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なかの歯科・こども歯科クリニック (北九州市門司区/門司駅)

中野 稔也 院長、中野 真希 副院長の独自取材記事

門司駅から徒歩5分の場所にある「なかの歯科・こども歯科クリニック」。近年特に歯の予防医療に注力し、同院に在籍する管理栄養士とともに離乳食の与え方などの教室を行うなど、子どもの予防歯科にも積極的に取り組んでいる。そんな同院のビジョンは「家族全員で安心して通える歯科医院」。「ご家族皆さんに来ていただいて、お口の健康について皆さんで話し合ってくださるような歯科医院にしたい」とやわらかな笑顔を見せる中野稔也院長と中野真希副院長に、同院が取り組む予防歯科、そして小児歯科へのアプローチについて詳しく語ってもらった。

めざすのは「家族全員で安心して通える歯科医院」

こちらでは予防歯科にかなり力を入れられているそうですね。

【稔也院長】予防歯科と聞くと、治療を受けてその状態を保つために定期的なメンテナンスを受ける、と考える方も多いと思います。しかし、そもそも治療している時点で、正確には「予防」とは呼べないのだと私たちは考えます。基本にあるのは、虫歯をつくらない、歯を削らないこと。そう考えると成人にあたる方はある程度何らかの治療をしていますから、お子さんにそうならないための知識を得てもらい、学んでほしいと思っています。親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんが歯の治療の経験があれば、お子さんやお孫さんにはそうならないように予防の意識を伝えてほしいのです。ご家族で考える予防教育を、当院から発信していきたいと考えています。

虫歯予防だけでなく噛み合わせ治療にも着目されるようになったのはなぜでしょうか?

【稔也院長】幼稚園や学校での健診などを行っていると、虫歯は減っていても歯並びが悪い子が増えていることに気づきました。顎が小さいと舌が正常な場所に収まらなかったり、鼻呼吸ができずに口呼吸になることで姿勢が悪くなったりするだけではなく、将来的には気道がふさがって睡眠時無呼吸症候群になるリスクも考えられます。また歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病になりやすい傾向も。そんなふうに虫歯や歯周病の予防から、もっと機能的な部分である噛み合わせや歯並びといった部分に着眼点がシフトしてきました。できる限り歯科治療という「手が加わる」ことがないように、赤ちゃんや乳幼児の頃から、歯に関するさまざまな知識を得て実践してもらうことが大切なのではないかと考えています。

どんな年代の方がいらしているのでしょうか?

【稔也院長】お子さんから高齢の方まで、幅広い年齢層の方がいらしてくださっています。治療はもとより、その後のメンテナンスの必要性を丁寧にお伝えしていることもあって、長く通い続けてくださっている方が多いです。メンテナンスでの通院が困難になった方もいらっしゃるので、当院で訪問での口腔ケアも行っています。予防の大切さなどを聞いていると「もっと早く来ていれば良かった」と後悔される方もいらっしゃるかと思います。年齢が上がっていくにつれてあらゆるリスクは上がっていきますから、やはり子どもの頃から歯科に通うのがベストだと考えています。それこそ患者さんが歯科に通うことが楽しいと思ってくださることが、将来的な健康につながると思います。

保護者と一緒に「子どもに何ができるか」を考えていく

お子さんの予防も、早いうちから始めたほうが良いのでしょうか?

【真希副院長】もちろん、早ければ早いほど良いと思いますよ。お子さんの健康的な成長発育を歯科の面からサポートしていくのも私たちの重要な役割の一つだと考えています。できればお母さんが妊娠する前から歯に興味を持ってメンテナンスなどに通ってくださると、出産後もお子さんの歯のことも同じように気にかけていけるでしょう。そうして歯科を活用しながら健康に正しく育っていけば虫歯や歯周病なども可能な限り予防につながるでしょうし、必要に応じて噛み合わせなども整えていけば、より一生自分の歯で食事を食べて楽しく命を終えられる方が増えるのではないか。そんなふうに見守って寄り添ってサポートしていくのが、当院の理想ではないかと考えています。

具体的にお子さんには、どのようにアドバイスされるのでしょうか?

【稔也院長】お子さん向けの矯正装置を用いることもありますが、年齢などお子さんによって難しい場合は、まず日常生活の中で見直せることを探していきます。例えば日頃の食事中、ゲームやタブレットを扱う時、勉強や宿題をしている最中の姿勢などには着目していますね。親御さんにも普段どんな姿勢であるか、どんな状況でそうなっているかなどを確認し、こんなふうに改善しましょうと細かくアドバイスします。また0歳児の場合は、離乳食の与え方などもお伝えします。マウスピース型装置などを使わずとも日常生活でできることから取り組むことも非常に大切なのです。

マウスピース型装置を用いた矯正を行うこともありますか?

【稔也院長】小学生や中学生になると行うこともありますね。お子さんの月齢や年齢に合った適切な方法があるのです。ただもちろん、それに間に合わなかったお子さんもいらっしゃいます。例えば2歳くらいから当院に通われるようになった方には離乳食はもう必要ありませんから、次に大切な姿勢の注意点のアドバイスなどを行っています。お子さんの年齢に合わせた発育をサポートしていくことが重要だと考えているんです。また「ごはんとお口のお話」という教室を院内で行っていて、教室では管理栄養士と連携し、離乳食を始める時の食ベさせ方や姿勢など、ちゃんと噛む、食べるという行為についてお伝えしています。事前に知っておくことで良い歯並びや噛み合わせ、ひいては全身の健康につながりますからね。

楽しく学び、楽しく通える環境づくりを

学校や幼稚園でも講話を行っているそうですね。

【真希副院長】ええ。学校からも依頼があり、1年に1回のペースで行っています。幼稚園で行う場合は保護者に向けてお話ししますが、小学校になるとお子さんご本人に向けてお話しすることになり、歯科に行って自分の健康のために何ができるかを知るための種まきのような機会になり、実際に歯科に足を向けてもらうきっかけになるとうれしいですね。今後はもっとこのような機会を増やしたいと考えていて、幼稚園や子育てサークルなどで「歯と全身の発育について知りたい」というご要望があれば、ぜひお伺いしていろいろと情報共有できればと考えています。親御さんやお子さん本人と一緒に、何ができるかを探していく場所になれたらうれしいですね。

歯科衛生士さんとの連携も欠かせないのではないでしょうか。

【真希副院長】歯科衛生士のスキルアップについて、近年は月に1度、外部から講師を招いてご指導いただいています。当院では歯科衛生士が行うメンテナンスは担当制。つまりその患者さんと一人の歯科衛生士が長くお付き合いして、細かくアドバイスを行っていくことになります。そのために必要なのは、患者さんお一人お一人の生活背景や生活習慣などをしっかりと把握すること。それには患者さんとの深いコミュニケーションが必要です。そのコミュニケーションのアドバイスをくださるのが外部講師なんですよ。実際に歯科衛生士の成長も感じていますし、患者さんにはぜひ担当の歯科衛生士のファンになって、「メンテナンスを受けて良かった」「この数ヵ月はこういうところを頑張ってきたから担当の歯科衛生士さんにぜひ見てほしい」など、前向きな通院につなげてほしいと思っています。

今後の展望や読者へのメッセージをお聞かせください。

【真希副院長】理想的な噛み合わせで、虫歯や歯周病もないというお子さんを増やしていきたいと思っています。当院が関わることで、一生自分の歯で過ごせる、痛いこと、困ったことを最小限に抑えられる人が育つのではないかと思います。お子さんは親御さんだけで育てていくものではなく、私たちのような医療機関や、おじいちゃん、おばあちゃんを含めたご家族みんなで育てていく。一緒にお子さんを健やかに育てていく関係でありたいと思います。 【稔也院長】口を大きく開けて笑って健康的に過ごすために歯科があります。これからも患者さんが楽しく通える歯科医院づくりに努めていきたいですね。

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