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槇野 晃久 院長の独自取材記事

槇野歯科医院

(大阪市平野区/平野駅)

最終更新日:2023/06/01

槇野晃久院長 槇野歯科医院 main

大阪市平野区の住宅街で、90年近くにわたり3世代で続けてきた「槇野歯科医院」。現在、メインで診療にあたっているのは3代目の槇野晃久(まきの・てるひさ)院長だ。口腔外科を専門的に学び、大阪歯科大学附属病院で勤務していた経験を生かし、地域の人たちの歯の健康を守っている。少しでも歯を残し、患者が納得してから入れ歯など次の段階へ移るように気を配るという院長。「ホスピタリティーの向上」をモットーに、日々患者の立場に立って診療を行っている。高齢化が進んだ地域で、患者や介護者への理解を深めるためケアマネジャーの資格も取得したという徹底ぶり。そんな話もさりげなく語る明るく親しみやすい院長に、治療方針や地域への思いを詳しく聞いた。

(取材日2019年5月20日)

3世代にわたり、地域に根差した診療を行う

3代続くクリニックと伺っています。

槇野晃久院長 槇野歯科医院1

1933年に祖父が開院したのですが、その前の曽祖父は医師だったそうです。だからクリニックとしては4代目になるんですよ。僕も小さい時からここで育っていますから、地域への思いも強いです。祖父のことを知っておられたり、父が診ていた患者さんも来られていましたから。古い患者さんから「おじいさんはこんな人だったよ」と教えていただいたこともあります。僕も祖父や父のように、この地域の方に合わせた治療を行いつつ、QOL(生活の質)が良くなるようなサポートをしていきたいと思っています。今もここに住んでいるので、ご近所付き合いをするように急なことへの対応をすることもありますよ。高齢化が進む中、大阪市の後期高齢者向けの歯科検診を勧めたり、定期検診を呼びかけたり。地域全体の歯に対する意識を上げていきたいと思って、日々診察をしています。

では、先生も子どもの頃から歯科医師をめざしておられたのですか?

いえ、実は僕は歯科医師になろうとは思っていませんでした。父が何度か体を壊しているのも見ていて、大変な仕事だと実感していましたから、他の職業を考えていたんです。でもある日、たまたま地下鉄で、僕の目の前の人が「今、槇野歯科医院で歯を治してきたけれど、あの先生に歯を入れてもらって良かったわ」とおっしゃっていて……。こんなふうに患者さんに喜んでもらえるのは素晴らしいと思いました。ちょうどその頃、父に「歯医者以外に何をするの?」と言われたのもグサッときて(笑)。それで僕も歯科医師になろうと決心しました。

どんな患者さんが多く来られていますか?

槇野晃久院長 槇野歯科医院2

歯を残したいと思っておられる65歳以上の方が一番多いです。親知らずの抜歯で来られる患者さんも全体の2割くらいなので、割合的には多いほうでしょうね。他院から紹介状を持って来られたり、斜めに生えているのを抜いてほしいとおっしゃったり、インターネットで調べて来られる方もいらっしゃいますよ。皆さん「痛みを少なく、早く、安く、親知らずを抜いてほしい」と訴えて来られるのですが、紹介で来られた方以外は、抜いた後のことなども説明して納得してもらい、覚悟を決めてもらってから(笑)抜くことにしています。他にもいろんな症状で受診されますが、求められるものが変わってきたと感じています。以前は「歯の痛みをとってほしい」という要望が多かったけれど、最近は「白くしたい」「フェイスラインを美しくしたい」というご相談が増えてきました。

ホスピタリティーの精神を貫く診療

先生の診療方針をお聞かせください。

槇野晃久院長 槇野歯科医院3

診察してみて、残すことが難しいと感じた歯であっても、その患者さんが「もう抜くしか仕方ない」と納得されるまでのプロセスを大切にしたいと考えています。例えば、割れた歯を接着剤でつけたり、再植したり、いずれ抜くにしてもどれだけ保存できるか、に注力しています。ただ、あまり残し過ぎると骨が少なくなってしまって入れ歯での対応がうまくできなくなるという危険性もあり、そこをうまく見極めるのが大事なところです。歯がなくなってしまう原因は破折が多く、神経を取っても痛みはあります。患者さんの苦痛を和らげ、どのように希望に沿っていけるかが課題ですね。自分の経験を生かしながら、納得してもらえる治療を第一に心がけ、ホスピタリティーの精神を大事にしています。

ホスピタリティーとは、具体的にどんなことですか?

実は僕のホスピタリティーは行き過ぎだ、患者さんに甘すぎると叱られてしまうこともあるのですが(笑)、やはり患者さんに寄り添って、できる限り希望をかなえられるクリニックでありたいと思っています。高齢の患者さんが増えて、受診されるときに介護の方が一緒に来られることも増えました。ある時、介護の方に「先生は介護のことは学んでいないでしょう」と言われ、知識を持った上で対応できるようにケアマネジャーの資格を取りました。自分の考えを伝えるだけでなく「聞く力」が大切で、それによってホスピタリティーの精神を向上させることができるのだと思っています。中学校の校医をしていた時には、スポーツ時に口内を守るためマウスガードの必要性を記事に書いたことがきっかけで、スポーツ医学にも詳しくなりました。相手と接触するようなスポーツのためのマウスガードを、ここで作ることができるようになり、ラグビー選手などが利用されていますよ。

先生がやりがいを感じられるのはどんなときですか?

槇野晃久院長 槇野歯科医院4

やはり、時間をかけて経過を見ながら治療した患者さんが、治療を終えて喜んでくださったときですね。それから、ここで治療した患者さんのお知り合いの方が「あの人と同じように、きれいに歯を入れてください」と来られることもあって。そんなときもうれしくなりますね。歯の治療は、顔に直結するでしょう。「白くしたい」とか「親知らずを抜きたい」と言って受診される方は、自分の顔を見栄え良くしたいと思っておられることも多いのですが、そういう方の笑顔が見られることが僕のやりがいでもあります。

新しい情報や技術を取り入れ、患者のニーズに応える

ところで先生のご専門分野は?

槇野晃久院長 槇野歯科医院5

口腔外科です。大阪歯科大学卒業後に附属病院に勤めた時、1日目から口腔がんの患者さんを担当しました。今では考えられないですが、当時は口腔がんの場合、下顎をすべて取ってしまうという手術もよくあり、手術後に自分の顔を見てショックを受けられた患者さんもおられました。患者さんのつらさを思うと、こちらも精神的に厳しかったです。3年間大学附属病院で経験を積んだ後、他の病院で勤務し分院長も務めました。外科が専門だったから、親知らずの抜歯やインプラントなどの外科的な治療を担当することが多かったですね。口腔がんは最近、芸能人の罹患でよく知られるようになったでしょう。当院でも「舌が動きにくい」とか「辛いものや熱いものを食べ続けていて大丈夫か」などの質問が極端に増えました。もともとの専門ではありますが、最新の情報を学ぶために、講習会に参加したり勉強したりして知識を深めています。

趣味はお持ちですか?

趣味は釣りです。18年くらい前に始めたのですが、海釣りの乗合船の船長から、人の少ない時期になるとお誘いの電話がかかってくるんですよ(笑)。淡路島へ渡る船に乗り、数匹釣って帰ってきては周りに配っています。鱗を落とさなくていいから、喜ばれるのはタチウオやアオリイカですね。それから、写真を撮るのも好きです。カメラなどの道具にこだわるほどではありませんが、季節感のある風景写真を撮ることを楽しんでいます。診察台に設置しているディスプレーは、エックス線写真を患者さんに見てもらうためのものなのですが、そこに僕の撮ってきた写真をアップしておくんですよ。その写真が患者さんとのコミュニケーションのきっかけになることもあります。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

槇野晃久院長 槇野歯科医院6

1本でも多く歯を残そうと思うのなら、日々のプラークコントロールがたいへん重要で、やはり規則正しい生活が肝心です。40歳を超えてからは、寝る前の3時間前にはものを食べないように気をつけてほしいです。これは逆流性食道炎での吐きもどしを避けるためです。もどした際、胃酸によって歯が悪くなりやすく、それがきっかけで歯を失う方が多いのです。結局は規則正しい生活が歯を残すことの原点だと考えてほしいですね。当院も患者さんのニーズに応えられるように、幅広く、深く情報を得て、新しい治療法や技術を取り入れていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

スポーツ用マウスガード/8800円、ホワイトニング/1万1000円~、セラミックインレー/3万円~5万円

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