さまざまな疾患から起きる動悸
真の原因を探り適切な対処が重要
クリニックプラス吉祥寺
(武蔵野市/吉祥寺駅)
最終更新日:2024/02/09
- 保険診療
「時々動悸がする」、「息切れがひどくなった」などと感じても、「年齢のせい」とか、「大したことないだろう」などとあまり気にしない人も多いのではないだろうか。しかし、そうした症状を放置した結果、重大な心血管疾患を引き起こすことも考えられるのだそう。逆に、心臓が悪いのでは、大丈夫だろうか、と極度に心配しすぎてそれがストレスになってますます動悸が起きてしまうこともあるかもしれない。動悸を感じたら、その原因が何なのかを医療機関で診断してもらい、適切に対処していくことが大切だ。循環器内科を専門とし、総合内科として総合的な診療も行っている「クリニックプラス吉祥寺」の福井英俊院長に話を聞いた。
(取材日2024年1月16日/更新日2024年2月2日)
目次
動悸は心臓疾患だけでなく甲状腺疾患や呼吸器疾患が原因の場合や、ストレスから誘因される場合も
- Q動悸の原因には、どのようなことが挙げられますか?
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A
まず心臓の疾患です。不整脈や狭心症、心筋症、弁膜症といった心疾患によって動悸が起きている可能性があります。また、心臓以外の病気で動悸が起こる場合もあります。内分泌系の疾患、例えば甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、低血糖などです。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺塞栓症など呼吸器疾患による場合もあります。他にも貧血や脱水、薬の副作用など原因はさまざまです。女性は妊娠中や更年期にホルモンバランスの乱れから起こる場合もあります。ストレスなどメンタルが要因となることも多いですね。疾患によって動悸の出るタイミングや、持続時間が異なりますので、診断のためにはまず詳しく動悸の性状についてお話を聞くことが重要です。
- Q動悸が起きた場合、何科を受診すべきでしょうか。
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A
まず、動悸の原因が心臓にあるのかを判断するため、循環器内科を受診すると良いでしょう。循環器内科で調べて心臓の疾患があれば、そのまま適切な治療につなげることも可能です。心臓に何も問題がないことがわかってから、他の原因を探っていきます。先ほどお伝えしたように、動悸の原因はさまざまです。甲状腺疾患や、呼吸器疾患、血糖の状態、精神的な問題など、広い視点で原因を探っていくことが求められます。ですので総合内科は、“医療への入り口”とも言えるかと思います。当院の場合、循環器内科を専門にしながら、総合内科として広い視点を持ちながら診療を行っています。
- Q心血管疾患とはどのような病気でしょうか。
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A
心血管疾患は、主に動脈硬化によって血管の内腔が狭くなることで、身体の各組織にスムーズに血液が供給できなくなることで引き起こされる病気を指します。動脈硬化がどの場所で起きるかによって病気も変わってきます。心臓の筋肉に酸素を供給する冠動脈が狭窄して起きる狭心症や心筋梗塞、脳の血管が狭窄して起きる脳梗塞、下肢の血管が狭窄して起きる末梢動脈疾患などがあります。心血管疾患はある日突然発症し、命に関わる場合もありますので注意が必要です。動脈硬化を引き起こす原因となっているのが、脂質異常症や高血圧症、糖尿病といった生活習慣病です。その他にも、喫煙習慣、肥満、運動不足などもリスクとなります。
- Q心血管疾患の自覚症状と注意すべき年代を教えてください。
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A
代表的な自覚症状は胸の痛みです。特に坂道や階段を登るなど、心臓に負荷がかかった時に、胸全体が圧迫されるような痛みを感じるという場合には狭心症を疑います。心筋梗塞になると、必ずしも動いている時だけではなく、安静時に痛みを訴える場合もありますが、その場合は強い胸の締めつけられるような痛みに加え、脂汗が出てきたり、吐き気を伴ったりと、尋常ではない様相を示しますので、その場合はすぐに救急車を呼んでください。 中高年になると動脈硬化が進行し、心血管疾患を起こしやすくなってきますので、発症を防ぐためにも生活習慣病や動脈硬化の予防、管理を心がけてください。
- Qこちらでの診療の特徴やこだわりを教えてください。
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A
多くの患者さんは、動悸が止まってから病院を受診されることが多いですが、動悸がまさに起こっている時に心電図を取らないと原因がわからないことがほとんどです。ホルター心電図は、24時間心電図計を装着して普通に生活をしていただくことで、動悸が起きた時の心電図を記録することができる検査です。当院で採用しているホルター心電図は非常にコンパクトで、患者さんはつけていることを忘れてしまうほどだと思います。また、ご自身で着脱が可能なので入浴も可能です。心電図計のつけ外しのために受診していただく必要がありますが、当院は土日祝も毎日診療しているため、平日お仕事でお忙しい方でも日程の調整がしやすいかと思います。