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細谷 雄治 院長、細谷 明徳 副院長の独自取材記事

細谷医院

(入間市/元加治駅)

最終更新日:2022/11/04

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院 main

細谷雄治院長と細谷明徳(ほそや・あきのり)副院長は親子で、雄治院長は自身の病気をきっかけに、明徳副院長は父である雄治院長の背中を見て、医師を志した。「最悪の事態を想定する」をモットーにする雄治院長は、災害のときでも医療サービスが提供できるようにと常日頃から考えているという。感染症対策もその一つで、診療所の建物全体を電子フィルターでウイルスを吸着除去し、患者にもスタッフにも安全な空間の提供に努める。患者の声に耳を傾けることはもちろん、スタッフとの協力体制も重要視している同院。埼玉県医師会の理事も務める雄治院長は、現場の声や努力を行政や政治に届け、より良い医療を全国へ広めていきたいとも話す。われわれのインタビューに対して、雄治院長は熱く優しく、明徳副院長は一つ一つ丁寧に答えてくれた。

(取材日2022年9月22日)

親子だからこそ提供できる医療を

医師をめざしたきっかけはありますか。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院1

【雄治院長】学生の頃、筋緊張性頭痛に悩まされていた時期があったんです。いろいろな病院を受診したのですが、原因不明といわれて診断がつかず、適切な治療を受けることができませんでした。東京大学医学部附属病院にかかり、話をじっくり聞いてもらって状態を少し診てもらったところ、すぐに筋緊張性頭痛だと診断が出たんです。学生ながらに衝撃でしたね。検査もせずに診断が出るなんて。こうなりたいと思ったのがきっかけで医師を志し、今に至ります。
【明徳副院長】僕は父である雄治院長の背中を見て育ったので、父のようになりたいと思って医師をめざしました。幼少期はケガや病気をすぐに診てもらっていましたね。父は外科の医師ですが、僕は内科的な処置に興味があったので、そちらに進みました。

なぜこの場所に開業しようと思われたのでしょう。

【雄治院長】たまたま縁があってこの場所を選んだのもありますが、この地域は関東でも地盤が安定しているところなんです。医療機関というのは、災害のときにこそ必要とされますからね。私は「最悪の事態を想定する」をモットーにしています。100年に一度しか起こらないとされる災害でも、今がその100年目かもしれませんし、100年たたずに起こるかもしれません。ですから、可能な限り安定していると思える地盤のところに開業して、いざというときでも医療サービスを提供し続けられるようにしたいと思いました。

実の親子ということですが、お互いに尊敬できる部分を教えてください。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院2

【雄治院長】当院は3年ほど前から、カルテをデジタル化しました。電子カルテですね。しかし私はパソコンが苦手で。特に紹介状なんかは手書きのほうが早いんじゃないかと思うほどです。明徳副院長に頼むと、すぐに作ってくれるのがありがたい。診療の部分でもとても頼りにしています。
【明徳副院長】1990年に開業して以来、絶えず地域の方と信頼関係を築き、今でもこうして患者さんに頼りにされているというのは、すごいことだと思います。患者さんの話をしっかり聞きつつスピーディーな診療を行っていて、僕にはまだまだ真似できません。長年患者さんと接してきたからこその技術だと思います。

パンデミックを予見しウイルスフリーの診療所をめざす

感染症対策に注力し、地中熱を利用した先進的な診療所だと伺いました。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院3

【雄治院長】電子フィルターを空調機に組み込んで院内空気清浄化システムを採用しています。アメリカ製の電子フィルターで、高電圧を発生させることで汚染物質やウイルスをプラスに帯電させ、陰極板で吸着させます。電子フィルターなので水洗いができランニングコストがゼロです。加えて当院ではエネルギー問題も考え、エアコンには地中熱を利用しています。夏は外気を地中で冷やし、冬は外気を地中で温める仕組みです。院内は高断熱・高気密に設計されているので、院内に設置しているエアコンは2つのみ。それでも十分快適な温度と湿度になっています。高気密と聞くと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、常に院内の空気は循環・清浄してウイルスを除去していますので安心してください。更に持ち運び可能な電子フィルター装置、紫外線でのウイルス除去機を複数台置いたり、院内で使用するスリッパに紫外線殺菌処理を行ったりなどしています。

建物を造るにあたって、かなり大がかりな工事が必要だったのではないですか?

【雄治院長】そうなんですよ。今でこそ感染症対策という言葉になじみと理解がありますけど、15、6年前は大手建設会社に説明しても理解してもらえませんでした。話が通じても、そもそも日本で電子フィルターを製造している会社がなく、途方に暮れました。東奔西走していたら京都大学建築学科卒でスタンフォード大学で学位を取得した建設会社社長が群馬県にいることを知り、お会いしました。私の長女仁美がスタンフォード大学血液腫瘍内科で研究していることもあり、大変話が弾みました。当院の移転が2019年6月ですから、新型コロナウイルス感染症の流行に間に合って良かったです。工事は大変でしたが、来院される患者さんや当院で働くスタッフへのリスクは少しでも減らしておきたいですからね。当院が他院へのロールモデルになれたらいいなと思っています。

なぜここまで徹底した設備にしようと思われたのでしょうか。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院4

【雄治院長】先ほどもお話ししたように、私のモットーは「最悪の事態を想定する」です。私は以前から、大規模なパンデミックがいずれ起こるだろうと予想していました。予想していたというよりは、備えていたといった方が正しいかもしれません。もちろん感染症だけでなく、ある程度の自然災害には対応できるような体制づくりは今でも行っています。

患者もスタッフも大切。現場の声を多くの人に届けたい

患者さんと接する上で、大事にしていることを教えてください。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院5

【雄治院長】皆さんが満足できるような医療をめざしたいです。私個人の感覚ですが、医療というのは相反することをしていると思っているんです。患者さんを待たせることはしたくないけれど、患者さんへ丁寧に説明していると時間がかかる。医師というのは難しい仕事ですね。毎日葛藤しています。患者さん一人ひとりに目配り気配りができるよう、努力をしているつもりです。
【明徳副院長】僕は患者さんから話を聞き、問題点や優先順位を洗い出してからわかりやすく説明するようにしています。ときどき患者さんと僕とで治療の優先順位が異なることがあるんです。医師としては生命に直結する部分を優先したいのですが、患者さんにも譲れない部分はあるでしょうから強制はしません。そういう時はじっくりお話ししながら、お互い納得できる部分を探るようにしています。

雄治院長は診療の傍ら、埼玉県医師会理事を務めていらっしゃいますね?

【雄治院長】医師会は、日本医師会・都道府県医師会・郡市区等医師会の3層構造になっています。私が理事を務める埼玉県医師会は、都道府県医師会です。郡市区等医師会よりは行政に近く、日本医師会よりは現場に近い立場です。新型コロナウイルスの流行が始まってから、現場の医師が休む間もなく医療に尽力してくれているのを、私はもっと広く知ってほしいと思っています。県の医師会だからこそ、全国にもっと現場の声を広めていきたいんです。そして現場の状態を、行政や政府にも届けたい。できれば、病院では院内感染が起こらないように電子フィルターでウイルスを除去した安全な空間で医療ができるように政府の方でも政策に反映してほしいと思っています。お互いに議論しつつ、より良い医療を全国へ届けられるように努めています。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

細谷雄治院長、細谷明徳副院長 細谷医院6

【雄治院長】病気は火事と性質が同じで、発見と治療が早ければ早いほど良いとされています。もし私に言いにくいことがあれば、看護師やスタッフに言ってもらっても構いません。当院の看護師は優秀ですから、患者さんの好みや特徴を把握しているんです。どんな細かい情報でも伝えてくれるので、非常に助かっています。スタッフとの協力体制あってこその当院ですね。
【明徳副院長】患者さんの中には、症状が落ち着くと来院されなくなってしまう方もいらっしゃいます。症状がなくなったからといって病気が治ったわけではないですし、生活習慣を改めなければ再発する恐れもあります。生活習慣を自力で変えるのは難しい場合が多いので、今後の予防策も踏まえて、一緒に考えさせてください。将来的に当院は僕が継ぎますが、これまで雄治院長が築いてきた信頼関係を壊すことなく、継続して頑張るつもりです。

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