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徐 英哲 所長の独自取材記事

北多摩生協診療所

(東村山市/久米川駅)

最終更新日:2023/09/27

徐英哲所長 北多摩生協診療所 main

久米川駅から歩いて4分の場所にある「北多摩生協診療所」。1991年に開設され、30年以上がたった今も家族ぐるみで来院する患者が多い。「多職種が協力し合い、チームとなって患者さんをサポートしています」と話すのは徐英哲所長。内科全般に対応する同院では、糖尿病、呼吸器内科、神経内科、循環器内科の外来も設置、訪問診療や介護保険の通所・訪問リハビリテーションも行っている。医師・看護師・事務スタッフなどそれぞれの視点と専門性を持ち寄った「チーム医療」が特徴だ。「患者さんの事情や背景にしっかりと向き合い、無理せず取り組めるような提案を心がけています」と優しい笑顔で語る徐院長に、同院の診療内容や、かかりつけ医をもつメリットについて話を聞いた。

(取材日2022年5月24日)

各分野の専門医師が在籍。多職種チームで取り組む医療

こちらではどのような診療が受けられるのでしょうか?

徐英哲所長 北多摩生協診療所1

内科全般に対応し、糖尿病、呼吸器内科、神経内科、循環器内科の外来も設けています。日本内科学会総合内科専門医や、神経内科、呼吸器内科、アレルギー、糖尿病や内分泌など各分野の専門の医師が在籍しているのが特徴です。市内の開業医としては早くから、新型コロナウイルス感染症の検査も実施しています。当院は1991年に作られた地域の皆さんのかかりつけ診療所。「不調だな」と感じたらいつでもいらしてください。内科の症状には院内で対応し、精密検査や入院の必要な症状、また他科の診断が必要な場合には連携医療機関と協力し治療を進めます。

チーム医療に取り組まれているのですね。

そのとおりです。先ほど医師の専門性の話を挙げましたが、医師だけではありません。看護師や事務スタッフ、通所リハビリの専門職も含め、多職種チームとして医療・介護を行っています。例えば、来院された患者さんに最初に対応するのは、医師ではなく看護師です。体調や近況を伺い、必要に応じて事前検査をします。このステップを踏むことで、その後の医師の問診もスムーズに進みます。問診には看護師が同席し、次回の予約も看護師が対応します。医師の前だと緊張して話せない患者さんも、看護師ならば話しやすいと感じることもあるようです。中には看護師にも話しにくく、会計時に事務スタッフに「実は○○についても相談したいんです」とおっしゃる方も。隣接する通所リハビリ施設から理学療法士や作業療法士が来てサポートすることもありますね。それぞれの立場から、皆で患者さんを支えています。

院内設備や他院との連携体制について教えてください。

徐英哲所長 北多摩生協診療所2

院内にはエックス線・心電図・エコー機器も備え、採血検査も院内で受けることが可能です。また下肢動脈硬化検査機器では足の動脈の状態を測定でき、動脈硬化の早期発見に役立てています。放射線科に特化した「英世会第二画像診断クリニック」との連携で、CTやMRIの即日検査・診断にも対応しています。送迎がありますので交通面でもご安心ください。院外を見ますと、この辺りは呼吸器内科をはじめ大規模病院が多い地域です。顔の見える連携として、各病院で行われる学習会・交流会に積極的に参加し、ネットワークを広げています。スムーズにご紹介できる連携体制を整え、患者さんの症状に合わせて専門の医療機関にもつなげています。

患者一人ひとりの事情や背景にしっかりと向き合う

訪問診療にも対応されていると伺いました。

徐英哲所長 北多摩生協診療所3

当院は連携型の機能強化型在宅支援療養診療所にあたり、訪問看護ステーションと連携しながら、24時間365日サポートできる体制で在宅医療を行っています。急性疾患から看取りまで対応可能です。長年通われている患者さんがご高齢になり、訪問診療に切り替えるケースも増えてきました。その後も、できるならば最期までお付き合いしたい。そのような思いからこの体制をとっています。現代社会においては家族の在り方も多種多様です。90歳を超えて団地で一人暮らしをされる方も珍しくなくなりました。友人もいて生活スタイルもできあがっている中で、施設や家族との同居よりも今のままの生活を望む方も少なくありません。「自分らしく生きぬく」ためにはどうすればよいのか。患者さんやご家族と一緒に悩みながらサポートしています。

診療の際に心がけていることはありますか?

患者さんが自分の意志で選択した治療を、納得して受けてほしい。そのための情報提供とわかりやすい説明を心がけています。高齢化社会になり、皆さんそれぞれに事情を抱えた中で、教科書どおりの指導が必ずしも良策とは限りません。患者さんの事情や背景にしっかりと向き合い、無理せず取り組めるような提案ができるよう努めています。

健診についても教えてください。

徐英哲所長 北多摩生協診療所4

東村山市や小平市の特定健診、高齢者健診の対象医療機関になっており、健診専用の外来も設けています。糖尿病・高血圧・肺疾患などの慢性疾患には自覚症状がありません。皆さんの中にも、30代後半になり健康診断で「軽度異常」を指摘された方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はそれが慢性疾患の最初のサインで、自覚のないまま症状は蓄積されていきます。10年後に薬が手放せなくなったり、動脈硬化を引き起こしてしまうと命に関わりかねません。新型コロナウイルス感染症では、基礎疾患や慢性疾患を持っている方は重症化すると言われています。働き世代の皆さんの意識も変わってきたように感じます。今一度、お手元の健診結果を見てください。もし不安に感じる項目があれば、年に一度は健診にいらしてください。できれば毎年同じ医療機関で受けることをお勧めします。健康管理のためにかかりつけ医をもつと良いでしょう。

開設から30年。これからも信頼関係を大切に

かかりつけ医を持つメリットは何でしょうか?

徐英哲所長 北多摩生協診療所5

現代の医療制度において、どこで受診をするのかは患者さんご自身の判断で自由に選べます。いくつもの医療機関で受診している方もいらっしゃるでしょう。中にはあちらこちらで薬を処方され、管理が難しくなってきた方、薬の説明を受けても混乱してしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。かかりつけ医をもつメリットの一つは、そういった情報を医師が取りまとめて管理できること。いわば交通整理役です。健診を受けるにしても、毎年の数値やエックス線画像の結果を残しておけば、その比較で異常に気づきやすく重症になる前に治療が始められます。もう一つのメリットは患者さんと医師との信頼関係です。心身の不調を感じた際にすぐに「あの先生に相談しよう」と思える先があれば、患者さんにとって安心ではないでしょうか。医師としても患者さんの体調や薬について「知らなかった」ということがなくなり、その方に合ったアドバイスができるのです。

通所リハビリの施設もあるのですね。

地域の方がボランティアで作ったミニデイサービスがその始まりで、今も定員20人と比較的小規模です。あえて浴槽を設置していないのがポイント。その分、時間内はしっかりとリハビリを行っています。認知症を患っている患者さんからは「大人数の場所は怖い」という声も聞きますが、こちらは少人数なので抵抗なくご利用いただけると思います。医師・看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・歯科衛生士等といった医療や介護の専門職が連携する「多職種チーム」が一丸となって患者さんをサポート。一人ひとりの状態に合わせたリハビリプログラムを提案し、心身の維持・回復や生活機能の維持・向上をめざします。

最後に読者へメッセージをお願いします。

徐英哲所長 北多摩生協診療所6

大規模病院での受診はハードルが高く、診療所の需要はこれからますます増えると感じています。当院は、地域の皆さんの出資金をもとにして作られた手作りの診療所。開設から30年以上がたった今も家族ぐるみで来院される方が多いんですよ。患者さんと信頼関係を築き、人と人として向き合う医療を提供しています。ご自身の体が今どのような状態で、何のために薬が出ているのか。不安があれば何でもご相談ください。ご自分の健康について興味を持ち、知ることが大切。そのためにスタッフ一同、あらゆる角度から皆さんをサポートいたします。

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