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気管支炎や喘息、肺炎の可能性も
長引く咳は受診し検査を受けよう

山川内科

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2022/07/28

山川内科 気管支炎や喘息、肺炎の可能性も 長引く咳は受診し検査を受けよう 山川内科 気管支炎や喘息、肺炎の可能性も 長引く咳は受診し検査を受けよう
  • 保険診療

風邪をひいた時以外でも、朝晩のちょっとした温度の変化を感じた時や姿勢を変えた時に咳が出るという経験は大抵の人にあるのではないだろうか。喉への何らかの刺激が咳のきっかけになることは多いが、一方で、咳が数週間も長引くような場合は別の原因が考えられるかもしれない。喘息や肺炎、肺がんなどの病気が隠れていることもあるが、「まずはエックス線撮影で肺を観察し、重篤な病気でないかどうかを診断することが先決です」と話すのは「山川内科」の清水周哉院長だ。同院では肺の機能や気道の状態を調べて正しい診断につなぎ、患者のライフスタイルも考慮した上で治療計画を提案している。身近な咳について、清水院長に詳しく聞いた。

(取材日2022年6月29日)

日常生活や精神的にも影響の大きい長引く咳。専門的な検査を行い、治療で改善をめざす

Q長引く咳は病気の可能性がありますか?
A
山川内科 さまざまな原因が考えられる長引く咳

▲さまざまな原因が考えられる長引く咳

咳の原因としては、朝や晩の寒冷刺激や、黄砂、タバコの煙、ちりやほこりなど何らかの物質がアレルゲンとなるなど、きっかけはたくさんあります。風邪や運動、精神的な不安、ストレスで引き起こされることも。咳が長引く場合には、結核や間質性肺炎などの特殊な肺炎、気管支喘息、咳喘息、感染後咳嗽、逆流性食道炎、気胸、肺がん、また肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気が考えられることもありますね。COPDは多くの場合、長年の喫煙習慣が原因で中年以降に発症することが多いです。痰がからんだり動くと息苦しくなったりする症状もあり、病気が進行すると安静にしていても呼吸のしにくさを感じるようになります。

Qどのタイミングで受診すればいいですか?
A
山川内科 対話を重ねながら診療にあたる

▲対話を重ねながら診療にあたる

基準として、咳が続く期間が3週間未満であれば急性咳嗽(きゅうせいがいそう)、8週間未満であれば遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)、8週間以上であれば慢性咳嗽(まんせいがいそう)、つまり「長引く咳」に区分されます。風邪などの感染症であれば3週間以内で、あるいは市販の薬で治まることも見込めますが、それ以上続くとほかの原因があるかもしれませんので受診されることが望ましいですね。3週間を待たずとも1~2週間でも気になるときは早めに受診してください。咳が強く激しい、呼吸がつらく息苦しい、などの症状もあるときはなおさらです。

Qどんな検査を行うのでしょうか。
A
山川内科 院内でも肺機能検査が可能

▲院内でも肺機能検査が可能

間質性肺炎や気管支拡張症、結核、肺がんなどの病気が隠れているかもしれませんので、まずエックス線写真を撮影し、肺の状態を観察します。結果的に咳喘息の患者さんが多いのですが、その場合は気道が過敏になっているのでステロイド薬の吸入を行います。ただステロイドは免疫機能を多少抑制するため、もし結核など感染による病気だった場合かえって悪化する恐れがあります。そのため事前にエックス線写真撮影でそうした病気を除外してから治療することになります。次に、大きく息を吸って吐く肺活量や、「1秒率」といって1秒間にどれだけ一気に息を吐くことができるかといった肺機能検査も行い、症状を詳しく調べていきます。

Q喘息の治療はどのようなものですか?
A
山川内科 図や模型を用い、寄り添った診療を提供している

▲図や模型を用い、寄り添った診療を提供している

喘息の治療は基本的に、気道の炎症を抑えるための吸入ステロイド薬を用います。今は良い薬が増えていて、ステロイドのほかに気管支拡張剤や、気管支収縮を抑えて痰を少なくするといった効果が期待できる抗コリン薬など2つないしは3つの薬剤が合わさっている薬もあり、症状に合わせて選択します。吸入しやすいことも大事で、患者さんのライフスタイルを伺い、相談して決めていきます。当院では高齢の方には、カプセルをセットしたり吸い込みのタイミングにこつが必要だったりするものはできるだけ避けて、機器を開けて吸うだけの簡単な操作のものをお勧めしています。そうすれば負担も少なく、きちんと吸入を継続していただけると思います。

Q咳を放置するとどのようなリスクがありますか?
A
山川内科 放置せず、一度相談してほしいと話す清水院長

▲放置せず、一度相談してほしいと話す清水院長

咳が続くとご本人が苦しいですし、重症の喘息になると呼吸ができなくなってしまい、最悪の場合は死に至ることもあり得ます。炎症を鎮めて落ち着いた状態を保つことが大切なのです。お渡しした薬でコントロールが難しい場合は薬の量や種類を替えたり、点滴をしたりするなどの処置もあります。点滴は生理食塩水にステロイドや気管支拡張剤を加えたものを使用します。治療は継続が肝心ですので月に1度程度の通院が望ましいのですが、症状が治まると中断してしまう方もおられます。しかし咳が出て苦しくなるとまた来られるので、そういう繰り返しの中で、次第にご自身で継続の重要性を実感していただけると思います。

ドクターからのメッセージ

清水 周哉院長

長引く咳としてはほかに、風邪をひいた後、ウイルスはなくなったのに咳だけが残る感染後咳嗽という症状も考えられます。咳止めや吸入薬で様子を見ているうちに結果的にそうとわかる場合もあります。また、高齢の方では心不全が原因というケースもありますので、当院では胸部エックス線写真や超音波検査などで心臓も観察しています。咳が続くと、仕事や勉強に集中できなかったり周りが気になったりと社会生活においてもつらいものですよね。気持ちの上でも不安や心配が大きくうつ状態や睡眠不足になることが心配です。肺がんや結核など病気による咳も隠れている場合があるので、一人で悩むよりは受診し検査を受けるようにしましょう。

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