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貝沼 圭吾 院長の独自取材記事

貝沼内科小児科

(四日市市/泊駅)

最終更新日:2021/10/12

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科 main

内部線・泊駅から徒歩7分ほど、三重県立総合医療センターのすぐそばにあるのが「貝沼内科小児科」だ。1985年に貝沼悟理事長が開業し、長年にわたり、地域に根差した医療を提供し続けてきた。2020年に長男の貝沼圭吾先生が2代目院長として同院を継承し、2021年4月には新しい建物への移転リニューアルを控えている。敷地内の新しい医院は、木目を生かしたナチュラルな雰囲気。貝沼院長は、これまで1型糖尿病やさまざまなアレルギー疾患を有する患者を多く診てきた経験とSDGsの概念に共感し、2階には病児保育室や実践的な栄養指導を行える調理室を併設している。「なんでも相談できる“街の健康相談所”でありたい」と終始笑顔で語る貝沼院長に、新しい医院の特徴や今後の展望などを幅広く聞いた。

(取材日2021年3月22日)

子どもから高齢者まで集う、心温まる医院に

医師をめざされたきっかけをお聞かせください。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科1

私はずっとハンドボールをしていて、高校3年生まで体育教師になりたいと思っていました。しかしその当時、やんちゃだった私を育ててくれた恩師に体育教師になりたいと相談したところ、「それは違うのではないか、医師になるべきだ」と諭されました(笑)。その後、医師をめざし、学生実習の際に白血病にかかっていた男児の「僕、頑張るんだ」という一言に心を動かされ、病気とともに人生を歩む人たちのために頑張ろうと思いました。アレルギーがあれば食べるのをやめなさいと言われ、心臓に病気があればこれはしてはいけないと言われることが多いのですが、私はそうではなくて、「ここまでならできるよ」というように、たとえ、病気を有していてもその方の生活の質を上げるにはどうしたらいいのかを考えてきました。

新しい建物に移転されたそうですが、こだわりポイントはどのあたりでしょうか。

隣の建物は1985年の開業当時のままなので、診察室の上に空間があり会話が廊下に筒抜けになってしまうなどプライバシーに配慮した空間という感じではありませんでした。なので、機能的な面を考慮し、新しい建物へ移転することにしたんです。こちらの新しい建物では、感染症の疑いがある方とそうでない方の入り口を別に設け、院内でも極力接触せずに済むような設計になっています。2階には、病児保育室と実践的な栄養指導が行える調理室を設けています。また、建物のコンセプトとしては、“お子さまから高齢の方、まで集える場所”をイメージしています。庭にはお子さまが落書きして遊べる黒板があり、待合室の高齢の方には日向ぼっこしながらそこで遊んでいるお子さまたちを見てもらう……そんな施設になれば良いなという思いを込めて造りました。

先生はNPO法人や社会貢献活動もされているそうですね。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科2

2019年までの2年間、厚生労働省でアレルギーや糖尿病の疾患対策に従事し、疾患とともに生きる人の生活をどうすればより良くできるかということを取り組む機会を得ることができました。その経験を通じて、今後も医療を通じた社会貢献ができるようになればと、それまで以上に強い思いをもつようになりました。例えば、1型糖尿病を有する子どもがさまざまなことにチャレンジする糖尿病キャンプや、海外での研究留学者の家族を支援するNPO法人、日本ハンドボール協会では医事委員として、ユース世代の帯同ドクターやジュニア世代へのドーピング防止活動など、自分自身が医療者として少しでも役に立てるのであればと考えています。

なんでも相談できる“街の健康相談所”をめざす

医院のコンセプトを教えてください。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科3

なんでも相談できる“街の健康相談所”です。私はこれまで勤務医時代から、さまざまな病気と生きる人々を支えてきました。すべての病気を治すことはできなくても、病気とうまく付き合うことはできます。そのためには、単に患者さまを診るだけでなく、患者さまに寄り添い、看護師による療養指導や管理栄養士による実践的な栄養指導など多方面からその方の生活をサポートすることが必要です。私どもは地域の皆さまにとってなんでも話せる相談相手になり、単に病気を治すというだけでなく、今よりもっと充実した生活ができるように支えていきたいと考えています。

医院の強みというと何になりますか?

それはもう“人”だと思います。経験豊かなスタッフが当院の強みですね。当院のスタッフは、20年以上勤めている方も多く、私よりずっと患者さまのことを知っています。私自身が小学生の頃から働いていただいているスタッフや、私が大学生だった時にアルバイトしていた同世代の方が残っていてくれているなど、皆さん本当に長く当院に力を貸してくださっています。なので、生活指導とか何か患者さまに伝えるときも、私より看護師さんたちから言ってもらったほうが良いこともたくさんあります。そういった面でもスタッフには感謝感謝です。これから移転して医院の規模が大きくなると新しいスタッフも増えるので、これまでの力に新しい専門性を持った仲間が加わり、これからますますチームとして強くなれると信じています。

患者と接する際に大切にされていることは何でしょうか。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科4

とにかく“笑顔”ですね。やはり、病院に来る人は何らかの不安を抱えてこられます。ですので、やはり笑顔がないとどんどん不安になる方も少なくありません。患者さまの不安を和らげ、少しでも元気になってもらえるように笑顔で接するようにしています。あとは、患者さまの話を深堀りすることです。例えば、「どうしてこの薬が効かないのだろう」と相談されたときは、その患者さまの生活スタイルや性格なども考え、薬が正しいタイミングで服用できているかも含め確認します。なので、患者さまのお仕事が夜勤か日勤かどうかなど生活スタイルを必ず把握し、薬の服用指導を行うように心がけています。

病児保育室や実践的な栄養指導を行える調理室を併設

病児保育室について教えてください。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科5

SDGsに示されている、「5.ジェンダー平等を実現しよう」、「11.住み続けられる街づくりを」といった項目に共感し、四日市市が熱心に進めていた病児保育事業を行わせていただくことになりました。四日市市内では4施設目となります。急な病気などで普段通っている園などをお休みすることになったお子さまがリラックスでき、保護者さまが安心してお仕事に向かえるようにサポートしていきたいと考えています。提供する食事もアレルギーにも精通した管理栄養士によって準備しますので、こうした点も安心いただけるのではないでしょうか。

今後の展望はどのようにお考えでしょうか。

これまで父が診てきた患者さまを大切に診療していくこと、新しい患者さまに私というキャラクターを知ってもらうこと、この地域に病児保育室を根づかせ、働く保護者の方を支えること、この3つが今後2~3年でやりたいことです。また私は市の登校サポートセンターのスーパーバイザーも務めており、教育と医療の架け橋になれればと考えています。学校のことで悩んでいるお子さまも多いと思いますので、そういったお子さまや保護者の方の役に立ちたいと思っています。さらに、これはまだ先になりそうですが、お子さまからおじいちゃん・おばあちゃんまで集えて楽しめる時間と場所を提供できるようになりたいと準備を進めています。核家族化が進む現代社会において、お子さまと高齢の方が安心して交われる場所が少ないと感じています。世代を超えて、家族を超えて、地域の皆さまが笑顔で集まれるような場所、当院がそのハブのような役割になれたらと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

貝沼圭吾院長 貝沼内科小児科6

この記事を読んで、この貝沼内科小児科を知り、私たちの考えに共感できる方がいたら、どんなことでも相談しに来てほしいと思います。すべての病気を治すことはできませんが、単に病気が治る治らないというだけではなくて、病気とうまく付き合う方法や、生活の質を向上させる方法を一緒に考えていければと思います。たとえ病気と歩むことになっても、「ここまでならできる」、「この方法なら安心して楽しめる」という方法を一緒に実践していきましょう。

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