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大塚 亮 院長の独自取材記事

おおつか医院

(生駒市/白庭台駅)

最終更新日:2022/07/15

大塚亮院長 おおつか医院 main

周囲を緑に囲まれた閑静な住宅地の一角にある「おおつか医院」。大塚亮院長の父親が営んでいた小児科医院を引き継ぎ、2014年から内科・循環器内科・小児科のクリニックとして診療を行っている。清潔感のある白色を基調にデザインされた院内は落ち着きがあり、待合室も広々として居心地の良さが感じられる。大塚院長は日本循環器学会循環器専門医の資格を持ち、大学病院などで救急医療を含む内科の臨床を数多く経験。開業後は総合病院との連携を密にしながら、生活習慣病の予防と治療に力を入れている。また薬に頼らずバランスのとれた食生活を重視し、患者の生活スタイルに合わせた食事のメニューを提案するなど、栄養指導にも力を入れている。料理とトライアスロンが趣味だという大塚院長に、いろいろと話を聞いた。

(取材日2022年4月2日)

原因不明の不定愁訴と栄養との関係に注目

開業するまでの経緯をお聞かせください。

大塚亮院長 おおつか医院1

両親が小児科の医師で、父親がこの場所で小児科医院を開業していました。自分は中学から高校にかけて、大きな建造物を造る建築家に憧れていましたが、高校3年になっていろいろと考えた結果、医師になる道を選びました。特に何かきっかけがあったわけではありませんが、両親の影響はあったと思います。医師になってから「もし建築家になっていたらどんな仕事していたかな?」とふと考えることもありますが、結果的には医師という職業を選んで正解でした。少なくとも自分には合っていました。大学院を修了した後は大学に残り、臨床と研究をしていました。臨床では救急診療に携わることが多く、30時間ずっと病院にいることもありました。仕事は楽しく、やりがいもありましたが、40歳を迎えたことを機に、開業医になる道を選びました。

開業しようと思った理由を教えていただけますか。

大学に残って教授をめざすという選択もありましたが、それは自分のやりたいこととちょっと違うのかな、と思いました。またそれまで米国に渡って研究していたことが一段落して、その後一生をかけて研究するようなテーマが途切れた時期だったこともあり、「教授になる」ということを人生の目標にするのは止めておこうと考えました。何かはっきりしたビジョンがない限り、教授にはなるべきじゃないなぁ……と感じたのです。でもすぐに開業するのは不安があったので、いったん民間の病院に勤務してから、父親の小児科医院を引き継ぐ形で開業しました。

開業してからはどのような診療をしていますか?

大塚亮院長 おおつか医院2

救急では心筋梗塞や脳卒中など重症の患者さんをたくさん診てきましたが、開業医の仕事はそういった病気を予防したり悪化を防ぐためのケアやマネージメントが主体になります。また、開業して気づいたのが、「よくわからないけどなんかしんどい」とか「朝起きられなくて学校に行けない」といった不定愁訴で来られる女性やお子さんが多いということでした。血液検査をしても問題はなく、心療内科でも原因はわからなかったという方ですね。そういったケースがあまりに多いのでいろいろ調べたら、栄養バランスの偏りが原因でそのような症状が起こることがあるのに気がつきました。検査の結果が正常値の範囲内でも、理想値から大きく離れた数値の場合に、体調不良を起こす人が一定数存在するようなのです。そういった方には栄養指導をするようにしています。またそれによって自分自身も栄養の大切さに気づかされました。

良い細胞を作るために欠かせない栄養のバランス

栄養指導について具体的にお聞かせください。

大塚亮院長 おおつか医院3

全身の細胞の多くは、だいたい3ヵ月で新しいものに入れ替わります。そのときに足りない栄養素があると、それなりの細胞しか作れません。足りない要素を全部補充して、ベストな状態を維持すれば、より良い細胞を作ることができます。そのために重要なのが食生活です。ファストフードなど手軽に食べられるものほど栄養のバランスが偏りがちで、添加物と一緒に排泄されてしまうミネラルもあります。成長期の子どもの朝食がパン、昼食がラーメンでは、糖質ばかりでタンパク質やミネラルが不足してしまいます。朝は卵を添えるとか、昼は副菜を1品足すだけでも違います。体に良いとされる栄養素だけをとったとしても、それを吸収するための酵素やミネラルが不足していては、結局上手く体内に吸収がされなくなってしまいますから、そういったこともアドバイスしています。

先生はご自分でも料理をされるんですか?

もともと料理は好きでした。自分でするようになったきっかけは、米国にいたときジャンクフードが嫌だったことです。ラボの仲間とご飯を食べに行ってもワンパターンで、昼は仕方ないとしても夜はちゃんとしたものが食べたいと思って自炊を始めました。それ以来料理にはまって、一時はイタリアンばかり作ったりしていました。和食は食材が入手しにくく凝ったものは作れませんでしたが、辛いものが好きなのでパキスタンやマレーシアの料理を作ったり……。それが仲間内で評判になり、ホームパーティーを開いてくれと頼まれるようになりました。でもそのおかげでいろんな人が来てくれて、知り合いが増えました。ちなみに得意な料理は、マーボー豆腐とアクアパッツァです(笑)。

料理のレシピ本も執筆されているそうですね。

大塚亮院長 おおつか医院4

友人から紹介されたとある企業の方に、僕が料理好きで栄養の勉強をしているという話をしたところ、その方が九州出身で、熊本地震からの地場産業の復興のために菊芋を使った製品の監修をしてくれないかと頼まれたことがありました。それがきっかけで、健康に良い料理のレシピ本を作ろうという話になり、管理栄養士の料理研究家の方との共著で執筆しました。それが好評だったようで、これまでに7冊ほど制作しました。またそこからのつながりで、マスメディアへの出演なども多くなりました。大学にいたときとはまったく違うことに取り組んでいるので、同期の先生方などはみんなびっくりしています(笑)。

栄養指導についてもっと広く浸透させたい

料理以外に趣味はありますか?

大塚亮院長 おおつか医院5

学生時代はテニスやスキー、スノーボード、ウェイクボードなどをしていました。基本的に板に乗るスポーツが好きなんですね(笑)。40歳頃から友人の誘いでトライアスロンを始め、いろいろなコースに30回くらい出場しました。日本最長コースの佐渡国際トライアスロン大会にも4回出場して2回完走しましたが、さすがにそのときは死にそうでした(笑)。トライアスロンの練習も兼ねてフルマラソンに出場したことも何度かあります。大学に残らず開業医になることを選んだ理由の1つとして、そういった趣味の時間を大事にしたいという気持ちもありました。

今後の展望をお聞かせください。

栄養指導について、もっと広く浸透させていきたいですね。不思議なことに、医師になるためにあれほど勉強をするのに、栄養学は少ししかやらないんです。栄養のことは栄養士に任せれば良いということなのだと思いますが、医師や看護師など医療従事者にも、栄養についての知識がもっと必要だと思います。自分でもそういったことを啓発する場がほしくて、現在はウェブ会議を利用して講習会を開くなどしています。学校などでお話をする機会があるときも、お子さんの体調と食生活との関係などについて、積極的に話すようにしています。今後も診療と並行してそういった活動は続けていくつもりです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大塚亮院長 おおつか医院6

健康であるためには、何を食べるかが大きなポイントです。自分の身体は食べたもので作られているということを、もっと意識してもらえるようにしたいですね。お薬を処方することだけが治療ではないと思っています。食事で栄養の改善を図ったり、それだけで追いつかない場合は、サプリメントで補ったり。体調が回復されれば、後はその状態を保てるようにサポートもしていきます。また専門である循環器の疾患については、近隣の総合病院との連携体制を密にして、入院や手術が必要な患者さんはそういった病院に紹介し、逆に状態が安定している患者さんは病院からの紹介で当院に通っていただくこともあります。風邪や腹痛といった急性疾患から高血圧などの生活習慣病、また原因がはっきりしない体調不良などが気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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