全国のドクター9,336人の想いを取材
クリニック・病院 158,523件の情報を掲載(2024年5月21日現在)

  1. TOP
  2. 三重県
  3. 四日市市
  4. 南日永駅
  5. 医療法人社団 三原クリニック
  6. 三原 貴照 院長

三原 貴照 院長の独自取材記事

三原クリニック

(四日市市/南日永駅)

最終更新日:2021/10/12

三原貴照院長 三原クリニック main

内部線南日永駅から徒歩5分ほどの幹線道路沿いにある「三原クリニック」。約30台分の駐車場があり車でのアクセスも便利だ。院長の三原貴照先生が先代の父から継承し、2013年に大規模改修してリニューアルオープン。ホテルのようなリラックスできそうな環境と機能性を兼ね備え、患者が快適に過ごせるようにとの三原院長の工夫が随所に生かされた空間になっている。穏やかで優しい語り口の三原院長は脳神経内科を専門とし、長く大学病院に勤務した経験豊富なドクター。「地域医療に貢献するとともに、専門性を生かして多くの患者さんの人生に寄り添いたい」との想いで日々の診療に励む三原院長に、リニューアルオープンにまつわる話や脳神経内科を専門に選んだ理由、地域との関わりなど語ってもらった。

(取材日2019年5月13日)

専門性と親しみやすさのクリニック

リニューアルオープンにまつわる話や患者層などについてお聞かせください。

三原貴照院長 三原クリニック1

当クリニックの前身は、父が1980年に開業した小児科の医院です。2013年に私が院長に就任するに際し、大規模な改築をして、私の専門である脳神経内科と父の専門である小児科を主としたクリニックとしてリニューアルオープンしました。改築する際のイメージは、ホテルのような雰囲気を持ちながら機能的でもあるクリニックです。そのために1年ほどアイデアを練りました。もともとバリアフリーだったのですが、床の素材を変えたり、待合室の椅子や設備を工夫して患者さんがより快適に過ごせるような環境をめざしました。脳神経内科では高齢の患者さんが多いため、立ち上がる際に前の椅子につかまっても倒れないよう、重さのある椅子を使用しています。患者さんの層は、父が担当する小児科は0歳、私が担当する神経内科は100歳の患者さんがいますので、当院は0歳から100歳までの患者さんに県の内外からお越しいただいています。

リニューアルして院長に就任する際、医療設備面などで変えた部分などありますか?

電子カルテを取り入れ、画像の電子処理を行うようにしました。また神経の病気ではMRIから得られる情報が多いため、当院にもMRIを導入しています。足腰が悪かったり、歩行が困難だったりして病院で長く待つことが難しい方は、いくつもの医療機関に行って検査をするのは簡単ではありません。ですから、当院では検査もでき、診察もでき、その後の経過観察まで、一つのクリニックで対応できる、かかりつけの役割を担っていきたいと思っています。地域のクリニックだからこそ、患者さんが手間や時間をかけずに気軽に来院できる「専門性と親しみやすさ」をもつクリニックをめざしています。またスムーズな病診連携の体制も必要です。こちらで勤務する前に勤務していた市立四日市病院で現在も週1回の診察をしています。

診療面で変わったことなどありましたらお聞かせください。

三原貴照院長 三原クリニック2

診療では、これまで以上に患者さんやご家族からの話をお聞きするようになりました。脳神経内科では長いつき合いになりますので、患者さんから話を聞き出しながら、患者さんの心配を解消するような問診術が大切になります。今では看護師もずいぶん学んで話を聞くのが得意になりました。一人ひとり、一つ一つ聞き出すことがとても大事ですから、その部分は丁寧にしなければいけません。患者さんによっては医師には聞けないこと、言いづらいことがありますので、そこは看護師と連携して情報共有をしながら進めていっています。

地域との連携を充実させ、より良い医療を提供したい

医師を志したきっかけ、脳神経内科に進んだ理由などお聞かせください。

三原貴照院長 三原クリニック3

医師を志すようになった大きなきっかけなどは特になく、周りからのプレッシャーも感じていませんでしたが、自然に医師の道に進みました。父の仕事を見て潜在的な憧れのようなものはあったのでしょう。今になってみると、この仕事は天職だと思います。脳神経内科を選んだのは、研修医のときにパーキンソン病の患者さんを担当したことがきっかけです。脳神経内科は病気そのものだけでなく、患者さんの人生、ご家族にも深く関わり、長いおつき合いをします。これを興味深く感じ、やりがいも感じました。また、パーキンソン病というまれな病気だけではなく、頭痛やめまい、認知症など、よくある病気に対して高いレベルの専門性が発揮できるのも魅力でした。

お父さまは、小児科の医師になってほしいという想いがあったのではないですか?

ありましたね。でも、私が脳神経内科をやると話すと理解を示してくれ、「一緒にやろう」と、後はとんとん拍子に進みました。意外に小児科と脳神経内科は相性が良く、人間の成長する部分と衰える部分の両方を感じることができます。また、家族、あるいはいろいろな支援者と関わりながらやっていくというという点では、非常に似ている所があり、共通する感覚がありました。これは実際に父と一緒に診療を始めてからの発見でした。

勤務医と開業医で何か違いがありましたか?

三原貴照院長 三原クリニック4

開業医になってからは、患者さんにより身近に感じてもらえるよう意識するようになりました。また診療所ならではの地域とのつながりもより強く意識するようになりました。地域に飛び込むという意識で、いわゆる町づくりに参画するような気持ちでやっています。勤務医のときとはまったく違うのですが、これがなかなか面白いのです。また、当院は連携型認知症疾患医療センターであり、ここ三泗地域で認知症治療に対応する中心的な役割を担っています。各所との連携はこれからますます必要とされると思いますので、医療機関だけではなく地域の福祉機関等とも連携を強化していきたいと考えています。その一環として、院内に地域連携室を設け、社会福祉士が常駐しています。これからは地域にとってさらに価値あるクリニックとなるため、専門性という核を持ちながらもハブとなり、いろいろな人とつながることができる部分を大事にしていきたいと思っています。

地域の人々が広く活用できるクリニックでありたい

患者さんと向き合う際に、心がけていることなどありますか?

三原貴照院長 三原クリニック5

まず患者さんの話をきちんと聞くことを心がけています。また、患者さんが痛いと感じる場所や心配な所をちゃんと診察をして手先から足先まで診る。これを一番大事にしています。検査をたくさんするのではなく、話をきちんと聞いて、触診を含め十分に診察した上で必要な検査を最小限行うというスタンスでやっています。これは大学病院にいたときに叩き込まれたことで自然なかたちではあるのですが、こちらで診療を始めて改めて大事だと思いました。また、比較的若い女性の頭痛に関するご相談も多いのですが、10~20年頭痛を持っていて1度も病院に行ったことがなく、痛み止めを買って飲んでいるという方もいらっしゃいます。当院では頭痛に関して、お一人お一人の生活に合わせたアドバイスや治療の提案をしています。

今後の展望をお聞かせください。

当院をリニューアルオープンしたときに、3つの病気を柱にすることを決めました。それは、認知症と神経難病と脳卒中です。それぞれ、発症する前の予防などのフォローから、初期診断、治療、そして看取りまでを包括的に対応していきたいと考えています。現在、認知症は目途がたったところで、次は脳卒中について体制を整えていきます。脳卒中については、高齢の方だけでなく、若い方でも突然なる方がいらっしゃいます。急に歩けなくなったり、寝たきりになるなど、生活に影響しますので介護者も大変です。これに対する支援が不十分な場合が多く見られますので、支援も一緒に考えながら、寄り添っていきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

三原貴照院長 三原クリニック6

0歳から100歳まで幅広い世代の診察から、その後の社会的なサポートも含めて携わっていますので、いろいろな方に広く活用してもらえればうれしいですね。医療機関にかかるにはさまざまな不安があったり、敷居が高く感じられるかもしれませんが、何か重要な病気があるのではないかとずっと心配しているのではなく、思い切って受診してそこを解消するだけでも価値があるのではないかと思います。

Access