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症状やライフスタイルに合わせて治療する
腰部脊柱管狭窄症

大曽根外科・整形外科

(名古屋市北区/平安通駅)

最終更新日:2023/04/18

大曽根外科・整形外科 症状やライフスタイルに合わせて治療する 腰部脊柱管狭窄症 大曽根外科・整形外科 症状やライフスタイルに合わせて治療する 腰部脊柱管狭窄症
  • 保険診療

足のしびれや痛みなどで歩き続けることが困難になる「腰部脊柱管狭窄症」。主な原因は加齢による骨の変形で、50代以上の人に多く見られる。鎮痛剤の服用や、患部の神経に麻酔を打つブロック注射などで痛みにアプローチすることが多いが、治療をしても特に変化がなく日常の動きすらつらいというケースもある。重い痛みやしびれが続くと行動範囲が狭まり、生活の質とともに筋力も低下してしまう。したがって動けなくなる前に、手術に踏み切ったほうがよい場合もある。ただし、手術をするのならできるだけ身体に負担のかからない方法を選びたいもの。そこで、日本整形外科学会整形外科専門医で約30年にわたり、この病気の治療にあたってきた「大曽根外科・整形外科」の志津直行院長に、病気の原因や症状、治療法について聞いた。

(取材日2022年6月15日)

検査に基づきライフスタイルに合わせて投薬治療や手術を選択

Q腰部脊柱管狭窄症にはどのような症状が出ますか?
A
大曽根外科・整形外科 検査結果は視覚的にもわかりやすい説明を心がけている

▲検査結果は視覚的にもわかりやすい説明を心がけている

加齢に伴う背骨の変形が主な原因ですので、50代以降で症状を訴える人が増加します。重いものを日常的に扱う肉体労働者などは40代で発症するケースもあります。症状はお尻、太ももから脚の裏側にかけてしびれやだるさなどを感じることが多いです。症状が片脚だけの人もいれば、両脚に出る人も。腰痛などの症状を訴える患者さんは少なく、安静にしている時にはほとんど痛みはありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、痛みが出ます。一方で、前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。また、間欠性跛行(はこう)といって、歩き続けてつらくなっても、しばらく休むと歩けるようになる特徴もあります。

Q原因について教えてください。
A
大曽根外科・整形外科 模型なども用いながら症状や原因を伝えている

▲模型なども用いながら症状や原因を伝えている

加齢や労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されることで生じます。脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなることにより、神経が圧迫され、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。背筋を伸ばして立っていたり歩いたりして痛みが出るのは、背骨を後ろに反らすと脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されるからです。反対に前かがみの姿勢を取ると楽になるのは、脊柱管が広がり、神経への圧迫が緩くなるからです。

Qどのような検査を行いますか?
A
大曽根外科・整形外科 正しい診断をつけるための各種検査機器も完備

▲正しい診断をつけるための各種検査機器も完備

まずは生活習慣病や喫煙習慣の有無、肥満かどうかなどの確認を含め、診察・検査を行います。脚のしびれがあるからといって腰部脊柱管狭窄症による神経トラブルとは限らず、似たような症状が出る閉塞性動脈硬化症による脚の血流障害の可能性や、その両方に起因するケースも考えられます。閉塞性動脈硬化症は心筋梗塞や脳梗塞など重篤な疾患のリスクがありますので、精密に検査します。エックス線撮影、MRI・CT検査、脊髄造影、足の末梢血流測定などの検査と問診結果をもとに総合的に診断しますので、医師には専門的な知識と経験が求められます。MRIによる検査が必要でなければ、来院から検査、診断まで1時間程度で終了します。

Q治療方法について教えてください。
A
大曽根外科・整形外科 2021年には診察室の雰囲気もリニューアル

▲2021年には診察室の雰囲気もリニューアル

手術を必要としない場合は、痛み止めの処方や、血流を良くするための薬の処方・点滴を行い経過観察となります。強い痛みがある際には、神経ブロック注射をすることも。片脚だけに症状がある場合は、経過観察中の処置で済むこともありますが、両脚に症状が出ている場合はあまり変化がないこともあります。一方で、手術は患者さんの希望や痛みへの耐性、ライフスタイルに合わせて実施を決定します。当院では患者さんにとって低負担な、顕微鏡を使った筋肉温存型の手術を実施。連携している藤田医科大学病院で私が執刀することも可能です。入院当日の夜に手術、翌朝から歩行訓練を行い、3日~1週間で退院となります。

Q発症や症状悪化を防ぐ方法はありますか?
A
大曽根外科・整形外科 笑顔で親しみやすい雰囲気の院長

▲笑顔で親しみやすい雰囲気の院長

背骨や椎間板の老化を防ぐのに適しているのは運動です。痛いからといって動かないでいると、骨や椎間板のさらなる劣化につながります。毎日のウオーキングやジョギング、テニスやゴルフなどが良いですね。また、患者さんは痛みが軽減されるからと前かがみの姿勢になっていることがあります。このような時には、前傾姿勢を取る自転車や手押し車、ショッピングカートなどを使って少しずつでも良いので運動しましょう。月に1度のハードな運動や筋力トレーニングなどではなく、継続的な運動習慣を日々に取り入れることが大切です。血流を悪くして新陳代謝を阻害する喫煙は、骨にも悪影響があるので控えるようにしてください。

ドクターからのメッセージ

志津 直行院長

「脚のしびれやだるさ」と一口にいっても、考えられる病気は複数あります。特に似たような症状が出る閉塞性動脈硬化症は心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高く注意が必要です。精密な検査・正確な診断を行うことが重要ですので専門性の高いクリニックでの受診をお勧めします。幸いにも腰部脊柱管狭窄症は手術により回復が期待できる病気。現在の手術は入院期間が3日~1週間と短く、退院後は痛みや不具合の少ない日常生活に戻ることが見込めます。痛みを我慢し続けて動けなくなる前に、一度整形外科で相談してみてください。

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