循環器と内科の専門家による
動悸の原因究明と適切な対処法
川村医院
(関市/関口駅)
最終更新日:2023/10/02
- 保険診療
心臓の鼓動が普段より大きく感じたり、早く感じたりする動悸。日常生活の中でよく見られる身近な症状の一つであり、無害で一時的なものというイメージを抱いている人は少なくない。しかし動悸は、狭心症や心筋梗塞など、命に関わるさまざまな病気が原因である可能性を含んでいる。そのため、「万が一」を考慮して、早めに医師に相談することが大切だ。また、動悸の原因は必ずしも心臓の病気とは限らないことから、病気を見逃さないためには適切な診療科を受診することも重要となる。そこで内科と循環器内科の専門家である「川村医院」の川村正太郎院長に、動悸の原因や受診すべき診療科について詳しく話を聞いた。
(取材日2023年8月7日)
目次
命に関わるような多様な病気が潜んでいる動悸。専門的かつ総合的な視点での診療が重要
- Q動悸とはどのような症状なのでしょうか?
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A
動悸とは患者さん自身が心臓の動きを感じる症状です。「通常よりも脈が速い」「乱れている」と感じることが多いのですが、中には脈が飛ぶように感じたり、痛みや苦しさの症状の事を訴えたりする人もいます。階段を登ったり急いで歩いたりした時に発症する傾向がありますが、安静時に急に起こることもあります。
- Q動悸の原因となる病気について教えてください。
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A
代表的な原因として不整脈が挙げられます。ただ不整脈には種類があり、心室頻拍や心室細動という突然命に関わるものや、心房細動という将来的に脳梗塞につながるものもあるので注意が必要です。不整脈以外の心臓病であれば、心臓を取り巻く血管・冠動脈に異常が生じて血流が悪くなる狭心症や、冠動脈が詰まり心筋が酸素不足に陥り死に至る心筋梗塞。ポンプ機能が低下し心臓が十分に働けない状態・心不全などの重篤な病気の可能性も考えられます。これらの心臓病は期外収縮という、脈が少し飛ぶ程度の不整脈が初期症状として出ることも。無症状のまま進行するだけでなく、突然発症してそのまま死に至る病気も含まれるので早めに受診しましょう。
- Q他にはどのような病気の可能性があるのでしょうか。
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A
動悸の原因は心臓にあると思われる方が多いですが、心臓とはまったく異なる部位の病気から起こることもあります。女性なら甲状腺機能亢進症などの甲状腺の病気や月経による貧血など、男性なら呼吸器の病気や高血圧などが原因でも動悸は発症するのです。他にも、薬の副作用やストレスが関係することもあります。動悸は心臓以外の部位に原因がある可能性も念頭に置いた上で、医療機関を受診するようにしましょう。
- Q動悸が起きた場合、何科を受診すべきでしょうか。
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A
動悸の原因は心臓に限らないので、広く探るために内科全般を総合的に診てくれる医療機関を受診すると良いでしょう。それから原因に合わせて、より専門的な診療科に行く流れがお勧めです。もし「動悸=心臓が原因」と思い込み、最初に循環器内科を受診してしまうと、心臓の異常が見つからないまま放置されてしまう危険性もありますからね。また、問診の際には患者さんが動悸を疑った理由や実際に感じた自覚症状を、ありのまま医師に伝えていただけると診断の精度向上につながりますので、些細なことでもお話しください。検査は問診の内容や患者さんの状態に合わせて、エックス線検査や超音波検査、血液検査などが行われます。
- Qこちらのクリニックの強みは何でしょうか?
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A
当院の強みは総合的かつ専門性が高いこと。現代の医療は専門性が高まり役割が細分化しています。ですから例えば動悸で循環器内科を受診しても不整脈だけ検査して、同じ循環器内科で担当する狭心症について調べない場合もありえます。病気を見逃さないためには、当院のように多様な専門的視点を持ちあらゆる角度から診療できるクリニックが「入り口」になるのが適切でしょう。私は日本内科学会総合内科専門医と日本循環器学会循環器専門医の資格を持ち、総合病院や救命救急センターで全人的な医療の経験を積んできたので、高質な診療を提供できると自負しています。もちろん、より精密な診療が必要なら高度医療機関へ紹介するのでご安心ください。