全国のドクター9,229人の想いを取材
クリニック・病院 158,508件の情報を掲載(2024年5月29日現在)

  1. TOP
  2. 福岡県
  3. 北九州市八幡西区
  4. 木屋瀬駅
  5. 医療法人 こがねまるクリニック
  6. 適切な知識を持って頑張りすぎず「60点主義」の糖尿病治療

適切な知識を持って頑張りすぎず
「60点主義」の糖尿病治療

こがねまるクリニック

(北九州市八幡西区/木屋瀬駅)

最終更新日:2023/06/29

こがねまるクリニック 適切な知識を持って頑張りすぎず 「60点主義」の糖尿病治療 こがねまるクリニック 適切な知識を持って頑張りすぎず 「60点主義」の糖尿病治療
  • 保険診療

さまざまな合併症を引き起こす糖尿病。それだけではなく、脳梗塞や心筋梗塞、がんなど、命に関わるような疾患のリスクを上げることもわかってきた。進行すれば健康に重大な影響を及ぼす病気である一方、「早期に発見し、定期的に受診しながら管理していけば、過度に恐れなくてもいい」と話すのが、「こがねまるクリニック」の院長であり糖尿病専門の医師である中村寛先生。同院で掲げているのは「60点主義」。無理のない範囲で生活習慣を整えながら足りない部分を薬で補うという治療で、糖尿病と上手に付き合っていくことをめざしているという。そんな中村先生に、同院で行っている糖尿病治療や受診しやすい工夫などについて話を聞いた。

(取材日2023年6月2日)

早期発見・早期治療のためにその場で検査結果が確認できる機械を導入

Q貴院では内科全般に加えて糖尿病を専門的に診療されるのですね。
A
こがねまるクリニック 日本糖尿病学会糖尿病専門医である中村院長が診療にあたる

▲日本糖尿病学会糖尿病専門医である中村院長が診療にあたる

そうです。私が糖尿病を専門的に診療しようと思ったのは、学生時代から取り組んでいた陸上がきっかけです。記録を縮めるために自分の体の中の指標、例えば血圧や血糖、肝機能などに興味を持ち、体調管理を行っていました。そうした経験を糖尿病の患者さんのために役立てられるのではと考えたからです。それからは、内科一般の疾患の診療をしながら、一貫して糖尿病治療に携わってきました。近年、血糖が全身の老化に大きく関わっているのではないかといわれるようになりました。糖尿病を治療することは、患者さんの健康寿命を保つことにもつながるとの思いで、診療にあたっています。

Q糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?
A
こがねまるクリニック 自覚症状が出にくいが進行すればするほど危険性が高まる糖尿病

▲自覚症状が出にくいが進行すればするほど危険性が高まる糖尿病

糖尿病には1型と2型があり、一字違いですが異なる病気です。1型糖尿病は、リンパ球がインスリンを出す細胞を攻撃する免疫の病気です。同様に免疫の病気である甲状腺疾患と合併することが多いので注意が必要です。2型糖尿病がいわゆる生活習慣病です。進行すると、失明したり透析が必要になったりするなど、さまざまな合併症を引き起こし、生活の質が大きく低下します。さらに、糖尿病に罹患することで脳梗塞や心筋梗塞、発がんのリスクが高まることもわかってきました。ですから、早期に発見し症状のコントロールを図ることが大切ですが、なかなか自覚症状が出にくい厄介な疾患なのです。

Q初期症状がほぼない糖尿病は、どんな時に受診すべきでしょうか?
A
こがねまるクリニック 定期的に健康診断を受けることが自分の命を守ることにつながる

▲定期的に健康診断を受けることが自分の命を守ることにつながる

定期的に健康診断を受け、所見があれば放置せず受診することが大切です。ご家族に複数の糖尿病患者さんがいる方はリスクが高いため、体調不良があれば早めの受診をお勧めします。生活習慣でいえば、座位で過ごす時間が長い方は発症リスクが高くなるといわれています。ずっと座っていることで筋肉の代謝効率が落ちるためです。ですから座りっぱなしにならないよう、ちょっと物を取りに行くのでもいいので、体を動かす時間を細切れに取ることが大切です。糖尿病は自覚症状が出にくいと申しましたが、急激に体重が増える、あるいは減る、尿が泡立つといった症状に表れることもあります。そうした症状が見られる場合も、一度受診しましょう。

Q患者さんが受診しやすいように工夫をされているそうですね。
A
こがねまるクリニック 病院レベルの先進機器導入。気軽に来院できるようこだわっている

▲病院レベルの先進機器導入。気軽に来院できるようこだわっている

糖尿病の重要な指標であるヘモグロビンA1cの測定結果が90秒程度でわかる機械を導入しています。治療方針を検査当日に決定でき、後日結果を聞くために来院する手間が省けます。初診で来られた方には、朝起きてから夜寝るまでの生活習慣について細かく問診するほか、職業やご家族の罹患歴、過去のスポーツ歴、体重などもお聞きします。スポーツ歴の有無は運動習慣がつきやすいかの判断材料となります。体重は今の体重だけでなく、最も増えた時や20歳の時の体重も聞いています。20歳の時より体重が大幅に増加している方は、発症リスクも上がるからです。こうした検査結果や問診を踏まえて、オーダーメイドの治療を行います。

Q糖尿病と診断された場合、どのような治療を受けるのでしょうか?
A
こがねまるクリニック 患者とのコミュニケーションを大切に、治療を進めている

▲患者とのコミュニケーションを大切に、治療を進めている

食事と運動によって改善を図ることが基本です。ただ、現役世代で多忙な方もいらっしゃいますので、食事や運動で改善が難しい場合は、血糖値を下げるための薬を用います。一度薬に頼ると薬の量がどんどん増えていくのではと心配される方も多いですが、経過によっては薬の量や種類を少なくしていくことは可能です。生活習慣病は長く付き合っていくもので、頑張りすぎてクリニックに来なくなることが最も避けるべきこと。患者さんには「60点主義」とお伝えしています。生活習慣の改善を無理のない範囲で頑張って、足りない部分を薬で補うことで、長続きする治療を心がけています。

ドクターからのメッセージ

中村 寛院長

糖尿病は確かに厄介な疾患で、罹患すると精神的なダメージもあるかと思います。しかし、早期に発見し、適切な知識を持って適切にコントロールが図れれば、過度に恐れる必要はありません。逆に、糖尿病の管理を通して体調管理ができますし、定期的に来院して検査を受けることで、予期せぬ他の病気が見つかることもあります。「一病息災」と捉えて、上手に付き合っていきましょう。当院では、患者さんの趣味の話やライフイベントなど、治療とは直接関係のないこともお話ししながら、患者さんの気持ちに寄り添った診察を心がけています。気になることがありましたら、どうぞお気軽にご来院ください。

Access