけていますか。
自分が受けたい治療、家族に受けてもらいたい治療をする、その精神はずっと大切にしています。世間一般に歯科というと、「痛い」「怖い」「削る」「抜く」といったネガティブなワードばかりが思い起こされ、マイナスイメージをお持ちの方が多いと思います。そうした不安感と患者さんの悩みを取り除き、「来て良かった」「また行きたい」と思えるようなプラスイメージの歯科医院をめざしています。そのために痛みの少ない治療をめざしたり、治療内容の可視化を行ったりとさまざまな工夫をしていますが、そのような治療面だけでなく、その他の要素も重要だと思っています。例えばスタッフの接遇やあいさつ、歯科衛生士のメンテナンスの技術や接し方、清潔感など院内の環境や雰囲気などトータルで判断されると考えています。
セラミックを用いた補綴治療や矯正、歯周病治療に注力
こちらではセラミックを用いた治療に力を入れているそうですね。
最近は、セラミック素材を用いた補綴治療のニーズが高くなってきていますので、患者さんのご要望に応じて対応しています。セラミックを用いた治療というと色の白さだけに着目しがちですが、セラミックの素材としての機能面についても丁寧に説明しています。例えば汚れが付きにくい素材のため虫歯になりにくくなることが期待でき、金属アレルギーの心配が少ないことなどをお話して、セラミックの特性をよくご理解いただけるよう努めています。虫歯治療やインプラントなどすべての治療において、ジルコニアやジルコニアセラミックなど各種素材を導入していますので患者さんのご希望に合わせて選んでいただけます。
マウスピース型装置を用いた矯正のニーズも高くなっているのですか。
そうですね。最近では事前に調べてくる人も多く、こちらからマウスピース型装置という言葉を出す前に、自らご希望なさるケースも見受けられます。一番のメリットは、マウスピース型装置が透明で矯正中も口元の装置が目立たないことです。また、矯正前の状態から矯正後の状態までシミュレーションでき、動画であらかじめ確認できるので、患者と歯科医師双方が描くゴールのイメージをしっかりすり合わせることができます。ただ、ゴールを達成するためには、装置を毎日欠かさず、決められた時間しっかりと装着することが基本です。日々の装着状況については患者さん任せにならざるを得ませんが、口元をきれいにしたいという明確な意思を持って取り組まれることで、順調に進んでいけるかと思います。
歯周病に対する新しい治療法も導入したと聞きました。
はい。この6月から歯周病に対する先進的な治療法であるブルーラジカルレーザーを用いた歯周病治療に取り組んでいます。最初にこの治療法について知ったのは2024年10月頃だったのですが、中等度から重度の歯周病に対して改善効果が期待できると思い、すぐに研修を受けて当院でも始めることにしました。これまでスケーリングやルートプレーニングと呼ばれる方法で歯石やプラークを取り除いていましたが、それではなかなか改善しない場合や、手術が必要になるほどまでに進行しているけれど手術はしたくないなどといった場合、このレーザーを用いた歯周病治療は有用だと考えています。歯周病の初期段階からでも行うことができますので、歯周病の進行が心配な方や歯周病で困っている方はご相談ください。
その他、力を入れている治療はありますか。
インプラント治療ですね。学生時代はインプラント治療について座学でしか学んだことがなかったのですが、研修医時代、歯を失った患者さんがインプラントを埋入し、生き生きとクリニックを後にする姿を目の当たりにし、インプラント治療に大きな可能性を感じました。それ以来インプラント治療について勉強を重ね、現在は当院が注力する治療のうちの1つになっています。院内に歯科用CTも備えていますので、適切な診断と技術のもと、インプラント治療を提供しています。
小児の治療の際は焦らずじっくりと対話を重ねる
ところで、先生が歯科医師を志したきっかけは?
子どもの頃、一緒に住んでいた親類が「入れ歯だとご飯がおいしくない」とよく言っていました。それを自分が何とかしてあげたいと思ったのが、最初のきっかけだったかもしれませんね。子どもの頃に通っていた歯科医院には、歯に関することだけでなく、いろいろな話を聞かせてくれる優しくフレンドリーな先生がいました。そのおかげで歯科医院に通うのが大好きになり、虫歯ゼロで学校の表彰を受けたこともあります。幼かった自分が歯科医院嫌いにならずに済んだのは、すてきな先生との出会いがあったからこそ。ですから、今も小さいお子さんが来た時などは、できるだけ歯科医院を好きになってもらえたらと、細心の注意を払って治療を始めるようにしています。
ご自身の幼少期の経験がお子さんの治療に反映されているのですね。
最初からスムーズに治療に入れるお子さんもいますが、中には怖がって診療室に入れなかったり、ユニットに座るのを嫌がるお子さんもいます。もしそのような場合はまずお話をメインにして、「また遊びに来てね」といった形で治療せずに終わることもあると思います。そういう対話を何度か繰り返すうちに、ほとんどのお子さんはこの空間に慣れてくると思います。焦りは禁物。根気よく向き合って、まずは僕と仲良くなってもらうことを大切にしています。
最後に今後の展望とメッセージをお願いします。
移転後、おかげさまですでに患者さんの受け入れも限界に近づいてきていますので、今後、診療ユニットやスタッフも増やしてさらに診療体制を拡充していきたいと考えています。歯は、いつ痛くなるか、いつ詰め物が取れるか、予測がつかないですから、何か起きた時にいつでもすぐに診られる体制は整えておきたいと思っています。歯科医療は治療を終えた時がゴールではありません。そこから長く生涯にわたって良い状態を維持することが大事ですので、定期検診には忘れずに通っていただきたいですね。