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小林 宏彰 院長の独自取材記事

湖北台診療所

(我孫子市/湖北駅)

最終更新日:2024/03/11

小林宏彰院長 湖北台診療所 main

JR成田線湖北駅の南口を東西に走る、四季の道。緩やかカーブをなぞるように西へ歩くと、やがて団地群が見えてくる。昭和40年代に建設が始まった、湖北台団地だ。「湖北台診療所」は、その団地の中にあり、この地で約40年以上にわたり、地域の人々の健康を支えてきた。院長は、小林宏彰先生。2018年4月に事業承継し、3代目院長に就任した。「大学病院に負けない診療所になるのが、当院のコンセプト。できる範囲の診療は、全部ここでできるようになりたい」と話す小林院長に、事業承継した想いや、診療に際して気をつけている点について話を聞いた。

(取材日2024年2月13日)

診療を効率化し幅広い症状に対応する地域の相談窓口に

事業承継をされた経緯についてお聞かせください。

小林宏彰院長 湖北台診療所1

現在、金曜日の診療を担当する和久井真司理事長が、大学時代の先輩で、初めての上司でもありました。そのようなご縁から、2016年頃から、週1〜2日、当院の診療のお手伝いをしていたのです。当時の先代院長は、理事長のお父さまにあたるのですが、高齢になられたのをきっかけに、事業承継の話をいただき、2018年4月に当院の3代目院長に就任いたしました。そもそも私は幼少の頃、小児喘息を患っていた経験があり、そのことが医学の道へ進むきっかけとなりました。専門領域は血管外科ですが、町のお医者さんになりたいという思いも持っており、当院が内科・外科・整形外科・皮膚科・小児科など、さまざまな診療科目へ対応している点も、やりがいがありそうだと感じたことが、承継を決めた理由ですね。

事業承継を機に変えられたことはありますか?

まず、電子化・IT化を中心に、業務の効率化を進めました。例えば、マイナ保険証への対応はもちろん、カルテの電子化。震災など未曽有の災害発生時におけるカルテ紛失へのリスクを考慮すると、やはり、カルテの電子化メリットは大きいと考えました。また、インターネット予約もできるようにしました。インターネット予約は、通常の患者さんとは時間や場所を変え診療する必要があった、発熱や新型コロナウイルス感染症の感染疑いのある患者さんのために求められた対応でもありました。ただ、結果として、効率の良い診療につなげることができましたね。今でも予約なしで来られるおじいちゃん・おばあちゃんはいらっしゃいますが、だんだんと周知徹底していくことで、診療の流れを作りやすくもなりましたね。

では、事業継承をして変えないようにした点もありますか?

小林宏彰院長 湖北台診療所2

設備やシステム面を刷新した一方で、さまざまな症状の相談窓口としての、いわゆる、“町のかかりつけ医”としての役割は、変えないようにしたいと考えています。この辺りにも大きな総合病院が近くにありますが、高齢になったことで通えなくなってしまったという人もたくさんいらっしゃいます。検査が必要な場合や、僕自身の手に負えない症状の場合は、総合病院で診てもらうようにお話ししますが、地域のホームドクターとして、さまざまな症状への相談窓口としての役割を大切にしたいですね。

患者とのコミュニケーションを重視する

診療をする上で気をつけていることはどんなことですか?

小林宏彰院長 湖北台診療所3

やはり、最初はこちらからあまり話さないことですかね。まず、患者さんが何を求めてきたのかということを本人の言葉で話してもらうこと。私たちは、「今、一番何に困っていますか?」くらいの質問に留めて、あとは全部患者さんに話してもらうことを信条としています。特に、電子カルテを導入すると、患者さん自身の言葉よりも電子カルテの入力を重視してしまうのは人間の性だと思いますので、そうなりすぎないよう、留意しています。また、当院入口には血圧計がありますが、患者さん自身で測定してもらって申告してもらうのではなく、僕が診療時にコミュニケーションを取りながら測定するようにしていますよ。

患者さんとのコミュニケーションをそこまで大事にされているのはどうしてですか?

この仕事は、例えば患者さんからご家族の愚痴を言ってもらえるような関係性が理想だと思っています。それぐらい心を開いてくれると、病気のことも話してくれることが多いと思うのです。病気についてなど、患者さんの体調面は話してもらわないとわからないことは結構あるものです。こうした患者さんとの距離感は、大学病院などではなかなか体験できないことなので、今はここでの診療が、うそ偽りなく楽しいです。私は東京の下町育ちで、おじいちゃん・おばあちゃんと親子3代で過ごしてきましたし、近所にはたくさんのおじさん・おばさんがいて、よく話しかけられていましたね。だからこそ、年配の方とのコミュニケーション力を鍛えられてきたのかもしれません。よく、医師になったら、患者さんは自分の親だと思って接するようにと言われるのですが、親には優しいことは言わないけれど、患者さんには優しく接しています(笑)。

話は変わりますが休日はどんな過ごされ方をしていますか?

小林宏彰院長 湖北台診療所4

小学2年生になる子どもがいるのですが、土日は専ら、子どもとヒーローショーに足を運んでいます。私自身はもともと、ミュージカルや舞台演劇が好きで、小学校の頃から、有名なミュージカルを観劇していました。大人になってからは小劇場にも、よく足を運びましたね。子どもが産まれる前は、妻と2人、夫婦で毎月観劇に行くのが趣味でした。結婚して、子どもが産まれ、今はなかなか行けなくなりましたが、その分、ヒーローショーを楽しんでいます。

専門的治療や検査への対応力も高め診療の幅を拡大

皮膚科などの専門性のある診療を増やしていますよね?

小林宏彰院長 湖北台診療所5

木曜日を担当する皮膚科の岩津都希雄先生は、近所でずっと皮膚科のクリニックを運営されていましたが、ご年齢で体力の限界を感じ、一度閉院されたのです。以前はそのクリニックで働いていたという当院のスタッフに、先生は閉院後何をされるのか聞いてもらうと、「元気に趣味を楽しむ」と言っていると聞いたんです。まだまだ働けるのに、これはもったいないと思いましたね。そこで、「休診日の木曜日に、週1日だけでもやりませんか?」とお声がけしたのです。岩津先生も地域に根差した皮膚科の医師だったので、以前のクリニックで診療を受けていた人たちも、引き続き当院で治療を受け続けることができるようになりましたし、私自身も、皮膚科への専門的な診療は木曜日にお任せすることができるようになるなど、診療の幅を広げることができました。

診療だけではなく検査にも力を入れていらっしゃいますね。

超音波診断装置を導入しました。普通診療所では、医師が検査して検査結果を返すのが一般的だと思うのですが、月2回、超音波検査を専門とするスタッフに来てもらって、全身の超音波検査に対応しています。もちろん僕自身、血管外科が専門なので、血管は全身診ることもできますが、そのスタッフが来てくれる時にはお願いするようにして、診療を効率化しています。

今後はどんな診療所にしていきたいですか?

小林宏彰院長 湖北台診療所6

当院は、整形外科の先生にも月に2回、診療に来ていただいていています。今後は、小児科の先生にも来ていただけるようにして、診療所の対応力をさらにあげたいと考えています。幅広い症状の相談窓口としての役割を持つ一方で、専門的な診療にも可能な限り、大規模病院にいかなくても対応できるようにする。網羅性と専門性を両立させるというこの姿勢は、私が就任する前から、先代院長が決められた基本方針で、私もこの考えは踏襲し、この地域のプライマリケアを担いたいと思っています。何か体の不都合を感じた時、気楽に相談しに来てくださいね。

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