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飯塚 賢一 院長の独自取材記事

はなまる消化器内科クリニック

(前橋市/前橋駅)

最終更新日:2024/03/06

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック main

前橋南ICの近くにある「はなまる消化器内科クリニック」。住宅地にあり、広い駐車場の中にある茶色と白のシックな外観が目を引く。県内の総合病院で内視鏡での治療に長く携わってきた飯塚賢一院長は、この地域に内視鏡を扱う開業医が少ないと感じたことがきっかけで、2023年開院に至った。力を入れている内視鏡医療で胃がん、大腸がんの早期発見・早期治療に努めるほか、難治性の腸疾患においても患者に寄り添う治療を大事にしている。内視鏡を専門とする医師として、検査や治療を通して地域医療で果たしたいと考えている役割について、じっくり語ってくれた。

(取材日2024年1月26日)

長年内視鏡検査・治療に携わる

開業までの経緯を教えてください。

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック1

勤務医時代、内視鏡での治療に携わる機会が多かったのですが、それは地域のクリニックの先生方が、内視鏡検査で異常を見つけてくれるからこそのことだと思っていました。病院での専門的な治療は、これからも後輩たちが引き継いでいってくれるだろうと思った時に、疾患を見つける側である地域のクリニックの存在の重要性を改めて感じるようになり、開院に至りました。内視鏡検査は患者さんにとって負担が大きいため、今まで検査を敬遠していた方々にとって負担の少ない環境をつくれたらと考えています。内視鏡によって疾患を早期に発見し、治療後も長く患者さんをフォローしていけるような場所が、まだこの地域には少ないので、当院でいつでも検査を提供できるようにしたいですね。

医師をめざし、消化器内科を選んだ理由についても伺えますか?

人に役に立つ仕事をしたいという思いが漠然とあったように思います。ただ、近い親戚や家族に医療関係者がいるわけでもなく、祖母の祖父にあたる人が医師だったそうだということを聞いたことがあったくらいですね。専門を消化器内科にしたのは、一緒に働いていた先輩医師の影響があります。内視鏡の扱いが上手で、多くの患者さんに内視鏡検査を受けてもらうことを大事にしていた方でした。そして、僕が医師になった2000年頃に内視鏡の技術革新が起こり、技術が格段に進みました。それまで開腹手術が必要だった胃がんや大腸がんが、内視鏡で治療できるようになっていったんですね。僕自身、その技術を追求する面白さを感じました。

内視鏡の他に、炎症性の腸疾患もご専門とされているそうですね。

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック2

内視鏡の研鑽を積む中で、炎症性腸疾患という分野の治療にも興味を持ちました。腸炎は、内視鏡検査で診断をするのですが、診断後は服薬による治療が中心です。そして炎症性腸疾患も2000年頃から、治療薬の開発が革新的に進み、それまで症状のコントロールに苦労していた患者さんの治療状況も変わっていきました。そういったタイミングだったことも、内視鏡について専門的に経験を積んでいくきっかけになりました。

専門性の高い内視鏡検査・治療を地域に提供

どういった患者さんが多いですか。

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック3

消化器内科を看板にしているので、おなかが痛いという方や、下痢の方などは多いかもしれないですね。あと、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの感染症の患者さんも多くいらっしゃいます。僕が内視鏡を専門にしているので、他の医療機関からの依頼で内視鏡検査を受けに来られる患者さんもいます。そのほかにも、前職の前橋赤十字病院で担当していた患者さんが、当クリニックに定期検査を受けに来てくださることもあります。

内視鏡検査について、少し詳しく教えてください。

内視鏡検査には、胃と大腸の検査があります。胃の検査では、胃の形にはそんなに個人差はないので、つらさの度合いに大きな差は出にくいです。一方、大腸の形は人によってかなり異なるので、内視鏡のカメラが入りやすい方もいれば、なかなか入らない方もいます。そこに、われわれ術者側の操作技術や経験値、考え方などが大きく関係してくると考えています。僕自身は自分を器用だとは思っていないので、できる限り多くの検査の経験を積むことを心がけていました。例えば勤務医時代、検査の予約がいっぱいだけれど、緊急性のある患者さんがいらっしゃった場合は、なんとか時間を作って僕が対応できるように率先して動いていました。そういった経験の積み重ねが今の検査に生きているかもしれないですね。

内視鏡検査で、患者の負担が軽くなる工夫などありますか?

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック4

大腸内視鏡検査の場合、お尻から内視鏡を入れて、大腸をくまなく見るのですが、腸の中を空っぽにするために検査の前に下剤を飲む必要があります。この下剤が最近は飲みやすいような味がついています。内視鏡自体も20年前に比べ、小回りが利くようになり管も細くなりました。鎮静剤を使って検査の苦痛を和らげることをめざすこともできます。ただ、鎮静剤を使う場合は検査後に車の運転はできません。大腸内視鏡検査は、スムーズにいけば挿入に3~4分ぐらい、観察自体は5~6分程度で、最短では10分ぐらいで検査が終わります。逆に大変な場合は、30分ぐらいかかることもありますが、そのような方はほとんどいないと思います。

地域医療の担い手をめざす

診療の際、大事にされていることは何ですか。

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック5

皆さん、医者にかかればすぐに良くなると思って来院されると思います。もちろん、患者さんの期待には応えたいのですが、なかなかそこですぐに解決できるケースは少ないと思うんです。なので、まずは現時点でどういう状況が考えられるかを、きちんとご理解いただくことを大事にしています。例えば薬を処方して、もし思ったような効果がすぐに得られなかったとしても、もう一度僕のところに相談しに来ていただけるような関係性をつくっていきたいですね。それは、炎症性腸疾患など、慢性疾患の場合にも言えることで、恐らく疾患によっては一生付き合っていくことになるものもあります。それなのに完治をずっと追い求めていると、それだけで不幸せになってしまうと思うのです。医師と患者さんとが、今の状況とできること、懸念点などに共通の理解をして、一緒に考えながら治療を決めていくことを大事にしたいと思っています。

他の医療機関との連携について聞かせてください。

群馬地域で20数年勤めてきたので、あちこちに一緒に仕事をした先輩や後輩がいまして、特に前職の前橋赤十字病院と、長く勤務した伊勢崎市民病院は、どちらとも連携が取りやすい状況です。ほかに、近隣の総合病院に内視鏡検査の手伝いにも行っていますので、そういった周りの病院との関わりは濃いと思います。

最後にメッセージをお願いします。

飯塚賢一院長 はなまる消化器内科クリニック6

内視鏡に長く携わってきた医師として、今まで検査を受けたことがない方には「1回、頑張って検査を受けてみませんか」とお伝えしたいです。検査の経験がある方には「定期的に頑張って検査を続けましょう」と、お伝えしたいですね。検査を始める年齢としては40代からお勧めしています。大腸に関して言えば、大腸のポリープから長い時間をかけてがんが発生するということがわかっているんですね。なので、早いタイミングで1度検査を受けていただいて、ポリープやそのほかの疾患がないかなどを把握しておくのが大事だと思っています。僕の専門は消化器内科ですが、内科全般的な疾患に関わってきた経験がありますし、地域医療を担いたいという思いで開院しました。これまで勤務してきた総合病院などとも密な連携を取っていますので、幅広い疾患の患者さんに相談に来ていただきたいですね。

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