平島歯科医院 (川越市/新河岸駅)
平島 篤 院長の独自取材記事
新河岸駅から歩いて5分の場所にある「平島歯科医院」。1968年の開業以来、50年以上にわたって地域密着の歯科診療に取り組んでいる。2代目院長の平島篤先生が大切にしているのは、患者との会話だ。口の中の悩みを気軽に相談できる街の歯科医院として、地域の人々の口の中の健康に寄り添っている。虫歯・歯周病・予防歯科・小児歯科・入れ歯・インプラント治療・ホワイトニングと、対応範囲も幅広い。感染対策にも力を入れ、ハンドピース専用の滅菌器や空気清浄システムも導入している。「歯や口のお悩みがあれば、すぐにいらしてください」と優しい笑顔で話す平島院長に、同院の特徴や歯科診療にかける思いを聞いた。
幅広い症状に対応する街の歯科医院
こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか?
虫歯や歯周病をはじめ、予防歯科・小児歯科・入れ歯・インプラント治療・ホワイトニングまで広く対応しています。最近では子どもの歯並びのご相談が多くなってきました。当院は「街の歯医者さん」ですから、何かに特化するよりも、口の中のことなら何でも診られることが大切だと思っています。1968年に私の父が開業して以来、2012年に私が院長に就任してからも、このスタンスはずっと変わっていません。当院でできるものはしっかりと対応して、必要な場合には、より専門的な医療機関を紹介するようにしています。
入れ歯やインプラント治療にも対応しているのですね。
当院では高齢の患者さんが多いので入れ歯の需要も多いですし、私も入れ歯治療は得意としています。入れ歯は保険診療がほとんどですが、患者さんからの要望があれば、自由診療による金属床義歯や、金属の止め具がないノンクラスプデンチャーにも対応しています。インプラント治療も可能ですが、治療後もメンテナンスで長いお付き合いになるため、初診の患者さんにいきなりインプラントを提案したりはせず、これまでも通院してくれていて、ちゃんとメンテナンスに通っていただけるような患者さんに行うようにしています。自由診療では他に、マウスピース型装置を用いた矯正やホワイトニング、スポーツマウスガードの作製も行っていますので、ご関心のある方はご相談ください。また、当院では歯科用CTと口腔内スキャナーを導入しており、安全を重視しながらこれらの機器を幅広く活用しています。
虫歯や歯周病の治療で工夫していることはありますか?
「できる限り痛くない・抜かない・削らない」を、当院がめざす診療のコンセプトとして、虫歯や歯周病の治療に取り組んでいます。痛いのが好きな人はいないでしょうからね。例えば麻酔の注射をする前には表面麻酔をして、麻酔薬は人肌くらいの温度に温めて、極力細い針を使って注射を打つといった工夫をしています。できることをきちんと行うことで、極力痛みが少なくなるようにしています。また、歯は削ってしまうと元には戻りませんから、例えば、歯が抜けてしまってブリッジを希望する方には、周囲の歯を削らないで済むような方法も提案するなど、なるべく歯を削らないことも心がけています。もちろんできるだけ歯を抜かないようにも心がけていますが、すでにグラグラになっていて医学的に歯が残せないケースもありますから、その辺りを正しく見極めることも大切にしています。
患者との会話でより良い診療につなげていく
診療の際に心がけていることを教えてください。
とにかくわかりやすく、例え話なども入れながら説明して、患者さんに理解してもらってから治療をすることです。治療前には鏡で口の中を見てもらいながら「今日はここをこうして治療します」と説明し、治療後も同じように見てもらっています。あとは、気さくに接することも心がけています。それが嫌という人もいるかもしれませんが、例えば、「誰々さま」と呼ぶのではなくて、「誰々さん」とか、子どもだったら「ちゃん」で呼ぶようにするなど、上から目線でも下から目線でもなく、同じくらいの目線になるようにしています。それによって、患者さんが話しやすい雰囲気になるよう努めています。それで患者さんが気楽に通ってくれるようになれば良いなと思っているんです。
話しやすい雰囲気づくりは大切ですよね。
患者さんの話にはヒントが隠れていることもあり、それが正しい診断にもつながります。私が気さくに話すことで、患者さんにも気軽に話してもらいたいんですよ。患者さんが「歯が痛い」と訴えても、どこにも虫歯が見当たらないというケースもあります。そのようなときになぜ痛いのかを探るためには、話をしてもらわないとわかりません。こういうご時世ですから、ストレスがたまって歯を食いしばっていることが原因で、痛みが出ていると考えられる人も多いんですね。ですから、話を聞いて食いしばりが原因だと考えられる人には、タブレットのガムを噛むとか、舌の先を上の前歯に押しつけるようにするなどのアドバイスをしています。虫歯がないから大丈夫、で帰してしまっては街の歯医者は務まりませんから、コミュニケーションは大切にしています。
忘れられないエピソードはありますか?
先ほどお話しした、わかりやすく説明をすることを意識するきっかけになった出来事があります。私が当院で働き始めてから少したった頃に、「一生懸命説明してくれているのはわかるけど、何を言っているのかわからない」と患者さんから言われたのです。それまでも、よく説明することを心がけていましたが、どうしても専門用語が混ざってしまっていたんです。ですから、それからはよく説明をするのと同時に、言葉を選ぶようにしています。例えば、歯磨きに力を入れすぎている患者さんには、「歯磨きを英語にするとブラッシングで、髪をとかすのもブラッシング。つまり、歯磨きも髪をとかすのと同じくらいの力加減でするんですよ」というように、とにかくわかってもらえるように話をするようにしています。
悩んでいるのであれば、気軽に受診してほしい
院内のご紹介と、感染対策についても教えていただけますか?
当院は私が院長を引き継いだ2012年に改装を行いました。以前は昭和のイメージが残るレトロな院内でしたが、明るく現代風なレイアウトに生まれ変わりました。感染対策にはもともと力を入れており、特に新型コロナウイルス感染症の問題が起こってからは、高圧の蒸気で滅菌する機械を増台、ハンドピース専用の滅菌器も設置しました。空気清浄システムも導入しています。窓を開けなくても空気を清浄できるようにしていますので、花粉が入る心配もありません。清潔でリラックスできる院内で、患者さんをお待ちしています。
歯科衛生士を含めた人員体制についてもお聞かせください。
現在、メンテナンスは4人の歯科衛生士が対応しています。最近は、虫歯や歯周病治療が終わっても、半年に一度くらいの間隔でメンテナンスにいらっしゃる方が多いです。最近1人増員ができたため、今まではメンテナンスのご予約は1ヵ月前後お待ちいただくことが多かったのですが、現在では比較的患者さんの予定に合わせて柔軟に予約が取りやすくなりましたね。
ところで、先生はなぜ歯科医師を志したのですか?
父の希望だったこともありますが、私自身も歯科医師になることに何の抵抗もありませんでした。なるべくしてなったのかもしれませんね。歯科医師になって30年が過ぎましたが、現代はCTやエックス線撮影も全部デジタルになってきていますし、技術の進歩は本当にすごい。それに取り残されないように今も勉強を続けています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
川越市歯科医師会の活動もありますので、クリニックの外でも地域医療に貢献できるのはうれしいことですね。皆さんには、身構えずに気軽に歯科医院をご利用いただきたいと思います。歯の調子が悪くて歯科に行こうか行くまいか悩んでいるのであれば、すぐにいらしてください。躊躇している間にさらに悪化することもありますし、早めに来てもらえればその分早く治療を開始できるからです。30年のキャリアを生かして、しっかりと対応していきます。これからも地域の皆さんに信頼してもらえる歯科医院であり続けたいですね。