たかはし歯科医院 (京都市下京区/梅小路京都西駅)
高橋 康治 院長の独自取材記事
JR山陰本線梅小路京都西駅より徒歩約5分、京都市バス七条御前通停留所すぐの「たかはし歯科医院」。院長の高橋康治先生が先代である父の後を継いで2016年に開院。先々代の祖父の頃と合わせると半世紀以上の歴史があり、長年地域に親しまれている歯科医院だ。高橋院長はできるだけやり直しがいらないような精度の高い治療をモットーに、エックス線画像や歯周病検査のデータ、口腔内写真をもとに、わかりやすい説明と患者の年齢や口腔状況、希望に配慮した選択肢の提案を心がけている。「私が施術する治療が最後の治療になってほしい」と話す高橋院長に、診療方針やクリニックへのこだわり、患者に対する想いなどについて聞いた。
先端の知識と技術で患者に喜ばれる治療を提供したい
開院までの経歴を教えてください。
大阪歯科大学を卒業後、大阪のいりえ歯科に勤務したのですが、院長は患者さんととてもよく話をされる方で、患者さんの背景を知り、気持ちに寄り添う姿勢を学びました。歯周病治療に力を入れている歯科医院でしたので、歯周組織再生療法やインプラント治療などの先端技術と知識も身につけましたね。当時は大阪に住んでいましたが、子どもが小学生に上がるのをきっかけに京都へ戻り、あららぎ歯科クリニックに勤務しました。こちらの先生とは勉強会で知り合ったのですが、治療の精度に高いこだわりを持たれている先生で、結果を出すために治療技術を磨き、幅広い治療のオプションを持つこと、一つ一つのオプションの質を高めることの大切さを教えていただきました。そして父の引退を機に後を継ぎ、2016年7月に開院しました。
どんな患者さんがいらっしゃいますか?
お子さんからご高齢の方まで幅広いですね。父の時代からの患者さんはご高齢の方が多いですが、リニューアルしてからは30代~40代の女性の方も増えました。キッズコーナーを設けたことで、お子さんと一緒に来院してくださる方も増えましたし、小学生くらいのお子さんたちだけで来院してくれることも多いです。
患者さんの主訴について教えてください。
患者さんの層が多様化したことで、当院としてもより一層幅広い診療に対応できるよう心がけており、虫歯や歯周病の治療、噛み合わせ治療、入れ歯の作製や調整、インプラント治療、予防歯科、小児歯科など幅広くご相談いただけます。どの治療に関してもこれまでに学んできた先端技術と知識を使い、高いレベルで患者さんのご要望にお応えできるよう対応しています。例えば、インプラント治療は、シミュレーションソフトを使って安全に手術ができるよう心がけており、入れ歯やセラミックに関しては、それぞれ専門の歯科技工士と密に連携を取りながら製作にあたっています。
昨年にはリニューアルもされ、設備面もパワーアップされたそうですね。
患者さんが通いやすく、相談しやすい雰囲気にしたかったので、2019年にリニューアルしました。外から院内の様子がわかるオープンな設計となっています。清潔感があり、なおかつ温かみを感じられる北欧テイストの空間です。半個室の診察スペースは3ヵ所とも天井から床までの大きな窓に面し、中庭を望めます。以前からこの中庭は患者さんから好評だったので、リニューアルでも生かしました。設備面では高性能洗浄機やクラスBの高圧蒸気滅菌器を導入し、衛生管理に細心の注意を払っています。最近は院内感染を心配される患者さんも多いと思いますが、当院ではビニールカーテンの設置や常時換気を行い、診察スペースもこまめに消毒するなど感染予防対策を徹底的に行っています。
原因を明らかにし、やり直しがいらない治療を追求
どのような治療を心がけておられますか?
できるだけ、やり直しがいらない治療を心がけています。治療した箇所が悪くなるたびに何回も治療するのではなく、私が施した治療が最後の治療になってほしいのです。病気には必ず原因がありますから、それを追求するためエックス線検査や歯周病検査、口腔内写真撮影をし、お口の現状を視覚的にもわかりやすく患者さんに説明します。そして、治療方法について選択肢を提案する際は患者さんの考えや希望をしっかりとお聞きし、治療方針が決まったら「治るまで一緒に頑張りましょう」とお伝えして治療を開始します。患者さんには、自分が持てる知識や技術でできる限りのことをしたいと思っています。
印象に残っている患者さんのエピソードを教えてください。
初めてインプラント治療をした患者さんに、「よく噛めるようになった」と喜んでいただけたことはずっと心に残っています。これまで20年以上歯周組織再生療法やインプラント治療に力を注いできたのは、やはり患者さんが喜んでくださるからですね。入れ歯で噛めていて困っていなければそのままで良いと思いますが、昔作った入れ歯に違和感があって「嫌だな」と感じている方は、インプラント治療によって生活の質向上が見込めますので、選択肢の一つとして提示できればと思います。
インプラント治療で大切にされていることは何ですか?
安全性はもちろんですが、できるだけ手術の回数を減らして患者さんの負担を軽減することです。特に患者さんの年齢は考慮して提案しています。例えば、右下の4本の歯がない場合、骨がないと大がかりな骨造成手術が必要ですが、40歳と70歳では手術による体への影響が変わってきます。ですから、70歳の方には手術回数を減らすために見栄えより手入れのしやすさを優先して素材を提案するなど、体力や年齢に応じた提案を心がけています。
お口の中のトータルバランスの大切さを患者さんに伝えているそうですね。
口の中の不具合には、上下左右の連動した噛み合わせが影響しています。車のタイヤをイメージしていただくとわかりやすいのですが、4輪に同じように空気が入ってバランスが取れていると安定してまっすぐ走ります。3輪でも前に進むかもしれませんが、いつか故障する可能性がありますよね。歯が抜けていなくても、歯周病で歯がぐらつく、など噛み合わせがずれてバランスが崩れると、無意識のうちに顎がずれて痛みにつながったり、頭痛や肩凝りの原因になることも。口の中のトータルバランスはとても大切なので、気になる方は気軽にご相談くださいね。
子どもから大人まで予防歯科にも注力
子どもの虫歯予防にも力を入れているそうですね。
お子さんの虫歯予防のため、小学4年生頃まで親御さんが仕上げ磨きをしてあげてください。家族のバックアップがないと虫歯になる可能性が高いからです。特に、乳歯の虫歯や歯並びの不調は永久歯に影響を及ぼすため、乳歯が生えそろう2歳半頃から注意が必要です。ですが、2歳のお子さんに長い間口を開けてもらい、麻酔・治療することは現実的ではありません。もし治療となれば、当院ではお子さんのペースに合わせて歯医者に慣れてもらうことからスタートし、徐々に治療へと進めていきます。ですが、虫歯にならないことが一番大事なので、ご家族の仕上げ磨きとプロによる定期検診での虫歯チェックをしていただきたいですね。
お忙しいと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
歯周病、インプラント治療、噛み合わせなど、さまざまな勉強会に参加することが多いです。意欲のある先生方とお話しすると刺激になりますし、新しい知識や技術を学べます。自分が発表する際は、これまでの仕事を振り返ることができ、いろいろなアドバイスをもらえるので、新しい知識や技術を取り入れられているのかを見直す機会になっています。患者さんのためにも、常にスキルアップを行いたいですね。
読者へメッセージをお願いします。
「歯が痛くなってから歯科医院へ行こう」と思われている方が、いざ痛みが出てから受診すると、複数箇所治療が必要ということが多いのです。そうなると治療期間が長くなり、余計に歯科への苦手意識が強くなってしまいます。歯科医院は痛くなってからではなく、日常的に口腔内をチェックしに行く場所という意識を持っていただきたいですね。定期検診ではその方のウイークポイントを伝えられるので、心づもりができると思いますし、悪くなった箇所も早い段階で治療できます。自分に合う歯科医師を見つけて定期検診でメンテナンスを行い、お口の健康を維持していただければと思います。