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伊藤 進一 院長の独自取材記事

伊藤産婦人科医院

(尼崎市/塚口駅)

最終更新日:2023/06/12

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院 main

阪急神戸線塚口駅から徒歩2分とアクセス便利な「伊藤産婦人科医院」は、モダンで温かみある外観のクリニック。父から同院を継いだ2代目の伊藤進一院長は、穏やかで丁寧な人柄の持ち主だ。婦人科の治療に注力し、中高生から更年期症状に悩む中高年まで、女性が抱える悩みに助産師や女性スタッフとともに対応している。リスクやメリットを説明した上で、子宮頸がんワクチン接種やホルモン療法も行っているという。また働く女性が継続的に通えるようにと、土日も終日診療を実施するのも同院の特徴。ほかにも、キャッシュレス決済やオンライン診療など柔軟に新しいものを取り入れ、女性の健康を支える院長に、その想いも含めじっくりと話を聞いた。

(取材日2019年6月19日/情報更新日2022年11月26日)

セミオープンシステムを生かし地域の妊婦を支える

医師になった理由や開業医になった経緯を教えてください。

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院1

医師になったのは、先代である父の影響が大きいと思います。1981年にここへと移転するまで自宅と当院は同じ場所だったので、産婦人科医として真面目に働く父の姿を近くで見ていました。家にいると赤ちゃんの声がよく聞こえてきたものです。医大卒業後は症例数の多い病院で経験を積むことができ、産婦人科医療にやりがいを感じていました。特に、最後に勤めた大阪労災病院は年間の分娩数も手術数も多く、とても充実した日々を送れましたね。そこで学び続けたい気持ちもあったものの、高齢になった父から頼まれ、1999年に正式に当院の院長に就任しました。父とは初めの1年間一緒に外来診療を行いましたが、最初からすべて私に任せてくれ、その後、当院で非常に多くの分娩に対応しました。

分娩にはどのような気持ちで取り組んでいましたか?

妊婦さん自身の本来の力をできるだけ引き出してあげたいというのが一つ。また出産は新たな家族を迎え入れるということですから、初産ならご夫婦で、経産婦さんならお子さんも含め極力皆さんで出産を迎えてほしいと思っていました。当院は立ち会い出産が90%を超えるほどで、男性は立ち会うことで女性のすごさを実感していましたし、お子さんの立ち会いも多数ありましたね。お父さんが出産に付き添うことで家族愛や絆が強くなってほしい、お子さんに弟や妹を大切にしてほしいとも願っていました。

先生が分娩を終了した頃のエピソードを教えてください。

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院2

産科は長年行っていたので、クチコミなどで来院してくださる妊婦さんも多かったです。当院が分娩を終了する頃、兵庫県立塚口病院(現・兵庫県立尼崎総合医療センター)に、現在産婦人科部長である廣瀬先生がちょうど赴任されてあいさつに来てくれました。その時に2人でいろいろな話をして、病院とクリニックが連携した出産をめざそうということになりました。それが、今尼崎で広く取り入れられている、「セミオープンシステム」の基盤づくりにつながりました。開業医が健診を行い9ヵ月・10ヵ月の頃に大きな病院に移って出産をするというものです。最近はお仕事をしている妊婦さんが非常に多く、働きながら通院するのはとても大変です。当院は仕事の後や土日にも通院いただけるので、普段通いやすいクリニックで経過を診て、設備などがしっかり整った病院で出産という2つのメリットが提供できるシステムなのです。

ホルモン療法やオンライン診療でも女性の心身を支える

現在、力を入れて取り組んでいることはありますか?

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院3

女性のヘルスケアです。ここ2、3年は働いている女性の健康、学生さんの性に対する悩み、中高年の更年期などの相談を主体に行っています。最もニーズが高いのは20代、30代、そして更年期です。20代や30代の女性は月経前の不快な症状や月経痛などが圧倒的に多いです。月経の症状は仕事にも影響してきます。更年期の方は体のほてりと精神的ないらいらが主な症状です。更年期の頃はお子さんの独立や親御さんの介護などもある年齢なので、そういったことから精神的な不調が起こることもあります。また、閉経前はホルモンのバランスが非常に崩れるので月経のトラブルも増加し、そこでまず来院される患者さんが多いです。2020年の1月からは平日に働いている女性も来院しやすいように、土日とも終日診療を行っておりますので、お気軽に来院していただければと思います。

先生はホルモン療法を啓発されているようですね。

はい。当院ではピルや更年期のホルモン療法などホルモン剤の処方を多く行っております。月経のトラブルや回数を減らすことで生活や仕事の質を上げる、スポーツをされている方などは月経を計画的にコントロールし良いコンディションで大会を迎えられるなど、期待できるメリットは多いです。今はSNSを含むインターネットなどでの情報の多さのおかげで昔よりもホルモン剤への抵抗感が減ってきています。とはいえ、今もお薬の説明をすると多くの方は効能よりも先に副作用を聞いてきます。その辺りはまず、同性である助産師が同じ立場になってお話しすることで、患者さんも随分受け入れてくれるようになります。

受診しやすい環境づくりを大事にされているとも伺っています。

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院4

女性のヘルスケアを支えていくには予防が大切ですが、予防を推進するには受診し続けやすい環境づくりが必要です。そのため当院のデジタル化を進めており、最近、キャッシュレス決済を導入しました。保険・自由診療問わず、5割ほどの患者さんがキャッシュレスでお支払いくださっています。また月経困難症や更年期障害の診療、ピル処方などはオンライン診療でも行えるようにしました。先ほどお伝えしたように土日も終日診療を行っていますので、平日お忙しい方は土日診療を入り口に、オンライン診療も活用しながら受診を継続していただければと考えています。例えば月経困難症であれば、一度対面診療を行い、その後の約半年間は基本的にオンライン診療で、そして再度対面診療を行い、また半年間ほどはオンライン診療で、という対応が可能です。オンライン診療では、お薬がご自宅に届くのも便利だと思います。

助産師との連携でどの年代の女性もサポート

こちらが実践する医療についてより詳しくお聞かせください。

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院5

女性の生活の質や健康を少しでも向上させるということですね。当院では問診票に記入していただき、まず助産師がヒアリングを行います。同性同士で見えてくることも多いです。その上で選択肢を提示します。ピルもその1つですが、社会人だけでなく、学生さんにもできるだけ正しい知識で負担なく使用してもらえるよう助産師からお母さんに細かく話をすると、ご理解や同意をいただけることも多いです。とはいえ産婦人科には親に言いづらい内容で来院する中高生の方もいます。当院では本人の承諾なしに、親御さんに勝手に連絡することは絶対にありません。何でも話してもらうことで行ってはいけない道をふさぐこともできると思っています。中には、予定外の妊娠についてのご相談も。その場合は、「産む」「産まない」を含めた人生プランをご自身で決定できるようサポートしていきます。もし中絶を選択されるなら、痛みに配慮した人工妊娠中絶手術にも対応します。

患者さんと接する上で心がけていることは何ですか?

あいさつをしっかりとした上で、こちらからは押しつけるようなことは言わない、ということに気をつけて、極力患者さんに話してもらうようにしています。どんなにずれたことを言ったり、堂々巡りをしたりしてもしばらくは話を聞くことが重要です。患者さんが何を言っても怒られない、馬鹿にされないという気持ちを持たないと本当のところが見えてこないこともあるので、安心感を奪うような発言だけはしないよう意識しています。ただ私の診察時間だけでは限界があるので、スタッフと常にディスカッションをしながら気持ちを共有し、皆で話を聞くようにしています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

伊藤進一院長 伊藤産婦人科医院6

若い方も、仕事をされている方も、閉経した方も、健康な肉体と精神で日々を過ごすには女性ホルモンをどのようにうまくコントロールしていくかが大切です。ホルモンのお薬は必ずしも悪いもの、怖いものではありません。正しく使用することで生活の質の向上が図れることを覚えておいてほしいです。当院では女性がどんなことでも相談できるような窓口「どうしよう科?」も開設していますので興味や相談があればいつでもご来院ください。スタッフは皆どんなお話でもゆっくり伺っていますので、心に変な壁をつくらず何でも話していただきたいです。その上で良い方法をご提示し、一緒に対策を考えていきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

低用量ピル/初診料2200円 1シート2200円~、学生料金1650円
緊急避妊薬/7700円
人工妊娠中絶手術/初診料1万円、手術料(術前処置含む)9万9000円、術後診察料3300円

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