おがさわら歯科・のり矯正歯科 (横浜市青葉区/あざみ野駅)
小笠原 聡 院長、小笠原 法子 副院長の独自取材記事
東急田園都市線のあざみ野駅からバスで15分ほど、青葉区の丘陵に広がる団地の一画に「おがさわら歯科・のり矯正歯科」はある。診察室に大きく取られた窓には公園の木々の緑が広がり、明るい光がさんさんと差し込む。「冬はぽかぽかと暖かですが、夏はちょっと暑いかな」と小笠原聡院長。明るい笑顔を絶やさない小笠原院長は、大学の後輩でもある小笠原法子副院長と夫婦二人三脚で同院を運営している。小笠原院長による一般歯科と法子副院長による矯正歯科、2人の得意分野を生かしながら幅広い患者のニーズに応え続ける同院は、開院から10年を迎え、地域に根づいた存在となった。真摯に患者と向き合い続ける2人に診療方針など幅広い話を聞いた。
痛みを抑えた治療と快適空間で通いやすいクリニックに
窓からの景色に癒やされる、すてきなクリニックですね。
【小笠原院長】ありがとうございます。診察室から望む公園の風景も含め、緑が多く落ち着いた街の雰囲気に惹かれてこの場所での開業を決めました。多くの方がお住まいで、一人ひとりの患者さんと長くお付き合いができる、地域密着型の診療を展開できるというのも決め手の一つでした。今は周辺エリアの高齢化が進行していますが、10年後をめどに地下鉄の延伸と近隣の新駅開設の計画があり、街がどのように変貌していくかも楽しみです。
【法子副院長】私は鹿児島、院長は石川とお互い別エリアの出身ですが、「開業するなら都心や駅近ではなく郊外で」という思いを共有していました。住みやすく子育てしやすい環境というのもうれしいところですね。
どのような患者さんが多くいらしていますか?
【小笠原院長】開業時に思っていた通り、近隣にお住まいの方に多くご来院いただいています。歯が生えたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで、幅広く診療していますので、ご家族ぐるみで通っていただいている方も多くいらっしゃいます。
【法子副院長】私の担当する矯正歯科では、時にご紹介で遠方からの患者さんをお迎えすることもありますが、やはり多くがお近くの患者さんです。矯正歯科ではこうした地域密着の診療で患者さんの生活の様子やご家族のことを知っているほうが、治療計画を立てやすい側面があります。小児の治療では、親御さんのご協力がたいへん重要になることもありますし、患者さんはもちろんそのご家族とも密にお付き合いできるこの環境には、非常に助けられていますね。
痛みを極力抑えた治療方針も含め、どのように診療を進められていますか?
【小笠原院長】長く健康な歯を保つためには、都度の治療はもちろん大切ですが、「嫌にならず歯医者に通い続けてもらう」ことが一番重要だと考えています。痛みや恐怖、不安感などネガティブな感覚や感情を抱いてしまう場所では、「また来よう」とは思えません。そのため、可能な限り痛みを抑える治療を心がけています。具体的には麻酔の装置や方法を工夫したり、時間を取ってリラックスしていただける環境を整えたりしています。
【法子副院長】治療についてしっかりご説明して、ご納得いただいた上で受けていただくというのも重要です。その意義について理解して受けるのと何をされているのかよくわからないまま受けるのでは、同じ処置を受けるにしても感じ方が変わると思うのです。特にお子さんの矯正治療では親御さんの勧めで来院しつつも本人は治療の必要性を理解していないというケースも。そういった場合も根気強く説明するようにしています。
夫婦ならではの連携で、よりクオリティーの高い診療を
お二人はそれぞれ異なる専門性を持っていらっしゃいますが、分担はどのようにされているのですか?
【小笠原院長】私は一般歯科担当として、オールマイティーに診療しています。トータルバランスが大切と考えますから、虫歯や歯周病から入れ歯、インプラント治療、親知らずの抜歯などまで、ご相談を受ければできる限り対応しています。「当院の患者さんは最後まで診て差し上げたい」という思いから、高齢者を対象とした訪問診療も行っています。ケアマネジャーの資格も取得し、地域の介護職の方とのつながりもあることから、幅広く依頼をお受けしています。
【法子副院長】私は矯正歯科が専門で、他院での勤務と並行して当院での矯正治療を担当しています。歯並びの問題は見た目だけでなく、話す・噛む・飲むなどの生活や全身の健康とも深く関わっています。将来の介護を視野に衛生管理を容易にするために矯正を希望される患者さんもいらっしゃいます。
異なる専門性を持つお二人が連携できるメリットは?
【小笠原院長】一般歯科と矯正歯科の視点は異なりますから、2つの視点を持つことでより多角的に診療にあたれると思います。また、抜歯後に義歯、ブリッジ、インプラントに加えて矯正という選択肢をご提案できるなど、治療の幅が広がる点もメリットですね。
【法子副院長】矯正治療にも一般歯科的な処置が必要なことが多々あります。当院では院長との連携により、シームレスに治療を進めることができるのが最大のメリットだと感じています。
そんなお二人ですが、なぜ歯科医師をめざしたのですか?
【小笠原院長】父方の祖父が眼科の医師で、叔父が歯科医師だったのが大きかったと思います。2人とも親戚からも地域の方々からも尊敬されていることが、子ども心にも感じられ、憧れました。特に叔父は私をたいへんかわいがってくれ、叔父が大好きだったので、「あんな大人になりたいな」と思いました。
【法子副院長】もともと人と接する仕事に就きたいというのは根本にありました。中学校の頃はドラマの影響で、弁護士になりたいとか言っていましたが(笑)、高校で理系を選択した時点で、医療関係の仕事に就きたいと思うようになりました。実家が鹿児島県なので、家から通える大学ということで鹿児島大学を選び、歯学部へ入学しました。
将来まで良い歯を残すことを意識した治療を提案
診療の際に心がけていらっしゃることを教えてください。
【小笠原院長】5年後、10年後といった将来までをイメージして治療をご提案するようにしています。人生100年時代ともいわれる現在、50歳の方でもあと50年は歯を保たなければなりませんから。そのためには、症状が出た後の治療から、症状がない時の予防ケアへと移行していただく必要があります。歯科医院はお口の中を整える場所だという認識を持っていただくよう、お声がけするようにしています。
【法子副院長】できるだけ通いやすい環境づくりを心がけています。幸い、当院には開院当初から長く続けてくれているスタッフも複数おり、患者さんとのコミュニケーション面では頼りにしています。中にはおしゃべりを楽しみにいらっしゃる方もいらっしゃいますが、そうしたことも通いやすさにつながると考えています。
お忙しいとは存じますが、休日のリフレッシュ方法は?
【小笠原院長】休みは交代で取得することがほとんどで、夫婦そろって休日となることが少ないのですが、小学生の娘がいるので家族で過ごす時間にあてています。海、山といった自然に触れたくて、先日は満点の星空と水平線を見たいと小笠原諸島へ行ってきました。あいにくの荒天でしたが(笑)。
【法子副院長】数年前には広島県と愛媛県を結ぶ、しまなみ海道でサイクリングしました。娘も成長して忙しくなり、3人で過ごせる機会は多くありませんが、それでも家族の時間は大切なリフレッシュタイムです。
読者に向けてメッセージをお願いできますか?
【小笠原院長】「歯医者は怖いところ」と思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。症状が発生してからの受診ではある程度痛みを伴うことも多くなりますが、症状が出る前から定期的にクリーニングや検診に来ていただくことで、症状の発生を抑えることがめざせます。そして、こうした予防ケアでは痛みや恐怖も少ないはずです。将来的に良い状態を少しでも長く保つために、お口の中のメンテナンスをする場所として、歯科医院をもっと気軽に活用していただきたいと思います。
【法子副院長】矯正治療では、患者さんと歯科医師の相性も重要になります。比較的長い治療になりますので、しっかりと見極めて自分にとって良い歯科医院を選んでいただきたいと思います。当院ではセカンドオピニオンを求めての受診や相談のみのご来院も歓迎しています。お気軽にお越しいただければと思います。