いしわた矯正歯科 (海老名市/海老名駅)
石渡 靖夫 院長の独自取材記事
海老名駅から程近い場所にある「いしわた矯正歯科」。初診で行うのは、基本的にカウンセリングのみだという。カウンセリングでは患者の希望をじっくり聞き、歯列矯正のメリットやデメリットについて説明する。その後患者に自宅でじっくり考えてもらい、それでも矯正をしたいと思う場合のみ治療を行う。無理に治療を進めないのが同院のポリシーだ。同院では院長の石渡靖夫先生、そして副院長の高橋一誠先生を含む3人の歯科医師が診療にあたっており、患者一人ひとりに合わせた矯正方法の提案に努める。「医療の中心は常に患者にある」を方針に掲げ、他の歯科医院からの紹介や、遠方からの患者も多いという同院。新しい知識や情報のインプットを欠かさず研鑽を重ね続ける石渡院長に詳しく話を聞いた。
専門性を追求した技術・知識・設備で治療を提供
こちらには院長の他にも先生がお二人いらっしゃるそうですね。
基本的には私が中心となって診療を行っていますが、担当制ではなく副院長の高橋先生と阿南康太先生も診療を行っています。3人の目が入るのでエラーが少なくより精度の高い治療を追求できます。高橋先生は大学院で専門的に矯正歯科を学んできていて、診療経験も積んでいますので、すぐに開業できるくらいの専門性を持っているだけでなく、情熱もあり患者さんへの接し方もとても良い印象なんです。話すのが好きで、患者さんも彼がいると楽しそうにしていますね。障害がある方への歯科診療についても経験があります。大学で3年間の矯正専攻コースを修了した阿南先生も加わり、年齢の違う歯科医師が3人いるので、患者さんにも安心感を与えられていると思います。将来的には高橋先生にここを引き継いでもらおうと思っているんですよ。
院長は歯科医師として25年以上のキャリアがありながら、新たに資格も取られたとか。
そうなんです。2023年度に、日本歯科専門医療機構認定の矯正歯科専門医資格を取得しました。高橋先生と阿南先生も今後同じ資格の取得をめざす予定です。資格は、専門性を公正で客観的な指標として示すことができるものと捉えています。患者さんが歯科医院選びを行う際の一つの目安にもなりますし、治療を安心して受けていただきたいという思いもありました。そういった理由から、資格を取得することにしました。矯正歯科専門医資格を取得するのは簡単なことではありません。一定年数の診療実績や症例数、論文の提出などが必要です。私は矯正を専門に長年診療を行ってきましたし、これまでの症例も地道に積み重ねてきました。そうした経験が一つのかたちになったことをうれしく思います。これからも矯正歯科専門医として、質の高い治療を患者さんに提供していきたいと考えています。
設備面にもこだわられていると伺いました。
デジタル面を強化し、歯科用CTと口腔内スキャナーを導入しています。矯正を行う際に、場合によってアンカースクリューというねじのようなものを入れることがあるのですが、デジタルで撮影した3次元データがあると、このアンカースクリューをどのポイントに入れていけば良いのかが詳細にわかります。また、マウスピース型装置を使用する際に、今までは印象材を使って歯型を作製し、それを航空便で海外に送って製作を依頼していました。しかしデジタル化により口腔内をスキャンし、そのデータを簡単に送信でき、装置が完成して届くまでの時間も短縮化されました。さらにデジタルデータを使うことで装置の精度向上につなげています。
矯正の成功には、つらさやデメリットの理解も重要
専門のクリニックで矯正を受けるメリットを教えてください。
お伝えしたとおり、当院では、歯列矯正を専門に学んできた歯科医師が診療を行いますので、今の状態の判断だけでなく、原因究明と矯正後の再発防止策についてもお伝えできます。さらに、今後の成長予測をもとに治療した場合や治療しなかった場合の違いを検討するなど、分析と予測ができるのもスペシャリストだからこそでしょう。その分析と予測をもとに、患者さん一人ひとりの口腔内環境や生活環境に合わせたアプローチの方法をご提案します。また、診療に関わる処置はすべて歯科医師が行うのも当院の特徴です。通常、ワイヤーを装置にしばる処置などは、歯科衛生士に任せることが多いのですが、当院では歯科医師が対応しています。診療に関わる処置は歯科医師が、矯正中のケアは歯科衛生士が責任を持って行うのが当院のスタイルです。スタッフもスペシャリストとして、虫歯にならないような矯正中の歯磨きのポイントについて日々研鑽を積んでくれています。
初診ではどのようなことをするのでしょうか。
特別な事情がなければ検査は行わず、患者さんの悩みや不安をお聞きします。お話を聞いてから、その方の現状や矯正をするならどのような方法があるのか、そして矯正のメリットやデメリットなどをお伝えしてその日は終わりです。歯列矯正はやりたいという人に大変さを説明してから、それでもやりたい人がやるもの。基本的に矯正は年齢に関わらずいつでもできるもので、急がなくても良いのです。矯正を希望されても、すぐに始めるとは限りません。部活に打ち込んでいるお子さんなら、それが落ち着く時期から始めることもできますし、もっと小さいお子さんは少し成長してからの治療が適する場合もあります。ただし成長期を控えたお子さんの場合はその際に適した矯正方法もありますので、相談だけは先にしていただくと良いですね。治療に適した時期はもちろん、患者さんの人生にとってのベストなタイミングまで考えてご提案していきます。
矯正ではどのような装置を使用するのですか?
当院では、歯の表面にブラケットをつけたワイヤー矯正が基本ですが、見た目を気にされる方の場合は、裏側にワイヤーをつけて行う裏側矯正にも対応していますし、透明なマウスピース型の装置を用いた矯正もご紹介しています。このマウスピース型の装置を用いた矯正は、目立ちにくいですし、ワイヤーで引っ張ることがないため、患者さんの負担が少ない方法なのですが、すべての患者さんに適した方法ではないんです。もちろん、患者さんのご希望を最優先して、できるだけそれに応えていきたいのですが、口腔内の状況や患者さんの生活の環境など広い視野で考え、装置の限界などもお伝えしながら、しっかり相談して決めていきます。
治療期間が長いからこそ、通いたくなる場所をめざす
受診される方はどういったことを気にされていますか?
噛み合わせなどの機能面と見た目、両方のご相談をいただきますが、やはり見た目を気にして来られる方が多いようです。矯正は見た目だけでなく噛み合わせも重視して行います。噛み合わせが悪いことで、将来歯を失うリスクが高くなります。全身の衰えは口の衰えから始まるといわれていますが、そのきっかけはやはり歯並びです。歯並びが悪いと歯の磨き残しがあったり、偏った部分に力が加わり続けたりするため歯が駄目になりやすいんです。それを防ぐには歯並びを整えていくのが一番です。今は人生100年。50歳でも人生の半分です。もちろんご高齢の方に矯正を積極的に勧めるわけではありませんが、歯があって、歯茎やそれを支える骨が健康であれば、何歳からでも矯正を始められます。
院内の雰囲気も大事にされているそうですね。
はい。患者さんの通院が苦になったり、相談しにくくなったりしないよう、親しみやすい雰囲気づくりに気を配っています。矯正治療は長期にわたりますので、歯科医院に行くのが嫌になっては続きません。それは、私自身が矯正治療を受け、患者として治療のつらさを感じたことからくることでもあります。ただし、接遇セミナーなどは行いません。マニュアルに沿った画一的な接し方ではなく、あくまでも自然に醸し出される雰囲気を大切にしたいからです。ですので、当院の採用基準は「優しい性格」としています。穏やかで子ども好きなスタッフがそろっていることが、当院の自慢です。
読者へメッセージをお願いします。
お子さんの場合、矯正歯科に相談に来ていただくと良いタイミングが2回あります。1回目は永久歯が上下の前歯4本ずつが生えそろったタイミング、2回目は永久歯がほぼ生えそろう中学1年生頃です。このタイミングでお口の中を見せていただき、矯正治療の必要があるのか、必要があるとしたらいつ始めたら良いかをご相談いただければと思います。成長期に治療をすることで骨の成長を良い方向に導けることもありますので、この2回のタイミングでご相談いただくのが理想的です。