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菅崎 紳 院長の独自取材記事

かんざき歯科医院

(仙台市青葉区/北四番丁駅)

最終更新日:2021/12/27

菅崎紳院長 かんざき歯科医院 main

オフィスビルとマンションが立ち並ぶ晩翠通り近くのビル3階に位置する「かんざき歯科医院」。1973年から50年近く続く老舗のクリニックだ。現在中心となって同院を切り盛りするのは、2代目院長の菅崎紳先生。九州や大阪で臨床経験を積んだ後、同院の副院長に就任。その後父から院長のバトンを受けた。日々の診療では、主訴である症状を抑えて終わりではなく、口腔内全体を診て原因を追究し、同様のトラブルに見舞われないよう根本治療をめざす。日々多忙な中、スタディーグループのリーダーも務めるバイタリティーあふれる菅崎院長に、クリニックの特徴や今後の展望などを聞いた。

(取材日2021年12月2日)

根本治療をコンセプトに複数の選択肢を用意

県外におられたそうですが、こちらの患者さんはどのような印象ですか?

菅崎紳院長 かんざき歯科医院1

勤務医として福岡で6年、大阪で1年経験を積み、仙台に戻ってきました。福岡では北九州市にいたのですが、陽気で大胆な性格の方が多い地域でした。東北はそれと対照的で奥ゆかしい方が多く、患者さんの層もやはりおっとりとされた方が多いと感じます。患者さんは近隣から来られている方がほとんどですが、父が開業して長いこともあり、昔からの付き合いのある患者さんが片道2時間かけて通ってくださったり、前泊して通ってくださったりということもあります。紹介で来られる患者さんも多く、非常にありがたく思っています。

多い主訴は何ですか?

ここ10年、20年で歯科に対する皆さんの意識もだいぶ変わってきていると思います。昔は、歯科医院は歯が痛くなったら行く場所だったのが、最近は予防が社会的にも浸透してきて、クリーニングや定期検診希望で来る方も増えています。また、セカンドオピニオンを求めて来られる方もここ何年かで増えてきた印象です。特に当院の場合はマイクロスコープを導入したり、根管治療に力を入れたりしていることもあるので、根管治療がうまくいかなかった人や、抜くしかないと言われたけど何とか残せないかという人が多いような感じはします。

診療に際して心がけていることは何ですか?

菅崎紳院長 かんざき歯科医院2

歯の治療というのは、しっかりやろうと思うと患者さんもこちらも結構大変なんです。それでも、目先のことだけにとらわれてパッと悪いところを削って詰めて終わらせるということではなく、10年後20年後のことを見据えてやるべきことをしっかりやりましょうというお話をするようにしています。治療法もいくつか選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリット、選択の材料になる情報をしっかりお伝えして、最後は患者さんに決めてもらいます。医学的な観点だけで見れば「こういった治療がいいですよ」とお勧めしたいものはありますが、患者さんの生活環境とか心理的なものとか、時間的、経済的な条件で、どの程度まで治療を受けられるのかは一人ひとり違うと思うので、患者さんの背景に合った治療プランを立案できるよう、多くの引き出しを持っておくことを心がけています。

口腔内ひいては体の健康にも影響する噛み合わせを重視

注力されている治療は?

菅崎紳院長 かんざき歯科医院3

咬合治療を父が得意としていたこともあり、その流れをくんで僕も注力しています。虫歯や歯周病は診ても、咬合までしっかり診ようとする歯科医院は実は少ないのではないかと思っています。歯が駄目になる原因は、虫歯、歯周病、噛み合わせの3つに大まかに分けられ、特に噛み合わせは口腔の健康、ひいては体の健康にも影響するとても重要な要素なんです。とはいっても、一般歯科というのはすべての治療ができないといけません。咬合治療だけでなく、虫歯や歯周病などあらゆる治療を平均して高いレベルで提供できるよう、すべてに力を注いでいます。

根本原因を追究することが重要なんですね。

例えば、ある歯が虫歯になったら、その隣の歯ではなくてその歯が虫歯になった原因があるんですね。そこを把握せず、その歯を削ってかぶせて終わりでは、また同じトラブルが起こる可能性があります。どうしてそこが駄目になったのか原因をしっかりと見極め、根本的な治療をすることが大切なんです。普通患者さんというのは、歯磨き不足で虫歯になったと思われる方が多いのですが、噛み合わせが悪くてそこに異常な力がかかり、亀裂が生じて、そこから虫歯になることもあるんです。そうなると十分に歯を磨いても虫歯になるわけで、やはり噛み合わせを考えた治療をしなければいけません。昔、師匠によく言われたのが、「木を見て森を見ないのは駄目」。1本の歯だけを見て治すのではなく、口腔の全体像を見ながら1本の歯を治すという姿勢が重要だと考えています。

スタッフさんの構成は?

菅崎紳院長 かんざき歯科医院4

歯科医師が僕を含め3人、歯科衛生士4人、受付1人、歯科技工士1人の常勤が9人で、あとパート勤務のスタッフもいます。基本的に歯科医師も歯科衛生士も担当制ですが、患者さんと日時がうまくマッチできない場合は別の人が担当することもあります。

先生は歴史あるスタディーグループに所属されてますね。

父が40年前に立ち上げたスタディーグループで、月に1回集まって毎月2人ずつ会員の先生が好きなテーマで発表し、それに対して皆でディスカッションをしたり情報交換したりしています。今でこそスタディーグループは多くありますが、発足当時は数えるほどしかなかったそうで、ここまで長く続いているのは多分日本でも数えるぐらいだと思います。そういう意味ではすごく歴史のあるグループなんです。会員は総勢40人くらいで、毎月来るのは20人程度でしょうか。経験豊富な素晴らしい先生方と時間を共有できるのは、歯科医師としてすごく恵まれていると思います。

継続的な知識の更新とこれまで得た学びの還元をめざす

ホームページに「趣味はお酒」と。特に日本酒がお好きだそうですね。

菅崎紳院長 かんざき歯科医院5

日本酒が大好きですが、なんでも飲みますよ。新型コロナウイルス感染症が流行してから家の中で飲むお酒の量が増え、妻に怒られています(笑)。スタディーグループの勉強会の後にいつもは懇親会をして、お酒を飲みながら普段では話せないような上の先生と、ああだこうだ臨床の話をするのが勉強会以上に勉強になるのですが、今はそれができないのが残念です。そういう機会がないのは、特に若い人にとってはもったいない話ですよね。今は「飲み二ケーション」が嫌がられる風潮もありますが、そういうコミュニケーションの取り方も僕は大事だなと思っているんです。

リフレッシュ方法についてはいかがでしょう。

最近はテニスですね。テニスを小さい頃からやっていたんですが、子どもも始めたので一緒に練習しています。そこで毎日練習をやっているような中学生や高校生もいて、その子たちともたまにやるのですが、今の子たちはボールがすごく早くて上手。負けて悔しい思いもしています(笑)。今は動画を見れば一流選手のプレーも研究できたりするので、いい環境だなとは思います。それは歯科も同じで、父の時代は文献で学ぶしかなかったのが、今はネットで調べるとなんでも情報が入ってくる。パソコン一台あれば、東京まで行かないと会えないような著名な先生の動画を簡単に見ることができます。今はとても恵まれているなとコロナ禍になってつくづく実感しました。

今後の展望は?

菅崎紳院長 かんざき歯科医院6

院長を務めるようになっても現状に満足することなく、今後も積極的にいろいろなことを学び続け、身につけた知識や技術で、地域貢献できればいいなと考えています。そしてもう一つ、スタディーグループでお世話になっている先生だったり勤務医時代にお世話になった先生だったり、本当にいい師匠に出会えていい学びを得ることができたので、今度はそれを次の世代に伝えることが、僕の使命だと思っています。頂きっぱなしではなく、それを還元できるよう、人材育成にも力を入れていければなと。人材育成を通すことで、僕の目の前にいる患者さんだけでなく、その先生方の歯科医院に通っている多くの患者さんたちの幸せにつなげることもできると思うので、そういう活動もしていきたいなと考えているんです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

僕らは機械や物を直す仕事ではなくて、人対人のお仕事をしているので、性格や考え方の相性はあると思うんですね。患者さんも当然選ぶ権利があるわけですが、治療が上手という視点だけでなく、その道のプロとして、人間として信頼できる歯科医師、歯科衛生士、受付スタッフがいるかどうか、そういったことも含めて歯科医院を探されることが大切かなと思います。

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