全国のドクター9,222人の想いを取材
クリニック・病院 158,511件の情報を掲載(2024年5月25日現在)

  1. TOP
  2. 岐阜県
  3. 各務原市
  4. 新那加駅
  5. 永田内科
  6. 永田 正和 院長

永田 正和 院長の独自取材記事

永田内科

(各務原市/新那加駅)

最終更新日:2021/10/12

永田正和院長 永田内科 main

那加駅より南に徒歩2分の場所にある「永田内科」は、1971年の開業以来、地域住民の健康を守ってきたクリニック。幅広い年齢層に向けて親切で丁寧な診療を施してきた父の意志を2006年に永田正和院長が継承した。リフォームを重ねた院内は清潔感があり、どこか懐かしさを感じるような雰囲気でスタッフが笑顔で迎えてくれる。胃と大腸のカメラを用いた検査やピロリ除菌を得意とする永田院長の専門は消化器内科。苦痛に配慮しながら内視鏡検査を提供している。また、生活習慣病や認知症の治療、介護予防や訪問診療などにも力を注ぎ、高齢社会への対応や地域貢献への想いも深い。「家族全員を生涯にわたり支えるかかりつけ医」が理想だと語る永田院長に話を聞いた。

(取材日2019年8月29日)

かかりつけとして信頼を紡いできた歴史あるクリニック

院長に継承された当時の思いをお聞かせください。

永田正和院長 永田内科1

当院は、1971年に先代院長である父が開業しました。父は岐阜大学医学部附属病院に勤めた後、一宮市立木曽川市民病院に赴任をしてから地元に戻りました。患者さんに慕われ、木曽川地区からも患者さんが来てくださるようになって、父は3年前に他界しましたがいまだにお付き合いのある患者さんもいらっしゃいます。私も父と同じ消化器内科で、特に胃カメラ、大腸カメラが専門です。私が院長に就任したのは2006年ですが、その前の大学病院に勤務していた頃から週に数回、胃カメラ検査だけは手伝っていました。最初はやはり父じゃないと嫌だという患者さんも結構いらっしゃいましたから、徐々に私に慣れていただくための準備期間でした。また当時、3階には入院施設がありました。医療情勢もあり父一人では難しくなったので私が院長になってから1年後に閉め、胃と大腸の内視鏡検査に注力して外来を中心に行っていくという方針を立てました。

どのような症状の患者さんが多く来院されますか?

患者さんはご家族3世代で利用してくださる方が多いです。また、健康診断で血便が出た方、人間ドックやがん検診で内視鏡検査を希望される方に、胃カメラや大腸カメラを用いた検査を実施しています。お子さんの予防接種の要望もあります。また高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病の治療にも力を入れています。加えて、当院には認知症の患者さんが多くいらっしゃいます。認知症は、まさかご自身がなるとは思いませんし、おかしなことを言う、迷子になるなどがなければご家族も気づかないことがあります。ただ、私は1ヵ月に数回お会いしていたりしますので、ピンときて「そろそろ考えたほうがいいよ」「介護保険とった?」と声かけができます。突然大きい病院に行ってCT・MRI検査となると拒否される方もいますから。やんわりと「物忘れがきたね。準備しましょう」と伝えることも私の役割だと思っています。

注力されている胃内視鏡検査では先進の機器を導入されているそうですね。

永田正和院長 永田内科2

最近の胃カメラは、経鼻内視鏡といって口からでなく鼻から入れるほうが嘔吐反射が少なく負担が低いといわれますが、都市部と比べると普及がこの辺りでは少し遅れているようです。当院ではこの経鼻内視鏡を導入し、内視鏡の外径が極力細い物を用いることで患者さんの苦痛を軽減するようにしています。ただ、鼻中隔が狭く通りづらい方には経口が向いていて、その場合は患者さんの同意を得ながら、軽い全身麻酔を用いて慎重に行っていきます。内視鏡検査はカメラで体の内部を映し出して確認することで、がんなど病気を早期発見するために必要不可欠だと考えています。カメラで確認せずに後でがんが見つかることが一番悔しいです。胃がんも大腸がんも発見が早ければ治療に期待もできます。各務原市は検診率が高くありませんので、がん検診の啓発にも取り組んでいきたいです。また、ピロリ菌の除菌、腹部超音波検査、動脈硬化測定も行えるような環境を整えています。

リハビリテーションや在宅医療に力を注ぎ地域貢献を

水曜や土曜の午後からの診察も行っているとお聞きしました。

永田正和院長 永田内科3

当院の特徴として、水曜日と土曜日の午後、夕方6時半まで診療を行っていることがあります。皆さん土曜日の夜までやっているなんて思われないのか、定着するまでに少し時間はかかりましたが、最近インターネットの影響もあり来院される方が増えありがたいと言っていただくことが多くなりました。土曜の夜に診察しているクリニックは市内では多くないようで、他のクリニックに通っていらっしゃるお子さんのご家族から「診てもらえませんか」と依頼されることも少なくありません。こういった取り組みが地域の患者さんに喜んでいただけていて、少しでも貢献できているならうれしいです。

3階で行っているデイケアについてお伺いします。

国の方針により介護保険でリハビリテーションが利用できるようになった10年ほど前に、当院には理学療法士や運動指導者がおりましたので、もともと入院施設だった3階スペースを改装して介護予防通所リハビリテーションの施設にしました。各種運動機器を利用したリハビリやボールを使った運動、また、整形外科の専門の先生と連携を取りながら患者さんをサポートしています。デイサービスとは違い1時間くらいリハビリのためにここにきて運動したいという方が利用されていて、車での送迎サービスも行っています。当院でのデイケアの一番の目的は、自分で歩ける筋肉をつくり、介護予防につなげていくこと。転倒予防にもなりますし、生き生きと元気で長生きするためにとても重要だと思います。

在宅医療では看取りをされることもあるそうですね。

永田正和院長 永田内科4

高齢化社会で在宅医療のニーズが少しずつ増えていて、現在は患者さんのご自宅を中心に訪問診療を行い、入居施設も依頼があれば伺っています。末期のがん患者さんの看取りを行うこともあります。研修医時代、赴任先の病院では専門だけでなく医療全般に関わることで、患者さんと寄り添う医師としての自覚を培いました。大切なのは、手術や入院をどうしたいのかなど、まずはご本人の希望を尊重することだと思います。今はいろいろな情報があふれていますから、自分で収集したり、われわれがお伝えすることで、自由に選択できます。多くの方がご自宅での最期を望まれますが、やはり配偶者やお子さん、お孫さんの協力がいかに大切かということをお伝えしながら、患者さんが望む看取りや緩和ケアができたらと考えます。

親切で丁寧をモットーに家族全員を生涯的にサポート

スタッフはどのような人がいますか?

永田正和院長 永田内科5

スタッフは看護師が4人、事務員が3人、理学療法士1人、運動指導者が1人います。昔から勤務している人が多くて、看護師に至っては昔ここに寮があった時に、学校に通いながら看護師免許を取った人もいるんです。ですから当院はベテランが多くて本当に心強いです。患者さんとも世間話をしたりしてよくコミュニケーションがとれているようです。月1回行うミーティングやリハビリテーションのカンファレンスでは、患者さんの情報を共有したり、改善点を見直しながら士気を高め、当院のモットーである「親切に丁寧な診療」をスタッフみんなでめざしています。

これからの展望を教えてください。

私の理想は、ご家族全員が生涯にわたって頼られるような存在であることです。長い付き合いがあるからこそ気づける病気が多く、家族背景を知っていることは強みでもあります。どんな家族構成なのか、祖父母さんはどういう病気で亡くなったのか、例えば家族の病歴から判断して「お母さんが貧血だったからあなたも検査しておいてね」と言えるのはかかりつけ医だからできること。これからも当院ならではの医療を提供して患者さんをフォローし、看取りまで対応していきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

永田正和院長 永田内科6

地域によって違いますが、女性であれば20代から乳がん検診、40~50代からは胃がんや大腸がんの内視鏡検査が受けることができますから、積極的にがん検診を利用していただきたいです。今は、本やインターネットなど情報があふれていますが、がんなどの病気が怪しいといわれたらどのように怪しいのか、とにかく診断をした医師にとことん聞いてください。また気になることがあれば、他の病院の先生に紹介状を書いてもらうなどセカンドオピニオンも遠慮なくされるといいです。もちろん当院でも相談を受けつけています。とにかくわかりやすい丁寧な説明と患者さんに寄り添う医療を心がけていきます。

Access