たなかよしひこ歯科 (柏市／新柏駅)
田中 禎彦 院長の独自取材記事
東武野田線・新柏駅から歩いてすぐの好立地にある「たなかよしひこ歯科」。長年、インプラント治療に携わってきた田中禎彦院長を中心に、口腔外科、矯正歯科、静脈内鎮静麻酔を担当する麻酔科など、各分野を専門とする歯科医師が、チームで質の高い歯科医療を追求している。インパクトのあるクリニック名には「私が責任を持って治療に向き合います」という田中院長の心意気が込められており、幅広い年齢層のライフステージに寄り添った誠実な診療がクリニックの持ち味となっている。穏やかな笑顔と語り口から優しい人柄が伝わってくる田中院長に、同院の特徴や歯科医療への思いについて話を聞いた。
専門を持つ複数の歯科医師がチーム医療で地域に貢献
クリニックの特徴について教えてください。
当院は、専門分野を持つ複数の歯科医師が、0歳から100歳まで幅広い年齢層の患者さんを診療する地域密着型の歯科医院です。一般歯科、口腔外科、矯正歯科、予防歯科と診療の幅は広く、チームによる診療は当院の特徴の一つです。最近は、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに口腔外科に力を入れるようになりました。通常、骨に深く潜り込んでいるような難症例の親知らずの抜歯は大学病院で対応することが多いのですが、新型コロナウイルスの流行中においては受け入れが困難でした。当時、困った患者さんから相談を受け、口腔外科専門の先生に来ていただき当院で抜歯することにしました。大学病院では抜歯までに3回通院するケースがありますが、当院であれば健康状態に問題がなければその日に処置できます。患者さんにとっては通い慣れたクリニックで専門家による抜歯ができるので、不安や負担が少ないのではないかと思います。
口腔外科に注力するための体制も整えていらっしゃるそうですね。
以前は、非常勤として筑波大学附属病院の歯科・口腔外科の武川幸太郎先生に来ていただいていたのですが、その武川先生が今年の4月から常勤になりました。これまでさまざまな口腔外科の先生を見てきましたが、その中でも武川先生の技術には目を見張るものがあると思っています。通常難症例の親知らずの抜歯には1時間ぐらいかかるのですが、武川先生はほとんどの症例でより早く、精密に、そして丁寧に抜歯ができるよう努めています。短い時間で抜歯ができれば、患者さんの怖さが軽減されますし、感染リスクも少なくなりますし、抜いた後も早い回復が期待できます。当院では抜歯を含め口腔外科全般のエキスパートが診療にあたるので、親知らずなどでお悩みの方は一度ご相談いただきたいですね。
矯正歯科や静脈内鎮静麻酔専門の先生もいらっしゃいますね。
今の歯科医療は、専門家の時代だと考えています。矯正歯科の慶徳美怜先生には月に2～3回来てもらっていますが、予約が増えていることと日曜の受診を要望する声が多いため、5月からは日曜も診療していただくことになりました。慶徳先生は私が信頼する優秀な先生です。また、静脈内鎮静麻酔を担当する岩田茉里奈先生は多くの症例数を経験されていて、麻酔の専門家として私のインプラント治療をサポートしてくれています。岩田先生は麻酔の扱いがとても上手な熟練の麻酔歯科医師です。
第三の天然歯と捉え情熱を傾けてきたインプラント治療
こちらの診療方針、コンセプトを教えてください。
開院当初から「なるべく削らず抜かず、天然の歯を残すこと」、そして「痛みの少ない治療」をコンセプトにしてきました。痛みの少ない治療というのは、肉体的な面だけでなく、恐怖心を与えず、来院していただいたことに感謝して、お互いに信頼関係を持つという心の面も含んでいます。何かあったらすぐに来ていただける関係を構築し、末永くお付き合いしていけることをめざしてきました。人生100年時代ですから、患者さんには「100歳まで生きると仮定して、この歯は持ちこたえることができるのか」という視点で説明しています。60代、70代はまだ人生の半分を過ぎたぐらいですから、患者さんのライフプランを考えた歯科診療の提案を心がけていますね。
先生はインプラント治療のエキスパートと伺っています。
歯科医師になって最初に勤務したのは全国展開している大きな医療法人で、沖縄の離島の診療所など各地で地域密着型の歯科医療をしていました。その頃からインプラントに興味を持ち、インプラント治療の技術を学び、勉強会で症例を発表することが自分のライフワークになりました。私がインプラント治療を始めたのは2000年からですが、始めたきっかけは入れ歯に限界を感じたことです。それまで、完璧な唯一無二の入れ歯づくりをめざしていましたが、どれだけ頑張って入れ歯を作ってもやはり天然の歯には勝てません。入れ歯のしゃべりにくさのストレスからうつ病になった方や精神的に落ち込む方など、困っている方をたくさん見てきました。その経験の中で、天然歯に近いという観点で、今の歯科医療ができるベストな選択はインプラントだと思い、以来情熱を注いでいます。乳歯が抜けて永久歯が生えてくるようにインプラントは、第三の天然歯と私は捉えています。
こちらのインプラント治療の特徴を教えてください。
当院の場合、静脈内鎮静麻酔専門の歯科医師がいることもあって、高齢の患者さんに対してもインプラント治療を行うことが可能です。入れ歯を使っているけれど、すぐに外れる、噛みにくい、痛いなどでお困りの方は少なくありませんので、そういった方たちにインプラント治療をご提案しています。失った歯を補うための方法には、インプラントの他にブリッジもありますが、周りの歯を削ってブリッジにすると、必ず削った歯が悪くなっていきます。ブリッジは費用負担にも配慮されており簡単ですが、一生そのブリッジを使い続けることも難しいでしょう。何回も作り変えていくうちに、いたずらに歯を失う可能性もあることから、最近はインプラントを選ぶ方が増えています。ただ、当院では、自分の価値観を押しつけないようにしています。インプラントのリスクとリターン、メリットとデメリットをお伝えして、患者さんに選んでいただくというスタンスです。
人生100年時代に必要なのは長く保てる歯科治療
こちらでは機器にもこだわっていらっしゃいますね。
耳鼻咽喉科でも使える広範囲が撮影できる頭頸部CTの他、クリーニングで用いるエアフロ―は先進の機種を導入しています。クリーニングは、やり方を間違えると歯が痛んでしまうことがありますので、微粒子パウダーを吹きつけて着色やプラークなどのバイオフィルムを隅々まで除去することをめざすエアフロ―は、歯の表面を傷つけることなく非常にスッキリするでしょう。クリーニングを担当する歯科衛生士はとても優秀で、一人ではチェックしきれないすべての患者さんの歯の状態を私の目となり、手となって報告してくれます。問題が起こる前に報告が入れば、取り返しがつかなくなる前に処置ができるので、非常に助かりますね。
ところで、先生は東京マラソンに出場された経験がおありだそうですね。
沖縄の石垣島に勤務していた時、スタッフ全員がマラソンに参加する機会があり、それから走ることが趣味になりました。最初は健康増進のために走っていたのですが、周りから「結構早いから一度大会に出てはどうか」と勧められ、2017年に水戸で、2018年には抽選に当たり東京マラソンに出場することができました。歯科医師の仕事は体力が資本なので、今もできる限り毎日走っています。心技体という教訓がありますが、歯科医師に大切なのは、体心技だと思いますね。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
当院には複数の優秀な歯科医師の助けがあります。今後は、この組織を育ててさらにレベルアップし、その下の世代も育てていきたいですね。みんなが働きやすい環境をつくることが私の仕事だと思っています。そして、患者さんに利益をもたらし「たなかよしひこ歯科」に来て良かったと思っていただくことが一番の目標であり、私のライフワークです。これからもチームとしてどんどん成長していきたいと思います。患者さんには、人生100年時代ですから、100年もつ歯を作っていきましょうと伝えたいですね。ただ生きるのではなく、健康においしく食べて、楽しくしゃべれることで、体も心も健やかになります。お口はそのための入り口ですし歯の影響は大きいので、しっかりと治療し、ケアしていきましょう。
