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増田 理枝子 院長の独自取材記事

増田小児科

(墨田区/本所吾妻橋駅)

最終更新日:2024/03/05

増田理枝子院長 増田小児科 main

都営浅草線の本所吾妻橋から徒歩9分、下町の雰囲気が漂う町並みに半世紀にわたりたたずむ「増田小児科」。小児科・アレルギー科・内科を標榜し、乳児から高齢者まで家族皆で通えるファミリークリニックとして、地域の健康を支えてきた。2代目の院長を務める増田理枝子先生は、アレルギー疾患の治療経験が豊富で、患者の悩みに寄り添う親身な診療がモットー。患者と専用のアプリを介して日々の症状を共有するなど、コミュニケーションを軸にしたフレキシブルな対応を心がけている。アレルギー科では、夫でありアレルギー疾患が専門の増田敬先生と連携し、家族歴・アレルギー同士の関連を考慮した適切な診断に努める。「一人ひとりの方をじっくりと大切に診たい」と語る増田院長に、診療への想いを聞いた。

(取材日2024年2月8日)

3世代そろって受診ができるファミリークリニック

60年以上の歴史があるクリニックですね。

増田理枝子院長 増田小児科1

はい。初代の院長である義父が1963年にこの地で開業し、私も子育てをしながら副院長として診療をサポートしていました。義父の体調の悪化をきっかけに、2012年から私が院長を務めることになりました。開業以来、小児科という看板を掲げていますが、実際はお子さんのみならず、親御さんやおじいさま・おばあさまも診させていただいています。お熱を出していた赤ちゃんがやがて親となってお子さんを抱いて来られたり、お父さん・お母さんだった方がお孫さんの手を引いて来られたり。それが当院での日常の風景となっていますね。小児科医師でありアレルギー疾患が専門の夫は、勤務医を続けながらこちらを非常勤医師としてサポートしてくれています。

どのようなクリニックをめざしていますか?

この地域の皆さんに、ご家族そろって受診していただけるような「ファミリークリニック」をめざしています。また、この地域の「お母さんたちの相談相手」として、頼りにされるような信頼関係を築いていきたいです。同じ母親として、あるいは地域の“世話好きなおばさん”として、病気のことのみならず子育てや家族の悩みにも寄り添って、さまざまな場面でお力になりたいと願っています。一方、地域の子育て支援などにも取り組んできたことから、医療の枠を超えて子どもたちを広い目で見守っていく存在になれたらいいですね。

診療で心がけていることを教えてください。

増田理枝子院長 増田小児科2

まず、どのような年齢であってもお子さんに話しかけるようにしています。経過を知っていらっしゃるお母さんの情報も大切ですが、やはりご本人がどういう気持ちなのかを一番確認したいと思っています。ですので、たとえ生後数ヵ月の言葉が話せない赤ちゃんであっても、初めに「今日はどうしたの?」と目を見て聞くよう心がけていますね。また、お子さんの病気のこと以外にも、ご家庭のことも把握するよう努めています。例えば、保育園に通うお子さんが病気になったら、当然親御さんたちのお仕事にも影響するでしょう。仕事は休めるのか、家事は分担できるのか、近所に頼れる方はいらっしゃるのかなどを伺い、ご家庭がうまく回るような配慮もしながら診療を行っていきたいと思っています。同時に「〇〇になったら保育園に行けますよ。〇〇の症状になったらまた受診してください」というように、先の見通しも必ずお伝えするようにしていますね。

コミュニケーションを軸にしたフレキシブルな診療を

診療以外でも、患者さんとのコミュニケーションを工夫されているとか。

増田理枝子院長 増田小児科3

一人ひとりの患者さんを大切にしてフレキシブルな対応ができるよう、当院専用のアプリを使ってお子さんの普段の状態を拝見できるようにしています。お母さんがお子さんの熱を記録したり気になる症状の写真をアップしたりする傍ら 、私がその育児ノートを共有しているイメージです。例えば、夜に咳が出て困っている方には「眠れないほどであれば相談してください」とお伝えし、皮膚のかぶれを気にしている方には「〇〇を塗ってみて、それでも良くならなかったら来てください」という具合に受診の目安もお伝えできます。私も症状の経過が把握でき適切な治療を考えられるので、ご活用を提案しています。また、電話での予約制もしかりです。ネット予約が難しい高齢の方もいらっしゃいますし、余裕が出てくれば追加の予約も対応ができます。何より電話の時点で症状があらかたわかるため、十分な問診につなげられます。その点ご理解いただけますとありがたいです。

小児科の診療はどのような状況でしょうか。

小児科は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザなど発熱のお子さんがとても多いです。待合室で患者さん同士が接触しないようにしたり、発熱以外の患者さんは予防接種の時間に来ていただいたりして、感染防止に努めています。診察では丁寧な説明を心がけ、ご理解いただけるまで時間をかけてお話をしています。こちらで必要だと判断した検査に加え、親御さんのご不安もよく伺い、ご要望の検査も行うようにしています。泣いてしまうお子さんもたくさんいらっしゃいますが、鼻をグリグリされたり注射をされたりするのは、誰だって嫌なものでしょう。泣かれてもこちらはまったく嫌ではないですし、お子さんがどのような態度でも温かく受け止めます。内科は、お子さんのご家族を中心に主に風邪などの身近な症状の対応をしています。義父の代より通われている近隣の高齢の方からの健康相談も多く、必要な検査の提案や適切なクリニックへの引継ぎも行います。

アレルギー疾患の診療の特徴を教えてください。

増田理枝子院長 増田小児科4

かかりつけ医として通ってくださっているお子さんは、小さい頃から継続的に診れるため、もしアレルギーの兆候があれば早くからその症状に気づくことができるでしょう。さらに、ファミリークリニックとしてご家族のアレルギー歴なども把握しているため、遺伝も含め総合的にお子さんのアレルギーの診断ができるのも強みの1つでしょう。特に夫はアレルギー疾患のスペシャリストであり、1人のお子さんについて私たち2人が連携しながら症状を診断していくことができます。その他、ウイルス感染による重症化やアレルギー同士の関連なども考慮しながら、一人ひとりに適した検査や治療を提案するよう努めています。

一人ひとりを大切にして、ゆとりある診療をめざす

先生が小児科医師をめざした理由と、勤務医時代について教えてください。

増田理枝子院長 増田小児科5

私の父が小児科の医師だったのです。夜間に電話がかかってきては病院に駆けつける父の姿を見ていて、子どもながらに人の役に立てる仕事だと感じ、医師をめざすことにしました。小児科は、内科や外科と並び全身をトータルに診られる科ですし、子ども好きだったことから選んだのです。東海大学医学部を卒業し、同大学医学部付属病院で研鑽を積んだ後、生まれ故郷の岩手県に戻って、岩手医科大学附属病院や国立療養所盛岡病院(現・独立行政法人国立病院機構盛岡医療センター)で小児科全般の研鑽を積みました。施設入院を要する重度の喘息の子の治療など、アレルギー疾患の治療にも多く携わりましたね。

ところで、先生は地域活動も行っているそうですね。

近隣で園医を4つ、学校医を1つ務めています。その他にも、墨田区の子どもの支援を行う協議会で活動しています。さまざまな場面でこの地域の子どもたちを見守っていきたいと思い、取り組んでいます。また、区の子育て支援事業の一環で、年に数回公民館での子育て講和も行っています。当院の患者さん以外にも多様な方に出会えて楽しいですし、とてもやりがいを感じます。出会いといえば、朝の犬の散歩でもいろいろな人に出会います。あいさつを交わした方が当院に来られた時に「小児科の先生だったのですね!」と驚かれることもありますよ(笑)。

今後の目標と地域の方へメッセージをお願いします。

増田理枝子院長 増田小児科6

これからも患者さんとのコミュニケーションを大切にし、一人ひとりの方をじっくり診られるよう、もっとゆとりのある診療をしたいと願っています。当院はお母さんのみでご相談に来られる方もいますし「何もないけど先生とお話ししに来た」という感じでも構いません。世話好きな自分の性分も生かしながら、皆さんのさまざまなお悩みに寄り添ってお力になりたいと思っています。お母さんたちには、ぜひ何でも話せる小児科のかかりつけの先生を見つけて、子育てに役立ててほしいですね。それと、忙しい中でもぜひほっと一息をつく時間を持っていただきたいな、と。なるべくストレスをためずに、今しかない子育ての時間を存分に楽しんでいただけるよう、陰ながら応援しています。

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