ごとう歯科 (福岡市東区/香椎駅)
後藤 千里 院長の独自取材記事
JR鹿児島本線香椎駅より徒歩5分の場所にある「ごとう歯科」は約24年前の開院以来、地域の歯の健康を守ってきた。「関東で歯科医師をしていた母が、4人の子育てが落ち着いたことと父の定年を機に、地元であるこの地で開院したのが始まりです」と語るのは、前院長の娘で現在院長を務める後藤千里先生。同院では一般歯科をはじめ、小児歯科、非抜歯矯正、インプラント治療、顎関節症治療など幅広い診療を展開。早くから歯科用顕微鏡のマイクロスコープや歯科用CTを導入するなど、町の歯科医院でありながら、先進的かつレベルの高い技術が求められる治療にも積極的に取り組んできた。仕事と2児の育児を両立し、勉強会にも熱心に参加していると目を輝かせる後藤院長に、同院の歴史をたどりながら治療にかける想いを聞いた。
1999年の開院より地域に根差したかかりつけ歯科に
歯科医師を志したのはやはりお母さまの影響が大きいのでしょうか。
ええ、母はもともと関東で子育てしながら歯科医師をしていました。そんな母の姿を見ながら育ちましたので、家で治療用の模型を目にしたりと、自然と歯科医師への夢が芽生えたような気がしますね。母のケアのおかげで小学校の時は一本も虫歯がなかったのですが、思春期になり反発する気持ちも影響したのか、実は中学生の時に虫歯になったんです。その虫歯を治療してもらう時に見た母の悔しそうな表情が忘れられなくて。自分の不摂生のせいで健康な歯を悪くしてしまったという罪悪感を抱いたのを今でも覚えています。ただ、当時の苦い経験は歯科医師として診療に生かせていますので、マイナスなことだけではなかったなと思います。
大学ご卒業後、勤務医を経て、2004年にこちらで勤務を開始されたとお聞きしました。
はい、その時はすでに母が地域の方との信頼関係も築いていましたので、一から環境づくりをせずに済んだのはすごく恵まれていたと思います。しばらく母と一緒に診療したことから、地域の方ともすぐに交流を深めることができました。患者層は当時も今も同じで、小さなお子さんやそのご家族、ご高齢の方まで幅広い年齢層の方に地域のかかりつけ歯科として親しんでいただいています。ですので、診療も一般歯科から小児歯科、インプラント治療、審美歯科、噛み合わせや顎関節症治療、矯正歯科など、幅広く対応できますし、学校歯科医もしているので小学校へ歯科検診に行くことも。実はその小学校にはうちの子どもたちも通っていまして、わが子の歯もそこで診ています(笑)。そうやって母と同じように自分も今、子どもたちに歯科医師としての姿を見せることができているんだなと思うと感慨深いですね。
ちなみに、前院長は早くに歯科用顕微鏡のマイクロスコープを導入されたそうですね。
当時、大きな病院以外で導入しているところは非常に珍しかったようです。改めて母の治療に対する熱意を感じました。その他にも顎の動きを測定する機器など、常に新しいものを取り入れて治療に生かす姿勢は尊敬していましたし、そこは院長を継承した今も受け継いでいます。天然の歯に勝るものはありません。ですから、虫歯になったとしても、いかに最小限に食い止められるかということに力を注いでいます。そのために、このマイクロスコープは不可欠。最大約20倍まで拡大でき肉眼では見えない部分も見ることができるため、非常に精密な診療が期待できます。
大切な歯を守るため、レベルの高い精密治療にこだわる
治療だけでなく、患者さんへの説明ツールとしてもマイクロスコープを活用されているとか。
口腔内の様子を録画して患者さんに見てもらうことができるので、説明にも役立てることができるんです。自分の口の中のリアルな映像を見るのは初めての方がほとんどですから、最初はこんなにひどかったのかとショックを受けられるかもしれませんが、その分患者さんのモチベーションアップにもつながると思います。中にはホームページを見た方が精密治療を希望され県外から来られるケースも。そのように、炎症を起こした歯の根の中の管をきれいにする根管治療、銀歯ではなく天然歯に合わせた色調の詰め物によるダイレクトボンディングという治療など、できる限り再治療しなくて済むよう精密な治療を行う際にマイクロスコープを活用しています。
大切な歯を長持ちさせるための治療に取り組まれているのですね。
マイクロスコープを用いた虫歯治療や歯の神経と血管を保存するための歯髄保存療法などは自由診療になりますが、費用がかかる分、歯を長持ちさせるためには有用であると考えます。特に神経を取ってしまうと、歯の寿命は短くなりやすく、歯の変色につながる恐れがあります。当院の歯髄保存治療では、治療中の感染を防ぐためのラバーダムを使用します。それだけ天然の歯を残すための治療にこだわるのは、皆さんにいつまでもご自身の歯でおいしいものを食べ、健康でいていただきたいからこそ。そのために、当院では丁寧な治療、ホームケア、メンテナンスという3つの柱を掲げ、常に歯の大切さをお伝えしています。
非抜歯矯正に注力されているのも天然歯を守りたいという想いからでしょうか。
はい。一般的に小臼歯を抜くケースも多いようですが、当院では非抜歯矯正を行っています。考え方は歯科医師によってさまざまではあるものの、小臼歯には歯を支え、関節や歯に伝わる力を分散させる役割があることから、顎機能を守るためにも当院では基本的に抜歯はいたしません。そのため、適応の幅広さ、小臼歯を抜歯せずに進められる、骨を削る手術を回避しやすいなどのメリットからワイヤー式の矯正を取り入れています。この治療には、噛み合わせを重視した専門性の高い技術と、顎機能咬合や頭部エックス線規格写真撮影、夜間歯ぎしりなどの検査をもとにした診断が重要です。一人ひとりに適した噛み合わせを考慮しながら、症状の改善と良い噛み合わせの長期維持をめざす治療を行います。抜歯矯正を勧められたけど、歯を抜かずに矯正をしたいという方は、一度ご相談にいらしてください。
町の歯科医院でありながら先進的治療が行えるのが強み
矯正治療は小児から成人まで対応されているそうですね。
ええ、小児に関しては小学校3年生くらいから介入して治療を開始するケースが多いですね。小児矯正は成長を利用した顎を広げるための治療を行えるのが、大人の矯正と大きく異なる点です。だからといって、大人は難しい、時間がかかるというわけではありません。歯並びや噛み合わせだけでなく、顎関節の痛みを訴えて来られる方もいますし、年齢や治療目的もさまざまです。
お忙しい毎日だと思いますが、休日はどのように過ごしていますか?
休日は子どもとの時間を大事にしています。あとは勉強会ですね。月1回のマイクロスコープを用いた治療に関する勉強会は自分のベースにもなっています。歯科医療は日々進化していますので、私自身、知りたい気持ちが強いんですよね。その根底には、患者さんの歯を守りたいという強い想いがあるからだと思います。よりレベルの高い治療をめざすために、もう1台マイクロスコープの導入を考えていて、スタッフも使いこなせるようになるのが目標です。あと、出産と子育て経験は診療にも確実に生かせていると日々実感していますね。親と子、双方の気持ちが理解できるのも強みだと思います。このように、私が診療に情熱を注げるのは支えてくれる夫のおかげ。PTAの仕事など子どもに関することはほとんど夫がやってくれていますから。感謝の一言に尽きますね。
最後に地域の方へメッセージをお願いします。
診療内容は幅広いですが、スタッフとうまく連携することで効率良く円滑に治療を行えているのも当院の特徴です。20年近く勤務してくれているベテランの歯科衛生士は、まさに心強い存在。私よりも患者さんとコミュニケーションを図るのが上手で、専門用語を使いがちになる私の説明もわかりやすくかみ砕いて伝えてくれます(笑)。彼女以外に20代前半の新人もいますし、間もなく産休中のスタッフも復帰。アットホームな雰囲気ですので、気軽に来院いただければと思います。そして、町の小さな歯科医院でありながら、先進的な精密治療も行えるというのが当院の大きな強みです。もしも諦めている方がいたら、まずはご相談にいらしてください。