増村雅也院長の独自取材記事

エヌ・エイ歯科クリニック

(品川区／五反田駅)

最終更新日：2023/10/13

五反田駅から徒歩3分、東急池上線の大崎広小路駅からは徒歩1分という交通至便な場所にある「エヌ・エイ歯科クリニック」。都心にありながら、どこかホッとする雰囲気が漂うのは、リラックスして治療を受けられるいくつもの工夫と増村雅也院長の診療に対する誠実な姿勢にある。同院の特徴は、そんな気軽に通える雰囲気の中で、高度な歯科治療が受けられるシステムを構築していることだ。幅広い歯科治療に対応しながら、より専門的な治療が必要と判断した場合は、その分野を専門とする歯科医師や大学病院と連携して治療を行っている。患者の利益を最優先する診療スタイルと同院のさまざまな工夫について増村院長に話を聞いた。

（取材日2023年9月15日）

「痛ませない」「丁寧」「早い」を実現する体制づくり
アットホームな雰囲気の中で提供する先進の歯科医療
自身の原風景をベースに患者の背景にも配慮した診療を

「痛ませない」「丁寧」「早い」を実現する体制づくり

こちらにはどのような悩みで来られる患者さんが多いのですか？

患者さんの主訴はとても幅広いです。歯が痛む、しみる、歯が抜けた、欠けた、グラグラする、歯茎から血が出る、詰め物やかぶせ物が外れたなどのほか、銀歯を白い歯にしたい、歯並びをきれいにしたい、ホワイトニングがしたいなどさまざまです。顎の痛みや顎関節症、親知らずなど、歯科に関する悩みすべてといってもいいかもしれません。一方で、当院はクリニックの方針として予防歯科にも力を入れているので、予防やクリーニングでいらっしゃる患者さんも多いですね。クチコミや紹介で定期検診を希望する方が年々増えていて、現在は全体の約40%が定期検診の患者さんです。

こちらの理念や診療方針を教えてください。

治療に手を抜かないこと、そして、自分が受けたい治療を患者さんに提供することが基本です。例えば、保健診療には時間や使う材料に制限がありますが、その制限の中で、もうこれ以上はできないという限界のところまで質の高い良い治療にチャレンジしています。それが当院の診療方針ですね。もちろん、自費治療に関しては、毎月次から次へと発表される材料や技術を調べて導入していますが、理想的なことを言えば保険と自費の違いが出ないくらいの治療ができたらいいと考えています。そして、「痛くしない」「丁寧」「早い」を心がけています。歯科医院に来る患者さんは怖がって緊張している方がほとんどですから、ドアを開けて入ってきた時から、どうリラックスしていただくか。スタッフには使う言葉のトレーニングなども行っていますし、滅菌や殺菌など患者さんには見えない部分の管理も徹底しています。

さまざまな工夫をされているのですね。

技術的なことでいうと、貼る麻酔の種類は形成外科などの医師が使う濃度の濃いタイプのテープを使っています。貼ってからしばらく時間を置き、麻酔液は体温と同程度に温め、極細の針で、痛覚の少ないところに痛みを軽減するための術式で丁寧に注射します。また、待合室にはウォーターサーバーではなくペットボトルの飲料水を置いていて、患者さんはそのまま診療室に持って行って診療中にも飲んでいただけます。他にもリラックスしていただくため、待合室の冷蔵庫には新幹線のグリーン車でも使用されているおしぼりを置いて使っていただくなど、細かい工夫をしていますね。

「早さ」に関してはいかがでしょう？

予約のアポイント帳は、急患が受け入れられる時間を組み込むなどの工夫をしています。曜日や天候、時間帯のキャンセル率などは、過去何年ものデータを細かく記録し、飛行機の予約システムに近いかたちで予約を調整します。院内も一人の患者さんが受付から会計まで短い時間でできるような物の置き場所や、スタッフの無駄のない動きや移動を可能にするための動線が考え抜かれていますし、患者さんが増えた場合にも治療自体のクオリティーが落ちないよう、綿密なスケジュール管理を徹底し、患者さんがいつ来ても診られる体制を整えています。

アットホームな雰囲気の中で提供する先進の歯科医療

特に注力している治療は何でしょう？

特に力を入れているのが虫歯治療と予防ですが、噛み合わせはすべての治療に関わりますし、根管治療や歯周病治療、ホワイトニングにも注力しており、口臭検査や唾液検査も積極的に行っています。この他、就寝時に着用するマウスガード、運動時のケガから歯を守るためのスポーツ用マウスガードの作製にも対応しています。専門性を要する治療も対応可能ですが、現在、多くの患者さんに来ていただいている中、一日に診療できる患者さんの数が限られるため、その分野を専門とする歯科医院や、慶應義塾大学病院、昭和大学歯科病院、東京医科歯科大学病院提携する大学病院にご紹介するかたちを取っています。患者さんに専門性の高い治療を受けていただくため、歯科医療の窓口的な役割も果たしていきたいです。

高度な歯科医療に尽力されている印象です。

歯科医師になったばかりの頃は週に6～7日診療と勉強に明け暮れていました。インプラントやマイクロスコープの治療なども学びましたね。現在、当院ではシンプルな治療をしっかり行うことに注力しているため、インプラントや大きな歯周病治療などは専門の歯科医師に紹介している形ですが、当院で治療してほしいとおっしゃる患者さんも多いので、それにお応えできるような環境をつくっていくことは考えています。再生療法や虫歯の新しい治し方なども徐々に取り入れていきたいですね。再生療法は、いわゆる、骨の再生とそれに伴う歯茎の再生を図るためのものです。

地域にとってどのような歯科医院でありたいですか？

意識しているのは、子どもの頃に通っていた「近所のお医者さん」のイメージから外れないことです。通いやすい町の定食屋さんだけれど、注文を受けると一流フレンチが出せる店、そんな歯科医院になりたいですね。何かに特化するよりも、「痛くて困っている」と気軽に言える歯科医院でいたいと思います。その上で、僕の知識やネットワークを最大限に生かしてベストな治療を提供したい。抱えきれないものは、先ほどお話ししたように信頼できる歯科医院や大学病院にご紹介します。そこで治療を受けるかどうか決めるのは患者さんですが、来て話をするだけでも、いい答えが見つかるかもしれません。あるいは専門の先生に治療方針や診断をしていただき、治療は当院でするという場合もあります。何が患者さんにとってベストなのかをとことんまで考えた診療を提供したいですね。

自身の原風景をベースに患者の背景にも配慮した診療を

先生が歯科医師を志したのはなぜですか？

僕の出身地は大分県の津久見市というところで、海と山のある大自然の中で育ちました。学校の登下校も犬の散歩中も、会うのは顔見知りばかりという環境でしたね。僕が小学校低学年だったある日、歯科医師の父と一緒に犬の散歩をしていたら、ちょっと柄の悪い高校生が集団で近づいてきたことがありました。僕はとても怖かったのですが、いきなり父のところに来て「先生、なんかここが変なんやけど診て」と言って、青空の下で口を開けて見せたんです。「ここ虫歯や、今度来い」と、父が言っている姿を見て、なんかすごくいいなと思いましたね。父と患者さんの長いお付き合いとつながりを見ていますから、父が歯科医師であったことに影響を受けたことは間違いないですね。

診療で大事にされていることは何でしょう？

患者さんに、ここは安心安全な場所なのだという印象を持ってもらいたいですね。若い頃は診断に重きを置いて痛みの原因を突き止め、それをいかに治すか、そのことばかり頭にありました。もちろんそれも大切ですが、今は患者さんがどこまでの治療を求めているのか、今後の予定や家庭のことなども把握して治療を進めるようにしています。患者さんとゴールを共有し、ゴール後の状態を保つことを大事にしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

痛くて食事ができないからできるだけ早く治したい、仕事が忙しくて頻繁に通えないから少ない回数で済ませたいなど、歯科医院に来られる患者さんは、一人ひとりさまざまな事情や背景をお持ちです。そういった事情や背景を踏まえつつ、可能な限り最上レベルの歯科治療を提供することが歯科医院と歯科医師の役割だと考えています。数多くの歯科医院の中から、当院を選んでいただいたことに感謝して、自分の家族に対して行うような治療、もしくはそれ以上の治療を心がけています。なんでも話していただけるような歯科医師でありたいと思っているので、困った時にはぜひ頼っていただきたいですね。