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辻川 睦 院長の独自取材記事

森山眼科

(大阪市福島区/野田駅)

最終更新日:2022/11/15

辻川睦院長 森山眼科 main

大阪市福島区にある「森山眼科医院」は、1931年の開院以来、地域に密着した診療を行うクリニックだ。開院した先々代、そして森山穂積前院長と、長きにわたって地域医療に身を捧げた二人からバトンを受け取ったのは辻川睦先生。先々代院長の孫、先代の娘である女性医師だ。「ここまでずっと続いてきたクリニックですから、私に代わったことで地域の皆さんががっかりしないようにと思っています」とほほ笑む辻川院長だが、病を抱える患者をまっすぐに見つめ、優しく対応するその姿はすでに街のかかりつけ医そのもの。今回は、そんな辻川院長にクリニックの特徴や診療への心がけなど、詳しく話を聞かせてもらった。

(取材日2022年6月30日)

歴史あるクリニックを継承し、地域に安心を届ける

長く地元で親しまれているクリニックだそうですね。

辻川睦院長 森山眼科1

私の祖父が開院し、おかげさまで91年がたちました。開院当初はここから少し離れたところでしたが、2014年にリニューアルして院内をバリアフリー化いたしました。そして今年、前院長である父より継承し、今後は私が院長としてこのクリニックを守っていくことになります。プレッシャーを感じるようなことはありませんが、ここまで大切につながれてきたバトンですので、良いところは引き継ぎながら、私らしくやっていきたいなと。時代もどんどん変化していますので、地域の皆さんの要望に合わせてもっと安心していただけるような診療をしていけたらと思っています。

クリニックの特徴を教えてください。

当院は眼科ですので、目に関する疾患全般の診療を行っております。父が学校医をしている関係で、小さなお子さんもたくさん来てくれますし、高齢の方まで年齢問わずに足を運んでくださっています。大きな病院ではありませんが、急性の疾患から慢性の疾患までどんな相談でも受けつけていますので、どんな相談でも気軽にしてくださるとうれしいです。万が一、入院や精密な検査、手術が必要な場合にはJOCHO大阪病院、日本生命病院などの病院を、適切なタイミングで紹介しています。その他、持病をお持ちの場合には患者さんのかかりつけ医とも適宜連携して治療を進めてまいります。初診の際にはこれまでの検査データやお薬手帳などをお持ちくだされば、より安心して目に関する診療ができるのではないかと思いますので、ぜひ忘れずにお持ちくださいね。

診療で大切にしていることはありますか?

辻川睦院長 森山眼科2

まずは患者さんのお話をよく聞くことですね。そして、父もそうであったように「病気ではなく人を診る」ことです。眼科ですから「目の病気」を丁寧に見ることはもちろんですが、「目」だけを診ていたのでは「治らない」「再発する」ということにもなりかねません。それはなぜかと言うと、目は独立しているものではなく、患者さんの体の一部だからです。まずは「体のどこかに原因があるから、今は目に症状が出ている」という視点で、患者さんのことをよく観察し、お話に耳を傾ける。そうすることで病気の根本を見つけ出し、アプローチしていくことが大切だと思っています。実際に、目の状態から隠された全身疾患を見つけ出すことができることも少なくないんですよ。

医療だけでなく、人のつながりや思いの部分を大切に

セカンドオピニオン、サードオピニオンとして受診される方も多いそうですね。

辻川睦院長 森山眼科3

セカンドオピニオンの外来を行っているわけではないので少し意味合いは違いますが、検査機器は一通りそろえておりますので、糖尿病や高血圧などの内科疾患に伴う目の合併症を診ることもできます。他の医院に通っていても、不安に感じている方が安心して帰っていただけるよう問診はしっかりと、わかりやすく丁寧な病状説明を心がけています。時には、患者ご本人ではなく、ご家族の方が相談にみえることもあります。もちろん、患者さんご本人を診せていただくことが一番ではありますが、高齢の場合などすぐには動けない場合もありますよね。ですから、まずはご家族とお話しするのでもいいと思っています。患者さんだけでなくその周囲の人たちも病状を理解することで安心できますから、そういったことを手助けするのも医者の仕事だと思っています。

クリニックの持つ温かさを感じる言葉ですね。

医師である以上、すべての病気を治すつもりで診療をしていますが、残念ながらすべての病気が治るかというとそうではありません。そんな時、医師にできることはなんだろうと考えると、患者さんや一緒に暮らすご家族に寄り添うことしかありません。特に人間は視力に頼って生活をしていますので、目が見えないことは大きな困難になります。「自分が見えなかったら、見えなくなっていくとしたら、どう感じるだろう?」と考えてみたら、患者さんが心配になる気持ちがよくわかります。ですから、まずはそんな患者さんの心に、とことんまで寄り添うことも私たちの責任です。また同時に、一緒に暮らす家族の不安に寄り添い、実際に患者さんがどんなふうに困っているかを伝えることも私たちの仕事だと思っています。

家族も医師と直接お話しできれば、不安が少なくなると思います。

辻川睦院長 森山眼科4

誰もが一人で生きているわけではありませんので、多くの人が共通の認識を持つだけでも救われることってたくさんあるんですよ。それは例えばお一人で暮らしている方でも同じで、今より快適に暮らせるようにさまざまな福祉制度がある。しかし、病気になった時に自分で制度を探して申請するのは大変です。であれば、適切な機関へつながるようにアドバイスをしていく。今は専門性も高くなってきており、高度な医療を提供できるようになりましたが、医療だけでは人は生きていけません。医療だけでなく、人のつながりや思いの部分も大切に診療していくことが大切で、そういった部分がこのクリニックを今日までつないできたと思っていますので、これからもそういった部分は変えずに大切にしていくつもりです。

「目だけでなく人を診ていく」クリニックをめざして

漢方薬の処方もされていると伺いました。

辻川睦院長 森山眼科5

そうなんです。漢方薬は「目だけではなく人を診ていく」を実践するにあたり、いろいろと学んでいく中で得た一つの方法です。患者さんとお話をしていると「病気とまでは言えないけれど、なんとなく調子が悪い」という症状に悩まされている人が多く、それらを改善するにはどうしたらいいかと考えていました。そんな時に出会ったのが漢方で、漢方や東洋医学の考え方を学んでいくにつれて「自分の考え方と合っているな」と感じ、魅了されました。そこで東洋医学や漢方への勉強を続け、日本東洋医学会漢方専門医の資格も取りました。今後も希望される方には処方して治療に役立てていきたいと思っています。

先生は小さな頃から医師をめざしていたのですか?

わが家は祖父、父、母と全員が眼科医という家庭でしたので、医師という仕事は非常に身近なものでした。ただ「医師になりなさい」と言われたことは一度もないので、「医師にならなくちゃいけない」といったプレッシャーを感じたことはありませんね。ただ、幼い頃は母と過ごすことが多く、母が働いている姿を間近で見ていたので子ども心に感じることはあったかもしれません。ですから、自分としてはごくごく自然に「医師になろう」と思ったタイミングがあり、幸いにして医師になれたという感じです。また、医師になって専門を選ぶ段階でも、気がつけば「眼科が一番面白い」と感じて眼科を選びましたので、ここまでは本当に自然な道のりを自分なりに歩いてきた感じなんですよ。

それでは最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

辻川睦院長 森山眼科6

新型コロナウイルス感染症の流行やSNSの発展もあり、人と人の距離が少し遠くなったような時代ですが、当院はその逆かもしれません。当院がめざしているのは人に寄り添い、温かさを感じる場所と診療を提供すること。「そんなの古い」と言われるかもしれませんが、医療の根本はいつになっても変わらず、そこにあるのではないかと思っています。ですから、今後も足を運んでくださった皆さんとたくさんお話をして、皆さんの不安を解消するお手伝いをしていけたらと思っています。どんな小さな症状でも大丈夫ですので、なんでも気軽に聞かせてくださいね。皆さんのご来院を、これからも変わらずお待ちしています。

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