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津久井 丹 院長の独自取材記事

加藤耳鼻咽喉科医院

(西尾市/西尾駅)

最終更新日:2023/07/13

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院 main

1979年に加藤俊徳前院長が開業し、長く地域医療を支えてきた「加藤耳鼻咽喉科医院」。津久井丹院長は、隣接する加藤眼科医院に勤務する津久井真紀子先生の夫で、気さくで人間味があり親しみやすい笑顔が印象的だ。「気になることがあったら、些細なことでも気軽に相談してほしいですね」と語る津久井院長は、地域患者のニーズに応えるクリニックの在り方を真摯に考え、近隣医療機関とも連携し患者が安心して受診できる環境を整えようと思案している真っ最中だという。そんな津久井院長に、診療方針や患者への思いなど、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2020年2月14日/情報更新日2023年6月20日)

外科での経験を生かし、幅広い観点から患者を支えたい

先生のご経歴を教えてください。

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院1

2004年に近畿大学医学部を卒業してからは、いろいろな病院を回りました。最初は外科を専門としていましたが、11年ほど前に耳鼻咽喉科に専門を変えて、医師としてのキャリアの半分以上は耳鼻咽喉科になりましたね。2018年から当院の診療のお手伝いをするようになりました。妻は眼科医師で、隣の加藤眼科医院で診療にあたっています。妻とは大学で出会いましたが、卒業後は別の病院でそれぞれ勤務して、お互い研鑽してきました。もうかれこれ20年近く一緒にいますね。

外科から耳鼻咽喉科と、幅広い経験を積まれたのですね。

そうですね。外科でも長く診療にあたりましたので、手術を中心に幅広く経験しました。2020年まで勤務していた当院近くにある地元の病院の夜間救急でも、外科的な治療に携わっていました。ただ、基本的には耳鼻咽喉科の臨床に専念しています。耳鼻咽喉科というと鼻や喉を診ますが、喉より下となると、気管と呼ばれる呼吸器の領域と食道や胃、いわゆる消化器という領域に分かれます。私はその2つの部分を診てきていますので、例えば嚥下指導などにその経験が生きると思います。飲み込む力というのは年齢を重ねると弱くなる方が多いので、そういった方に対してあらゆる角度からアドバイスやできることは強みかと思いますね。

嚥下機能のお話がありましたが、地域の患者さんに還元していきたいことはありますか?

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院2

この周辺は若い世代が急増する一方、古くから住んでおられるご高齢の方も多いです。介護老人施設も増えていて、地域としても先ほどお話しした飲み込む力、嚥下の機能が落ちてきている方が比較的多いといえるでしょう。しかし嚥下機能に特化しているクリニックというのは実際のところあまりなく、食べること、飲み込む力の低下で困っている方々のニーズは埋もれがちです。そういった部分に、外科と耳鼻科の双方で得た経験を生かしてアプローチできないかと考えています。当クリニック周辺は在宅医療の需要も多い地域ですが、嚥下機能が低下した方に対する診療や嚥下リハビリテーションのアドバイスを内科の先生がされているケースが多いと聞いています。そういった先生たちと情報共有をして連携しながら、少しでもお手伝いができたらいいなと考えています。

地域に潜むニーズにも向き合い、患者に寄り添う

先生の診療に対する熱い思いを感じます。そのような思いに至ったきっかけはありますか?

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院3

以前勤務していた総合病院では、例えば生後間もない赤ちゃんが心臓手術後に喉の機能が悪くなり、声を出す力が弱いので診てほしいという依頼や、神経疾患で嚥下機能が弱くなり、食べ物が通らない高齢患者さんを診てほしいなどの依頼がとても多かったです。他科の先生から、新生児から90歳を超えるご高齢の方まで幅広い年齢層の患者さんの喉を診てほしいと依頼があり、困っている患者さんが多いと実感しました。泣き声が大きい、口から食事が取れるというのは元気のバロメーターです。総合病院では、多くの科と連携しながら診るため、耳鼻咽喉科もさまざまな患者さんと関わりました。その経験を少しでも当院での診療に生かせたら、という思いはあります。

患者層を教えてください。

お子さんが多く、半数くらいでしょうか。お子さんの付き添いでいらっしゃる親御さんもいらっしゃいます。あと、この地域はある大企業関連の工場が多く、働き盛りの若い方や外国の方も多数受診されます。ご高齢の患者さんも多いですね。今まで診てきた患者さんの年齢層と少し違ってくるので、来院くださるお子さんやお母さんのニーズに早く応えられるようになりたいですね。また当クリニックは、長年難聴で困っていて補聴器の購入を考えている患者さんからの、補聴器の適合判定相談も以前からお受けしております。聴覚障害の身体障害認定に関する相談や精密検査もお受けしており、専門の言語聴覚士が週に1度来ています。対応しているクリニックは周辺に多くないと思うので、気軽に相談していただきたいですね。

地域のニーズに、かかりつけ医として応えていらっしゃるのですね。

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院4

そうですね、幅広く対応しています。中でも特徴的なのが禁煙治療をしている点です。禁煙治療というと内科や呼吸器科のイメージがあるでしょうが、耳鼻咽喉科である当クリニックでも対応しています。禁煙したいと思ったらいつでも来ていただけたらと思いますね。他にも、スギ花粉症やダニアレルギーの根治をめざす療法の一つである舌下免疫療法も提供しています。受験や就職などの面接を控えている10~20代の方の場合、大事な時期に鼻がぐちゅぐちゅとしていると集中力が奪われかねないですので、特にそういった方には、根治をめざして行う舌下免疫療法は適しているのではないかと考えています。副作用も比較的少ないので、大人だけでなくお子さんもお困りでしたら相談していただけたらなと思いますね。

地域と連携し、安心して通える耳鼻咽喉科をめざして

診療の際に心がけていることはありますか?

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院5

例えばお子さんが中耳炎になったとき、お母さんとしてはお子さんの耳がどういう状態なのか知りたいと思いますよね。当クリニックでは耳の鼓膜の写真をすべてファイリングし、どんな状態であっても画像に撮って残しているんです。言葉だけではわかりづらいことも、例えば左右の耳の画像を比較して説明すると納得できますよね。また、画像をお見せするだけではなく、患者さんとのコミュニケーションも大切にしたいです。お子さんにもわかりやすい言葉を使って、大丈夫だよと声をかけながら笑顔でいることも心がけています。診察室の椅子に取りつけてあるキャラクターのアームカバーはスタッフが作ったんですが、これは加藤前院長のアイデアです。お子さんが飽きないような院内の工夫も、引き継いでいきたいですね。

今後に向けて、大切にしていきたいことも教えてください。

高次の医療機関に紹介できる環境も大切にしたいですね。例えば、近くの総合病院で受け入れが困難な場合、他の総合病院にお願いする必要性が出てきます。そういった場合もすぐに患者さんを紹介できるよう、普段から地域の大きな病院の先生や内科の先生、近隣の少し規模の大きな耳鼻咽喉科医院の先生といった方たちに、こちらから積極的に情報交換や共有をしていきたいです。医療者同士互いに面識があるというのは、患者さんにとっての安心にもつながると思いますから。逆に近隣の病院からも、信頼できるかかりつけ医として紹介していただけるようにしていきたいです。

読者へメッセージをお願いします。

津久井丹院長 加藤耳鼻咽喉科医院6

今後も安心して通えるクリニックであり続けたいです。当クリニックはお子さんの患者さんが多いのですが、お母さんも安心できるクリニックでありたいです。例えば喉が痛い、鼻が変に臭う、頭痛などの風邪症状は、内科よりも耳鼻科ですと鼻や喉をよりしっかりと診られます。夕方も診察していますので、お仕事で日中に受診できないお忙しいお母さんはもちろん、親御さんのご都合で連れてこられないお子さん、最近耳が遠くなった同居の祖父母さんも一緒に連れて行こう、といったこともあっても良いと思います。耳鼻咽喉科の専門領域に加えて、ホームドクターとしての視点や救急医療にも携わってきた経験を生かしていきたいです。地域の皆さんにも、ちょっとこんな症状が気になるから話しに行こうかな、くらいの気軽な気持ちで遠慮せずに来ていただけたらと思っています。

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