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下村 直也 院長の独自取材記事

下村産婦人科医院

(宮崎市/宮崎駅)

最終更新日:2022/02/01

下村直也院長 下村産婦人科医院 main

JR日豊本線宮崎駅から徒歩で15分ほど。交通量の多い幹線道路から一本入った宮崎駅東側の住宅地と昔からの商店が並ぶ地域にあるのが「下村産婦人科医院」だ。広い駐車場を備えているため、車でもアクセスしやすい。同院のエントランスには季節の花々が美しく咲いた鉢植えが置かれていて、来院する患者の目を楽しませている。また入り口には大きなひさしがあり、雨天でもストレスなく出入りができる。40年以上の歴史を刻んでいる同院の院長である下村直也先生は、父親である前院長からこのクリックを継承した2代目だ。そんな下村院長に、同院の開業や自身の継承の経緯から、同院の特徴、産婦人科の医師として診療で大切にしていること等についてまで、いろいろと話を聞いた。

(取材日2021年12月20日)

産婦人科の医師である父の姿を見て育ち医師をめざした

2021年で開業から42年目ということで、地域でも特に歴史のある医院なんですね。

下村直也院長 下村産婦人科医院1

1980年開業で、2022年で開業から42年目になります。宮崎県の西部、神武天皇ゆかりの狭野神社がある高原町がわが家のルーツなんですが、この高原町で私の祖父が内科・産婦人科の医師を、父が産婦人科の医師をしていました。その後、父は高原町から移り、ここ宮崎市に開業したんです。年をとって父の体調が優れなくなってきたので、私が宮崎に帰ってきました。そして、ここで父の手伝いをしているうちに、そのまま2代目を継承することになりました。もともとは福岡にいる兄が2代目として父の後を継ぐ予定でしたが、宮崎に帰ってくるタイミングが私のほうが早かったんです。もし兄が継承していたら、私はまだ福岡県で医師として勤務していたと思います。

医師をめざされたのは、やはり医師であったお父さまやお祖父さまの影響ですか?

そうですね。医院と自宅がつながっていた環境で育ったので、子どもの頃から、すぐそばで父が熱心に働いている姿を見ていたことが大きいかもしれません。自然と医師をめざしていましたね。その中でも産婦人科を選んだのは、産婦人科の医師としての父の仕事ぶりを見ていたことの他に、大学の先輩や先生から熱心に「うちの科(産婦人科)に来ないか」と誘ってもらったこともあります。

こちらの主な患者層について教えてください。

下村直也院長 下村産婦人科医院2

主な年齢層は20代前半から80代まで、さまざまですね。ご出産される方は、10代後半から42、43才くらいまでの方がいらっしゃいます。患者さまのリスクにより高次医療機関への紹介もしています。私は久留米大学卒業後に九州の北西部で10年近く勤務してきましたが、地域によって患者さんにも気質の違いがあるなと感じています。私の経験からですが、ここ宮崎ではおだやかな患者さんが多い印象ですね。

院内は温かくおだやかな雰囲気を感じます。

待合室はピンクを基調にした背もたれのある長椅子を設置していて、熱帯魚の水槽も2つ置いています。明るく、温かな雰囲気を演出し、患者さんができるだけゆったり、リラックスして過ごせる空間にしました。

プライマリケアを担う産婦人科として幅広く診る

主な治療内容について教えてください。

下村直也院長 下村産婦人科医院3

私自身は、地域医療の最前線である総合病院で、がん手術の手伝いや子宮筋腫等の良性疾患の手術、帝王切開や分娩など経験を積んできました。当院では特定の病気を専門的に診るわけではなく、総合的にここで診られる症状に対して、全力で対応しています。産婦人科のプライマリケアのような役割を担っていまして、早期診療で、何か見つかれば早急に高次医療機関への紹介を行っています。産科では、リスクの少ない一般的な出産に対応しています。

診察で大切にしていることはなんですか?

産婦人科は患者さんにとって、とてもデリケートな部分を診るので、極力内診をせずに済めば、それがいいと思っています。でもやはり内診が必要なことも多く、その際には、患者さんに羞恥心を持たせないよう配慮して対応しています。また、患者さんの話をじっくり聞いて、納得してもらった上で診療を行うことは大切にしていますね。

患者さんからの主訴はどのようなものが多いですか?

下村直也院長 下村産婦人科医院4

最近は、クラミジアや梅毒など、性病の患者さんが増えてきました。違和感があれば、すぐに受診していただきたいですね。他にも、不正出血や月経困難症の方も多くいらっしゃいます。月経で悩む方に対して、低用量ピルを処方するのが今では標準的な治療となってきているので、痛みに苦しんだり我慢したりせず、まずは相談してほしいですね。他にも、長期間、月経を停止させるピルもあります。「月経は必ず月に一度あるべき」と思い込んでいる方もいますが、月経を停止させること自体は、悪いことでもありません。

マタニティーヨガやソフロロジーを取り入れていると聞きました。

ソフロロジーとは、出産時の恐怖や不安を取り除き、急に陣痛がきても慌てず、リラックスした状態で出産に臨めるようにするための方法です。痛みで我を忘れてしまう患者さんもいますし、そういう方が必ずしも受けているというわけではないのですが、当院では父の代から採用しています。イメージトレーニングや音楽療法のようなものですね。私ではなく、助産師など看護スタッフが指導を担当しています。マタニティーヨガは新型コロナウイルス感染症の影響で中止している時期もありますが、当院でも行っています。

取り上げた子の成長に感じるやりがいと分娩への使命感

下村産婦人科医院として自慢できるポイントは何ですか?

下村直也院長 下村産婦人科医院5

当院には19人ほどの職員がおり、ベテランの助産師や看護師もいます。妊婦さんの緊張をときほぐし、リラックスできるように職員一同が使命感を持ちながら精一杯サポートしています。ちなみに助産師は6人おり、妊婦さんにとって大事な産前・産後を安心して過ごせる環境が整っていると自負しています。

どんな時にやりがいを感じますか?

当院で誕生した子が、ランドセルを背負って小学校に向かっている姿を見かけた時、本当に良かったなあと感動しましたね。以前、総合病院に勤務していた時は、病気で訪れた方と治療後に会うということはほとんどありませんでしたので。また、父の代も含めると、当院で誕生した子が大人になって当院で出産をされたこともあります。私の仕事は24時間365日、あまりオンもオフもなく、急患など急ぎの対応にも追われます。そんな中で、取り上げた子が無事に成長していることを知ることができた時は、強いやりがいを感じますね。年々、分娩を行うことができるクリニックは減ってきていますし、周囲にも辞められた先生方が多くいらっしゃいます。だからこそ、私はまずこの先10年を目標に、分娩ができる体制を維持していきたいと考えています。

先生ご自身が健康のためにしていることはありますか?

下村直也院長 下村産婦人科医院6

以前、スポーツではテニスをやっていました。でも現在はなかなか時間が取れていません。ゴルフも半日間も時間を取られてしまうし、急患対応が難しくなってしまうなと感じてやめました。代わりに、健康のためにというわけではないんですが、犬の散歩をしながら15~20分ほど歩いていますよ。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

産婦人科は敷居が高い、行きづらいと思っている患者さんが多いと思います。もし男性の医師に診てもらうことに抵抗があるならば、女性の医師がいる産婦人科を選べばよいと思います。女性特有の病気や、思春期や更年期障害などホルモンの関係による疾患など、さまざまな症状に対応できます。とにかく、不正出血があれば放置しない、月経痛も我慢しないなど、何かおかしいと体の異常を感じたら、ぜひ受診してほしいと思っています。じっと我慢してしまうと病気が進行してしまうかもしれませんしね。

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