全国のドクター12,911人の想いを取材
クリニック・病院 158,235件の情報を掲載(2024年9月21日現在)

  1. TOP
  2. 広島県
  3. 広島市中区
  4. 本通駅
  5. 滝口耳鼻咽喉科
  6. 花川 浩之 院長

花川 浩之 院長の独自取材記事

滝口耳鼻咽喉科

(広島市中区/本通駅)

最終更新日:2022/10/13

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科 main

中区、路面電車やバスなど交通アクセスの良い市内中心部、飲食店などが立ち並ぶ一角にある「滝口耳鼻咽喉科」。先代の開業から30年以上、市内のみならず県外からも多くの患者たちに支持されてきた歴史ある同院を、現院長の花川浩之先生が先代より引き継ぎ2019年に継承開業した。花川院長は広島市民病院や四国がんセンターなど総合病院にて長年勤務をし、頭頸部腫瘍の診療や手術などに多くのキャリアを持つ医師だ。また、同院の主訴として最も多い、耳鳴り・めまいの治療についても先代とともに積極的に取り組み、知見も広い。「今までのものをきちんと引き継ぎながら、新しいことにも挑戦していきたいと思います」と話す花川院長。継承するにあたってのこれまでのこと、診療のモットーや、医院の今後の展望など語ってもらった。

(取材日2022年4月7日)

父の働く姿を見て医師の道へ

先生が医師の道を志したきっかけは何ですか?

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科1

父が整形外科の医師でして、その影響が大きいですね。中学生の頃に骨折をして父に診てもらったことがありました。医師として働く父は、家で見る姿とはまったく違い、すごく格好良かったんですよ。それがきっかけになったと思います。うちは開業していたわけではないので、父から医者になれとも整形外科に来いとも言われたこともありません。耳鼻科を選んだのは、学生のときの実習がきっかけです。私には歳の離れた妹が2人いまして、妹たちの世話をずっとしていたこともあり、とても子どもが好きなんです。小児科も検討したのですが外科にも興味がありました。実習が進む中で、耳鼻科には子どもの患者が多いことを知りました。耳鼻科であれば、子どもも診れて外科的な手術もできる、そして一番大きいのが耳鼻科で尊敬する先生に出会えたことです。その先生の姿を見て自分も先生のような耳鼻科の医師になりたいと思いました。

開業までの経緯をお聞かせください。

当院は前院長の滝口先生のお父さまが開業されました。私が2019年に入職し、同じ年の10月に継承いたしました。私の出身は岡山で岡山大学を卒業したのちは兵庫県の赤穂中央病院で初期研修をしました。そして、姫路赤十字病院や広島市民病院、岡山大学病院、四国がんセンターなどを経て、広島にやってきました。滝口先生も岡山大学卒で広島市民病院に勤務されていた大先輩で、市民病院時代に私もとてもかわいがっていただきました。そして、私の妻が広島出身ということもあり「将来的に開業するのであれば広島で」と考えていたところに、ご縁があり継承させていただくことになったということが経緯となります。

院長先生のご専門についてお聞かせください。

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科2

広島に来る前は四国がんセンターで5年勤務し、その前は大学病院でがんの研究をしていましたので、頭頸部腫瘍が専門となります。頭頸部腫瘍というのは、耳鼻科領域で診る鼻・喉・口腔咽頭・頸部にできる腫瘍のことです。主にがんを対象に診療してきました。首から上で、目と脳を除いた場所がすべて対象となります。頭頸部のがんは症例としては多いわけではありませんが、私が勤務していた四国がんセンターは頭頸部腫瘍の専門的な施設でもあったので、多くの経験を積ませていただきました。

連携を取ることも選択肢に患者にとってのベストを

こちらの医院では、どのような症状の患者が多いのですか?

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科3

花粉症などの一般的な耳鼻科症状の診察ももちろん行いますが、最も多いのは、めまいと耳鳴りの患者さんです。めまいと耳鳴りの治療は先代院長の滝口先生がライフワークとして取り組まれていましたので、継承後も診察と治療を私が引き継いでいます。当院のように、めまいや耳鳴りを専門的に診察する医院はあまり多くないことから、呉や江田島など広島県内はもちろん、島根など遠方から定期的に来られる患者さんもいらっしゃいます。

診療方針をお聞かせください。

できること、できないことをしっかりと見極めて、患者さんにとってのベストを尽くしたいと考えています。お薬だけを出して「はい、終わり」という診療はしたくありません。患者さんをしっかり診ていきたいです。めまいや耳鳴りの原因は、メニエール病や難聴など、耳の機能から来るものと、中には心因的なことが原因の場合もあります。当院だけでは完結しないケースも多々あります。他の心療内科さんと連携を取ったり、高度な検査が必要な場合は総合病院に紹介状を出しています。ただし、紹介を出すとしても患者さんに対する責任は私にあると思っているので、主治医としての診断や考えをしっかりと記し、紹介先の病院でスムーズに診療が進むように心がけています。

医院の内装や設備など、こだわりの点があれば教えてください。

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科4

内装は先代の頃から受け継いだものですが、待合室などは明るい雰囲気にして、患者さんの気持ちが少しでも華やぐものを選んだと聞いています。また、耳鳴りやめまいは診察や問診に時間がかかることが多いので、どうしても待ち時間が長くなってしまいがちです。そのため、待合室のソファも座り心地が良く、快適にお過ごしいただけるものを用意されたそうです。医療機器は内視鏡システムなど一般的な耳鼻科で使用するものからレントゲンに加え、めまいの検査に使用する専門的な機器として例えば電気眼振計、重心動揺計、そのほか心電図などをそろえています。また「耳鳴治療器」を用いた耳鳴再訓練治療(TRT)も行っています。耳鳴順応訓練用の機器を希望の患者さんに貸し出しもしています。この機器は高額ですので、十分な試用を経てから購入を検討いただくのが良いのではないかという思いがあり、この取り組みを実施しています。

きちんと引き継ぎながら、新しいことにも挑戦したい

診療の際に心がけてらっしゃることはございますか?

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科5

患者さんのお話をしっかりと聞くことです。特に、初診の耳鳴りやめまいの患者さんは他の医療機関にて受診をされた方も多く、当院にいらっしゃるまでの経緯などを詳しくお聞かせいただく必要があります。そのため、診察室に入られる前に、当院のスタッフが先にお一人ずつ問診をさせていただきます。それを電子カルテに入力し、医師に共有し診察を始めるようにしています。原因が耳にあるのか、心理的なものなのか、もしくは脳が原因のこともあります。患者さんのお話を聞き、当院全体でのチーム医療を志して診療させていただいています。

お休みの日はどのようにお過ごしですか?

もうすぐ2歳になる娘がいますので、休みの日は子どもとの時間を大切にしています。走りまわって目が離せないのですが、やっぱりかわいい盛りというだけあって、少しずつ言葉も出てきて、やりとりが本当に楽しくて。他には、車が好きですね。学生の頃はサーキットで走ったりしていました。今は速く走る車ではなく、20年以上前に発売されたオープンカーを好んで乗っています。2人乗りなので子どもが生まれた今となっては家族みんなでは乗れないんですが(笑)。優しく運転しないと壊れてしまうんじゃないか、なんてハラハラしながらも大切に乗っています。

今後の方針や展望についてお聞かせください。

花川浩之院長 滝口耳鼻咽喉科6

今までのものをきちんと引き継ぎながら、新しいことにも挑戦していきたいと思います。新しい医療機器も入れてきているので、少しずつ頭頸部腫瘍にも対応できるようになってきています。ただし、診療所でできることには限界があります。頭頸部腫瘍は手術や、腫瘍ががんであれば抗がん剤治療などが必要になります。そうなるとやはり診療所では難しい部分があります。ですので、その橋渡しができればいいと考えています。手術後の受け皿になったりだとか、そういった部分であれば診療所でもできるのではないかと思っています。経営的に見たらもしかしたら効率が悪いことなのかもしれませんが、そこはやっていきたいですね。これからも、新しいことへの挑戦を続けたいと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

困ったことがあれば遠慮せずに担当の先生におっしゃったらいいんじゃないかなと思います。めまいや耳鳴りなどでしたら、私も先代からいろいろ教えてもらいましたので、できることがあるかもしれません。気軽に相談に来ていただければと思います。

Access