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うつ病は早期の適切な対処が重要
心の不調を感じたら医療機関へ

メンタルクリニック横浜みなとみらい

(横浜市西区/みなとみらい駅)

最終更新日:2024/01/15

メンタルクリニック横浜みなとみらい うつ病は早期の適切な対処が重要 心の不調を感じたら医療機関へ メンタルクリニック横浜みなとみらい うつ病は早期の適切な対処が重要 心の不調を感じたら医療機関へ
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うつ病とは、現代に生きる多くの日本人が悩んでいる病気であり、誰もがかかる可能性がある病気と言われる。しかし、実際にどのような病気なのか、どのような治療が行われるのかは、意外と具体的に知らない人も多いのではないだろうか。そこで、心療内科・精神科診療を行う「メンタルクリニック横浜みなとみらい」の細野玄哉院長にうつ病について取材した。細野院長は、多くの企業や集合住宅が集まる横浜市みなとみらいエリアで、うつ病をはじめ、さまざまな精神疾患の診療を行っている。「うつ病は現代人の誰もがかかる可能性のある病気。悩みや心の不調を一人で抱え込まず、うつ病の症状や不安があれば早めに受診してほしい」と訴える細野院長の話を参考にしてほしい。

(取材日2023年12月18日)

うつ病は早期の適切な診療が重要。つらい気持ちや気分の沈み込み、無気力の症状が続くときは早めに受診を

Qうつ病とはどのような病気なのでしょうか?
A
メンタルクリニック横浜みなとみらい 優しい笑顔でさまざまな悩みに寄り添う細野院長

▲優しい笑顔でさまざまな悩みに寄り添う細野院長

悲しいことが起きたり、つらい思いをしたりした時に、脳の機能が低下してしまい、決断力や思考力が下がる、気分が沈み込む、やる気が起きない無気力が続くことを抑うつ状態と呼びます。この抑うつ状態が2週間以上続き、生活に支障が出て苦痛が強い場合は、うつ病と診断されます。仕事や家事やあらゆることがおっくうになり、それまで楽しかった趣味やスポーツなどにも関心が持てなくなる状態です。また人と会いたくなくなるのもうつ病の特徴です。抑うつ状態やうつ病が起こるメカニズムは、まだ解明されていない部分が多く諸説あります。しかし、決して特別な病気ではなく、誰もがかかる可能性がある病気と言えると思います。

Qどのような人がうつ病になりやすいのですか?
A
メンタルクリニック横浜みなとみらい 落ち着いた雰囲気の待合スペース

▲落ち着いた雰囲気の待合スペース

基本的には誠実で真面目な方、責任感の強い方がなりやすい傾向があるとされており、私もそうした印象があります。ただし日本人は一般的に対人緊張が強く、気を使う人が多いので、臨床の現場ではその方の性格的傾向にとらわれずに診療を進めることが多くなっています。また女性のほうが少し割合は多いですが、深刻な状態になる人は男性に目立ちます。かかりやすい年齢は、従来は中年期とされていましたが、最近は小学生でも診断基準を満たすことがあり、あらゆる世代の人がそれぞれのリスクにさらされていると言えます。高齢の方もかかることがありますが、認知症の症状の一つであるうつ症状との鑑別を丁寧に行う必要があります。

Qどのような症状があれば受診したほうが良いのでしょうか?
A
メンタルクリニック横浜みなとみらい 受診時に使用している問診票

▲受診時に使用している問診票

まず、気分の沈み込みがしばらく続いている時、つらい気持ちがずっと続いているという場合は、受診が勧められます。2週間待つ必要はありません。抑うつ状態が続いていると感じたら、早めに相談したほうが良いでしょう。また、趣味など今まで楽しかったことが楽しめない、今まで興味があったことに対して興味が持てない、気力が低下してやる気が起きないというような状態も受診が勧められます。本格的に悪くなる前に、医療相談のような形で心療内科などを受診することによって重症化を防ぐことにつながります。当院では「こんなことで受診していいのか」との問い合わせも多いのですが、遠慮せずに、気軽に相談していただきたいと思います。

Qこちらで受けられる治療について教えてください。
A
メンタルクリニック横浜みなとみらい 明るい陽光が差し込む診察室

▲明るい陽光が差し込む診察室

環境調整とカウンセリング、薬物療法が治療の3本柱となります。環境調整とは、原因から離れたり緩和を図ったりすることで、例えば仕事量を減らす、苦手な人とのコンビを解消するようなことです。公認心理師によるカウンセリングでは、自分を追い込んだり、ものごとを深刻に捉えすぎたりという考え方の癖を自覚することをめざします。薬物療法については、薬は使いたくないという方も多いのですが、環境調整やカウンセリングによる気づきなど、自分を客観視するには精神力が必要です。そのため、まず休養と薬物療法を優先して行い、状態の改善を図ることが有用です。当院では向精神薬、抗うつ薬を中心に、薬の量を最小限に抑えて処方しています。

Q うつ病を予防するには、どうすれば良いのでしょうか?
A
メンタルクリニック横浜みなとみらい つらい気持ちを抱え込まず、早期の受診を勧めている

▲つらい気持ちを抱え込まず、早期の受診を勧めている

うつ病は疲労がきっかけになって発症することが多いので、日頃からきちんと休息や睡眠を取って疲労を解消することが大切です。また、上手な気分転換法やストレス解消法を持つことや、趣味の集まりなど仕事や家庭と離れたコミュニティーを持つことも勧められます。うつ病にかかりやすい方は、期待に応えて無理をするなど自分を犠牲にする方が多いので、仕事が原因と思われる場合は働き方を見直す、家族関係の中で一人で背負い込まないようにすることなども必要です。介護などの場合も「自分が長女だから」「近くにいるから」と頑張りすぎて自分を追い込まないことが大切。つらくなってきたら、家族や周囲にSOSを出すことも必要だと思います。

ドクターからのメッセージ

細野 玄哉院長

現代社会では、本人の考え方や性格とは関係なく、突然、交通事故に遭うように、トラブルに巻き込まれることがあります。急に業務上の問題でつらい立場に立たされ、うつ病になってしまうという方も珍しくありません。こうしたケースでは「自分だけの責任ではない」と冷静に考えられるようになるまで極端な判断はせずに、時間の経過を待つことをお勧めしています。うつ病が進行して自責が強まり、自殺につながることもあります。自分の状態に早く気づき、早めに受診することで、うつ病の重症化を防ぐことが期待できます。つらさが続く、気分が沈み込んでいる、少しおかしいと感じたら、ぜひ、遠慮せずに相談していただきたいと思います。

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