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松田 剛 院長の独自取材記事

まつだ内科

(神戸市兵庫区/湊川駅)

最終更新日:2024/03/14

松田剛院長 まつだ内科 main

神戸市営地下鉄山手線・湊川公園駅から徒歩約1分、ビルの3階にある「まつだ内科」。院長を務める松田剛先生は、20年以上、地域医療を支えてきた父から、2016年に同院を継承。基幹病院の消化器内科や循環器内科などで積んできた経験を生かし、専門とする循環器疾患から糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病まで、きめ細かな診療を提供する。「めざすのは、患者さんが話をしたくなるクリニック」と語る松田院長に、その想いやスタッフとの連携について、詳しく聞いた。

(取材日2024年2月8日)

地域に根差し、3世代にわたって通院する患者も

クリニックの歴史と特徴について教えてください。

松田剛院長 まつだ内科1

父の代から長年信頼と実績を積み重ねてきました。父の引退に伴い、継承し2016年に湊川駅近くに移転しました。患者さんの中には年配の患者さんも多いので、1階から3階にある当院の診療室まで、エレベーターを使って車いすで来られるようフラットな造りにしてもらいました。お手洗いも車いすで入れるよう、広々と造っています。内装面では、病院に来ていただいても少しでもリラックスしていただけるよう、「ホテルのような雰囲気」を感じていただけるようクリームがかった色を選びました。移転継承後も開院当初から親子3代にわたって通い続けてくださる患者さんも多く、これまでの道のりは、まさに患者さんとともに歩んできた歴史だと思っています。

先生のご専門性について教えてください。

私は消化器内科や心臓血管部門、循環器内科などで臨床経験を積んできました。一般的な内科疾患は慢性的なものが多く、長く付き合っていく必要がある疾患が多い中、狭心症や心筋梗塞などの循環器疾患は命に関わるような状態から、劇的に状態が良くなることも望めます。倒れて運ばれてきた人が歩いて帰ることをめざせる状態になることも珍しくありません。私はそこに魅力を感じて循環器内科を専門に選びました。心臓疾患や動脈硬化の不安があるとき、専門の医師による診察が望ましいので気軽に相談していただきたいです。当院では心疾患のリスクが高い高血圧症や糖尿病、脂質異常症などいわゆる生活習慣病の方も多くいらっしゃるので丁寧にお話を聞いて、必要に応じて検査を検討し、心疾患だとわかれば適切な薬を処方したり、基幹病院へ紹介状を書いて送るなど、常に適切な対応を心がけています。

診療において大切にしていることを教えてください。

松田剛院長 まつだ内科2

僕もスタッフも一番大切にしているのは「話をしたくなるクリニック」であることです。患者さんが相談しやすい関係を日頃から築いておくことが、病気の発見につながると思っているので、実は診療中も病気や薬の話などはあまりせず、世間話で終わることがほとんどかもしれません。医療に関係あることだけでなく、家族やペットの話なども積極的に聞きます。より患者さんと向き合って会話できるよう、診療中は医療クラークにカルテの入力補助をしてもらい、患者さんとの対話に集中できる体制にしています。スタッフにも、カウンターの外に出てどんどん患者さんに話しかけるよう伝えています。実は待合室での様子から、患者さんの異変に気づくことも多いんです。スタッフ目線で様子をこまやかに観察してもらい、いつもと違う様子があれば報告してもらい診療に生かしています。

患者との関わりを深め、健康を支える

専門の循環器疾患ではどのような患者さんが多いのでしょうか。

松田剛院長 まつだ内科3

心筋梗塞後の方や高血圧の方が多いですね。他には心不全でしょうか。心不全とは、高血圧症や心筋梗塞など、さまざまな疾患により心臓に負荷がかかり、ポンプとしての機能が低下した状態のことです。厚生労働省の2022年の調査によると、心疾患は、がんに次いで日本人の死因別死亡数の第2位となっています。心不全は繰り返しやすく、繰り返すことで徐々に体が衰弱していきます。そのため、再発しないよう症状のコントロールを図っていくのが、今の循環器内科の役目だと考えています。また、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病の方は、狭心症や心筋梗塞などのリスクが非常に高くなります。当院では胸部レントゲン、心電図、エコー検査など検査を行い、その兆候をいち早く発見し、心不全につながらないよう努めています。

心不全のコントロールとは、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?

まず食事や体重などに注意することが重要です。当院では管理栄養士が在籍し、食事指導を行っています。例えば、1日の摂取塩分量を減らすために、しょうゆはかけるのではなくつけて食べる、など具体的な方法をお伝えしながら実践しやすいサポートを行っています。体を動かせなくなると食べられなくなる方も多いので、患者さんに合った栄養補助ドリンクを探すなどの対応もしています。また、心不全のコントロールを図るためには薬も用います。薬はこの数年で新しいものがさまざま出てきました。古い薬から新しい薬へ切り替えを促すことも大切にしています。

休診日にも診療に対応されているとお伺いしました。

松田剛院長 まつだ内科4

待合室の掲示板に、緊急時は連絡してくださいと僕の電話番号を掲示しています。ときどき電話をいただきますね。夜中に電話がかかってくることもありますが、何かあればいつでも診てもらえると安心感を与えることも、地域のかかりつけ医として重要な仕事の1つだと思っています。当院に通ってくださっている方が、足が不自由になったなどの理由で来院するのが難しくなった場合は、訪問診療にも対応しています。患者さんの希望があれば最期まで診るのが医療機関の役割とも考えているからです。

患者もスタッフも幸せなクリニックにしたい

患者さんとスタッフさんの双方の満足度を考えていらっしゃるそうですね。

松田剛院長 まつだ内科5

来ていただく患者さんをはじめ、サポートしてくれるスタッフにも感謝しています。スタッフも患者さんからの感謝のお言葉でモチベーションが上がりますし、スタッフ同士も互いに感謝し合えるようなクリニックの風土にしたいと考え、スタッフと一緒にセミナー類に参加するなど育成に力を入れるようになりました。チームとして考え方を統一するためにセミナーに参加しています。最近は患者さんから感謝の言葉をいただくことも多く、とてもやりがいを感じます、それ以上にスタッフへのお褒めの言葉をもらうと本当にうれしいですね。

スタッフ育成にも力を入れられているのですね。

一人ひとりが仕事に対してやりがいを持って働いてほしいと考え、3年前からはリーダー育成プログラムも実施しています。目の前の自分の業務だけでなく、下の世代も育てていける人材を育てたいと考えたからです。クリニックのスタッフと一緒にクレドを作成し、個人で目標を立ててもらい、それをどのように達成していくかを考えてもらっています。クリニックのスタッフが主体的に働けるように働きやすい環境を考えることが僕の役割です。スタッフが心地良く働けることは、丁寧な接遇にもつながると考え、スタッフの産休・育休制度も整えました。復帰後も気兼ねなく働いてもらえるよう、近隣の保育園とも提携しています。親が楽しく生き生きと働いていれば、子どももうれしいですよね。そういう環境なら、クリニックの皆も幸せだし、患者さんも幸せだと思います。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

松田剛院長 まつだ内科6

クリニックへの満足感と安心感を持ってもらうために、訪問診療の枠を少しずつ広げていきたいと思っています。当院では、医師もスタッフも、会話のキャッチボールを大事にしながら、患者さんの考え方や思いを感じ、診療に生かせるように努力しています。日常生活で気になることがあれば、些細なことでもいいので話していただきたいです。「こんなことで医療機関にかかってもいいのかな」と思うお悩みでも大丈夫です。どの診療科に行っていいのかわからないケースもたくさんあると思うので、まず入り口として当院を活用していただければ幸いです。それが地域のかかりつけ医の仕事です。症状をお伺いした上で、症状に合った医療機関を紹介します。

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