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井手 亨 院長の独自取材記事

いでハートクリニック

(吹田市/北千里駅)

最終更新日:2024/02/08

井手亨院長 いでハートクリニック main

阪急バス・藤白台五丁目停留所のすぐ前にある「いでハートクリニック」は、2023年10月に開業した循環器内科・内科のクリニック。医療ビル内にあるクリニックはバリアフリー設計で、大規模な駐車場を備えているので車でも通院しやすい。大阪大学医学部出身の井手亨(とおる)院長は、循環器疾患を持つ患者の毎日に寄り添った治療、幅広い知識と診療経験を生かした内科診療を提供すべく同院を開業した。4つの色の異なるピースが組み合わさってハート形を作っているマークに象徴されるように、「医師や看護師などがチーム医療で患者さんのハートを支えていきます」と井手院長。専門性へのこだわりと患者への優しさを併せ持った同院の診療の特徴や、地域医療にかける思いなどを井手院長に語ってもらった。

(取材日2023年10月28日)

治療の手応えを実感できる循環器科を専門に

医師を志したきっかけや循環器科を専門にした理由を教えてください。

井手亨院長 いでハートクリニック1

職種に関わらず、一生懸命に取り組める仕事、手応えのある仕事がしたいという思いがあり、高校生になって自分の進路を決める際に、医師なら自分の条件に合うと考えて医学部をめざしました。専門については、「忙しくて、やることがいっぱいある診療科がよいので、やはり外科かな」というくらいに考えていて、特に循環器科を志望していたわけではありませんでした。しかし、大学を卒業後にいろいろな診療科を経験して、循環器科は治療に対して確かな手応えを感じられる診療科だと気づいたのです。危険な状態で搬送されてきた患者さんも、適切に治療することができれば、歩いて帰宅できるほどの回復が期待できるのが循環器科の特徴だと思います。

開業までどのようなキャリアを積んでこられましたか?

大阪や和歌山の病院の心臓外科に勤務してきました。大阪医療センターでの初期研修を終えて勤務したのが、看護師や作業療法士などのコメディカルと呼ばれるスタッフが、情熱を持って診療に取り組んでいる和歌山の紀南病院で、チームで患者さんをしっかりと診る医療を体験できました。リハビリテーションの大切さを実感し、循環器の診療に欠かせないと考えるようになったのも、この病院での勤務がきっかけです。また、勤務医時代から開業後は訪問診療をやりたいと考えており、開業前に勤務した大阪市内のクリニックでは訪問診療の経験も積みました。

この医療ビルを開業場所に選んだ理由を教えてください。

井手亨院長 いでハートクリニック2

母校の大阪大学医学部の付属病院は、循環器疾患の患者さんのためのリハビリテーション施設が十分ではなく、心臓血管外科の医師として患者さんの退院後のケアができないことにいつもジレンマを感じていました。このため、大阪大学から近い場所にクリニックを開設して、大学病院での治療を終えた患者さんの退院後の治療を引き受けようと考えたんです。いくつかの物件を検討して、リハビリテーション室を備えるため広さがある今の場所に決めました。理想を言えば、もっと駅に近い場所で開業できれば良かったのですが、この辺りは自動車で移動される方が多く、十分な台数の駐車場は用意されている点も決め手となりました。

患者さんと接する際に心がけていることは何ですか?

患者さんのお話をしっかり聞いて、どのようなことに困っておられるのか、どのような治療を受けたいと考えておられるのかを把握するようにしています。実際の治療の際は、そうした患者さんのご要望も大切にしながら、医師としての自分の意見を盛り込んだ治療計画を立てます。それを、患者さんにきちんと理解・納得していただけるよう、できるだけわかりやすく説明するように心がけています。

心臓の病気は毎日の管理がとても大切

リハビリテーションを重視する理由を教えてください。

井手亨院長 いでハートクリニック3

心臓の病気を持っておられる方の中には、医療機関でお薬だけをもらって、長期間にわたって同じ薬を服用している方が少なくありません。しかし心臓の病気は、患者さんの状態をきめ細かにチェックし、その時の状態に合った医療を提供することが、良い状態を保つためにとても大切なんです。そこで、患者さんにとってプラスの効果が期待できる運動療法を診療に取り入れることにしたのです。当院には、心臓リハビリテーションの専門的な知識を持つスタッフや心不全療養に詳しい看護師が在籍しており、チーム医療の体制を生かして生活指導なども含む総合的なプログラムを作成し、患者さんの日常生活をしっかりとサポートしています。

心臓が悪い人は運動を避けるべきというイメージがあります。

適度な運動がベストと考えられています。筋トレなどある種の無酸素運動は、適度に必要と考えられていますが、心臓病の方にお勧めなのは有酸素運動です。しかし、心臓病を抱えている方は、ウォーキングなど有酸素運動に頑張って取り組むと、ご本人が気づかないうちに無酸素運動に切り替わってしまい、かえって心臓に負担がかかってしまう恐れがあるのです。このため、事前にしっかりと検査を行い、有酸素運動から無酸素運動に切り替わるポイントを把握し、その患者さんに適した運動プログラムを提供します。実際にリハビリテーションを行う際も、心電図、血圧、呼気ガスを測定することで、安全に配慮した状態で運動療法が行えるようにしています。

生活指導の内容についても教えてください。

井手亨院長 いでハートクリニック4

心臓病では日々の管理がとても大切です。このため、毎日きちんと血圧や体重を測定するなど、患者さんがご自身の体調をチェックするために必要な知識や情報を提供するようにしています。例えば、心臓は全身の水を処理する臓器なので、心不全の方は体に余分な水分がたまりやすい状態です。水がたまると体重に反映され、時には1週間で2〜3kgも増えることがあります。気づかないまま過ごしていると、肺に水がたまって呼吸困難になるなど救急搬送が必要になります。このようなケースでも、日頃から体重をチェックしていれば異常に気づくことができ、早い段階での対処が可能です。

訪問診療にも力を入れていらっしゃいますね。

自分の担当している患者さんの通院が難しくなった場合、他の医療機関に委ねなければならない状況は避けたいと考えていました。自分の患者さんは最後までしっかり診たいという思いがあり、開業前から訪問診療に取り組むことを決めていたのです。クリニックでの診療では、他にお待ちの患者さんがおられ、ゆっくりと話を聞けないこともあるのですが、訪問診療では困り事などについてじっくり耳を傾けられる時間があり、僕自身が好きな診療でもあります。当院は循環器に特化した治療を提供できるので、現在は病院からの紹介で、循環器疾患がある患者さんの訪問診療を行っていますが、今後は、当院への直接のご相談や介護関係からのご依頼にも対応していきたいと考えています。

さまざまな内科疾患にもしっかり対応

生活習慣病などにも対応しておられます。

井手亨院長 いでハートクリニック5

心臓はあらゆる臓器とつながっているので、心臓を診るためにはすべての臓器に関する知識が要求されます。心臓病の患者さんは合併症に常に注意を払う必要があり、僕自身もどの臓器に問題が起こってもしっかりと診られるよう、知識や経験を充実させてきたつもりです。当院の場合、看護師も心臓病に強いので、幅広い臓器の問題にしっかり対応して、その患者さんに合った治療を提供できると考えています。心臓病の方はもちろん、生活習慣病など日頃の健康管理のために、かかりつけのクリニックを持ちたいという方は、どうぞお気軽にご相談ください。

検査機器も充実していますね。

CTなども備えているので、検査のために他の医療機関を受診する必要がありません。また、CT検査は画像診断を専門とする診療放射線技師が担当します。超音波エコーも、一般的には医師が診療の合間に担当するケースが多いと思いますが、当院では大規模病院などで豊富な経験を積んだ検査技師が担当するため、精度の高さにこだわって検査を提供できるのが特徴です。

今後の目標を教えてください。

井手亨院長 いでハートクリニック6

まずは、吹田市の中で「循環器のことを相談するなら、このクリニックが良い」と思っていただける存在になりたいと考えています。循環器のクリニックとして、患者さんから信頼していただけるクリニックですね。その先のことについては、まだ開業したばかりなので、患者さんを診させていただきながら、当院のめざす姿を考えていくつもりです。地域の方々が、健康で毎日を過ごしていただけるよう、スタッフ一同、一生懸命診療にあたらせていただきます。気になることや悩んでおられることがあるなら、どうぞ遠慮なくご相談いただければと思います。

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