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林 一 院長の独自取材記事

林眼科医院

(神戸市中央区/三ノ宮駅)

最終更新日:2022/09/20

林一院長 林眼科医院 main

JR神戸線三ノ宮駅・阪急神戸本線神戸三宮駅から北野坂を上ること約10分。おしゃれなカフェなどが並ぶその一角に、昔ながらの趣きを今に残す「林眼科医院」はある。院長である林一先生の父親がこの地で開業したのが1974年。以来、50年にわたり北野エリアで暮らす人たちに寄り添い診療を行っている。院内は決して広くはないものの、昭和レトロな雰囲気がそのままに残り、心地良い空間。林院長はとにかく柔和で優しく、にこやかな表情や話し方がとても温かく、患者一人ひとりを気遣い、声をかける姿が印象的だ。同院で月・木・土曜の午前中に診療を行うほか、眼科医が少ないとされる丹波市内の病院で週に3日診療を行うなどの診療姿勢にもその人柄が伺える。そんな林院長に、同院の成り立ちや日頃の診療について聞いた。

(取材日2022年8月22日)

神戸の北野エリアで診療を続けて50年の眼科医院

この地で長年診療していると聞きました。開業した当時の話や継承した経緯についてお聞かせください。

林一院長 林眼科医院1

ここは父が1974年に開業した眼科医院です。もともと母親がこの地域の出身で、叔父の家があったここにマンションを建てるのを機に、開業の話があったみたいですね。それまで静岡で勤務していた父について、家族みんなで神戸に引っ越してきました。私が小学3年生の時です。その頃はこの地域は今のような観光地ではなく、外国人の方も多く住む閑静な住宅街でした。父が亡くなって今年で6年目になるのですが、それまで父はずっとここで診療をしてきました。「そろそろ代替わりを……」と父から話があって、私が院長を継承したのは父が亡くなる10年ほど前。それからは父と2人で診療をしていました。

どのような患者さんが多く来院されるのですか?

アレルギー性結膜炎やものもらい、白内障や緑内障による視力障害の方などさまざまです。目がかゆい・目が痛い・見えにくい・目が乾く・目やにが出るなど、患者さんが不安に思う症状に対処できるよう、一般眼科診療を主に行っています。患者さんは、この地域に暮らしている人がほとんどですね。古くから住んでいる人も多く、父の代から通ってくださる患者さんもいます。この辺りは外国の方も多く暮らしているので、英語しか話せない人や中国の方などもよくいらっしゃいます。英語はコミュニケーションをとれる程度で、中国語も片言ではありますが、それぞれの言語での診療に対応しています。外国の患者さんとコミュニケーションを取るうちに、だんだんと話せるようになってきました。

どこか懐かしい昭和レトロな院内の雰囲気がすてきですね。

林一院長 林眼科医院2

昔のままの造りですからね。震災でこの辺りは大きな被害があったのですが、この建物はなんとか半壊で持ちこたえてくれて、修理をして今に至っています。院内は待合室と診察室というシンプルなレイアウトで、私一人で診察から受付・薬の処方もしています。当院には先端医療機器がそろっているわけではないですが、一般眼科診療に必要な眼圧計・細隙灯顕微鏡・眼底倒像鏡・遠視や近視や乱視の度数を測るオートレフラクトメータなど、基本的な検査機器は一通りあります。それでもここでの治療には限界もあるので、より精密な検査や高度な治療が必要な場合は、神戸には懇意にしている先生も多くいらっしゃるので、神戸海星病院や神戸赤十字病院・神戸アイセンター・神戸大学医学部附属病院などに紹介しています。

過疎地と医院を行き来し、寄り添う診療で患者を支える

この医院を継承するまではどちらに勤務しておられたのですか?

林一院長 林眼科医院3

大学を卒業してからは、国立病院機構神戸医療センター、兵庫県立淡路医療センター、神戸海星病院を経て、2002年に兵庫県立丹波医療センター(旧・柏原病院)に眼科部長として着任し、2006年まで外来診療や白内障や緑内障・網膜硝子体の手術、後進の指導などを行ってきました。継承のため退任はしたのですが、実は現在に至るまで、週に3日は丹波医療センターで引き続き外来や手術を行っております。丹波医療センターでの勤務は2022年で20年になりますね。

丹波まで週3日通いながら、こちらで診療をしていらっしゃるのですね。

本当はこちらで週6日開院できればいいのですが、長年勤務していた丹波の事情もあるので……。丹波市には氷上町や青垣町など6つの町があるのですが、神戸や大阪のように医師が多いわけではなく、大きい病院も少ないんです。内科の開業医の先生は何人かいらっしゃいますが、眼科や耳鼻咽喉科などを診療するクリニックはとても少ないんです。医療過疎な地域なんですね。それで少しでもお手伝いができたら、という気持ちで丹波医療センターの診療と、青垣町の山間の診療所での診療を続けています。私がここを継承し、父が元気な頃は、私が丹波に行っている日は父が診療を行うという交代制で当院の診療を行っていたのですが、父が亡くなってからは私が丹波に行っている火・水・金曜はお休みにさせてもらい、月・木・土曜の週3日のみこちらで診療をしている状態です。

診療で大切にしていることは何ですか?

林一院長 林眼科医院4

日々の診療で特別なことは何もしていないのですが、ただここは北野坂の途中にあるので、皆さん坂を下りてきたり上ってこられたり、暑い日も寒い日も頑張って来てくださっているので、帰られる時には「来てよかったな」と満足して納得して帰っていただける診療をめざしています。症状の改善ももちろんですが、「どうしてこんな症状が?」「今後どうしたらいいの?」など患者さんが抱く不安を取り除き、どんな疑問にもお応えして「今日は話を聞いてもらって、先生と話ができてよかった」と安心してもらえるように……ということを心がけています。

ゆとりある診療で患者の相談に丁寧に対応

先代のお父さまからは、医師としてどのような影響を受けましたか?

林一院長 林眼科医院5

父はとても努力家で包容力があり、家族に対しても患者さんに対しても面倒見が良く、父として、人間として、医師として本当に尊敬していました。患者さんに対して高圧的な態度をとることもなく、いつも声をかけて患者さんの目線で寄り添っていました。そういう姿を子どもの頃から見ていたので、私も自然に今のような診療における姿勢が身についたのではないかと思います。今も父が診ていた患者さんが来てくださっていて、「お父さんにはよくしていただいた。いい先生でした」とお話しされています。私も父のように患者さんに喜んでいただける診療をしていきたいですね。

お忙しい日々ですが、休日はどのようにしてリフレッシュしているのですか?

医師会の先生方と、たまにゴルフに行ってリフレッシュしています。医師になりたての若い頃、先輩の先生方がみんなゴルフをしていて誘われたのですが、その当時は「ゴルフなんてそれほど体も動かさないし、スポーツなんですか?」なんて言っていたんです。すると先輩が「若い頃はそう思っていても、そのうち年を重ねて若い時のように運動ができなくなって、みんなゴルフにはまっていくんだよ」と。それが本当にそのようになって、気がつけば私もゴルフにはまっていました。ゴルフ以外では、週に2回ほど、昼休みに近くのスポーツジムに行っています。体を動かすことが好きなんですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

林一院長 林眼科医院6

週に3日しか開いていないので、すぐに診てほしい時に対応できないことはありますが、幸いにして今のところは患者さんで混み合うことがあまりないので、待ち時間も短く、患者さん1人あたりの診療時間にも余裕があります。患者さんの話をじっくり聞いて会話することができるので、些細なことでも目に不安を感じて相談したいことがあれば、いつでも遠慮なく相談に来ていただきたいと思います。うちはのんびりとアットホームな雰囲気のクリニックですので、安心してくださいね。これからどこまでこのような体制で続けられるかわかりませんが、私ができる限り、この地域と丹波で、医療で貢献をしていきたいと思います。

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