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大森 紅己子 院長の独自取材記事

くれないクリニック内科・リハビリテーション科

(札幌市中央区/行啓通駅)

最終更新日:2024/02/26

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科 main

札幌山鼻地区にある「くれないクリニック内科・リハビリテーション科」。「どんな患者さんも断りたくない」という大森紅己子(おおもり・くみこ)院長の思いを反映し、多くの先進的な設備を導入している同院では、内装やインテリアにも患者への思いやりがあふれた温かい雰囲気が漂っている。大森院長は、札幌医科大学卒業後、急性期病院で総合内科診療や2次救急医療に携わり、リハビリテーション科・泌尿器科・婦人科でも経験を積んだ幅広い知識と経験の持ち主。認知症の専門家でもあり、その取り組みはクリニックの中だけにとどまらず、患者の家を自ら訪ねることもあるほど。適切な内科の初期治療で地域住民の健康を支えたいという強い熱意を持つ大森院長に、診療へのこだわりや患者への思いについて聞いた。

(取材日2023年12月13日)

どんな患者も受け入れられるよう整備した設備と体制

こちらでは、どのような診療が受けられるのでしょうか?

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科1

総合内科と認知症、循環器、リハビリテーション科を専門とする医師が、多方面から診断・治療しています。風邪や発熱、貧血、めまい、頭痛、花粉症、生活習慣病といった一般内科をはじめ、急性期病院治療後の経過観察や発熱者専用の外来、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状や肩凝りなどを専門とした外来もございます。また、出産後や育児中の不調、月経前後の不調、更年期障害といった女性特有の体調の悩みを相談できる女性専用の外来や、嚥下内視鏡検査、嚥下機能訓練なども行う飲み込み・むせを専門に診る外来にも取り組んでいます。予約不要で、初めての方でも気軽に来院できるよう、地域のかかりつけ医として近隣の皆さんを全力でサポートしています。

設備にもこだわりが見えますね。

診察室には電動リクライニング診察椅子、待合室には体に負担の少ないノルウェー製の椅子を採用しました。発熱者専用の外来では発熱で来院するすべての患者さんを受け入れるため、通常の患者さんと接触しないよう入り口を別にして、シャワーを設けた隔離室などを含む専用スペースを造りました。新型コロナウイルス感染症のこともあり、感染症対策を意識した環境づくりにこだわりました。ほかにも、この辺りでは少ない循環器系の診療に力を入れるため心電図や24時間ホルター心電図を導入し、エコーで見ることができる残尿測定器、飲み込みを確認するための嚥下内視鏡、院内で炎症反応や貧血などに対する採血検査が数分で完了する迅速採血機器、更年期世代の方の骨粗しょう症リスク早期発見のための骨密度測定器も準備しています。

骨密度測定器を置いているのは、どのような背景があるのでしょうか?

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科2

当院には更年期世代の方も多くいらっしゃるのですが、更年期世代の方はなかなか整形外科に足を運ばれないので 、骨密度を測る機会も少ない傾向にあります。骨粗しょう症を放置していると、骨折のリスクが高まります。ですが、骨折する前から骨粗しょう症のリスクに気づき、状態に応じて治療していれば、骨折のリスクは下がるはずです。当院では女性医師が診察する内科で、「気軽に検査してみませんか?」とお声がけすることで検査のきっかけをつくるようにしていますし、骨粗しょう症が見つかればすぐに治療をスタートできる体制を整えています。地域の皆さまがずっと元気でいられるように、注力していることの一つです。

救急医療の経験を生かし総合的に診る初期診療を

開業されたご理由をお聞かせください。

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科3

私は認知症や飲み込みのリハビリについても専門的に学んでいたことから、開業医になって、より患者さんとの距離が近い場所で高齢者医療に携わりたいと考えていました。それに私は欲張りなので(笑)、科の垣根を越えて総合的に診て、何科に行けばわからないとお困りの方の初期診療を担いたいという気持ちも強かったのです。こうした「自分のやりたい医療」を実現したいという思いから、開業に至りました。このエリアは人口も多く、高齢者も子どもも多いバランスが取れた地域です。個人的にも高校時代によくとおっていたので、なじみ深い地域なんですよ。

先生は内科の医師でいらっしゃいますが、総合的に診る力はどう培われたのですか?

救急車対応をしていたことが大きいです。実は、研修医を終え、専門を何科にするか絞り込めずにいたのですけれど、研修先の当時の院長が「なら救急医療に携わってみないか」と言ってくださって。例えば、交通事故の場合、整形外科や脳外科が関わることもありますし、また、内科的には内臓破裂がないかなど網羅的に診ないといけませんが、各科の医師が即時に対応できるとは限りません。そのため救急車を受け入れてから必要な処置や検査を指示する医師も必要ということで、総合内科の外来を担当しつつ、そうした対応も担うことになったのです。内科を軸としつつ救急車対応にも取り組む中で、総合的に診る、言い換えればその「人」全体を診るという、初期診療に必要な力が身についていきました。この時期に積んだ経験は、今でもたいへん役立っています。

救急でのご経験が今の先生の基礎になっているのですね。

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科4

ええ。当時はまだ若かったので、専門的なことはすぐに先輩医師に教えてもらえましたし、質問しやすい立場でした。救急車対応がないときは、整形外科や泌尿器科など、さまざまな科の先生について勉強し、医師としてたいへん成長した時期だと思います。いろいろな患者さんや症状を診てきたので、今はどんな患者さんが来ても冷静に対応できる自信があります。例えば、内科的な症状を訴える患者さんがいらしたとしても、主訴だけを診るのではなく、ほかの診療科領域の疾患が関わっていないかというところも注意して診療するよう心がけていますから、適切な治療・対応につなげることができると思います。

生活習慣病や循環器疾患の相談窓口としても活用できる

開業から半年を迎えられた今、さらに力を入れていこうという分野はありますか?

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科5

高血圧や高コレステロール血症などの内科的な治療に、今後はより注力したいですね。当院は2024年の1月から循環器を専門に診る外来を開設したのですが、担当する先生は高血圧、高コレステロール血症といった生活習慣病の治療を得意とするほか、弁膜症や不整脈の診療にも対応しています。心エコー検査にも積極的に取り組んでいますので、ぜひご利用いただければと思います。また一例として、ご高齢で高血圧の場合、たまった尿を排出できない尿閉が関与するケースもあるのですが、主訴だけに目を向けると見逃されてしまう可能性も否定できません。こうした症例を適切に診断・治療するにあたっては、救急で身につけた総合的に診る力が生きていると感じます。もし当院で対応できない疾患などがあれば専門機関にご紹介しますので、どんな症状でもまずはご来院ください。

飲み込み・むせのリハビリや認知症の専門性を身につけられたのはなぜでしょう。

リハビリを学んだのは、病気を治して終わりではなく治療後の生活の部分までフォローすることが重要という想いがあったからです。当院も取り組む、飲み込み・むせのリハビリについてもここ10年ほどで技術が発展し、体位や食事などの工夫で、問題の改善を図れるようになってきました。また、リハビリを専門的に学んだ病院で気づいたのですが、リハビリを受けに来る患者さんには認知症の方が少なくありません。それに、認知症の方は高血圧などの内科疾患を併発していることも多く、内科診療をする上でも、認知症を診られるのがこれからの前提になってくるだろうと考えるようになりました。そこでリハビリを学んだ後、今度は認知症について専門的に学びました。開業してみると、やはり地域には認知症の方が多いという印象を受けますので、認知症自体のケアも、認知症の方の内科的な治療も、ぜひ当院にご相談いただければと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大森紅己子院長 くれないクリニック内科・リハビリテーション科6

2024年1月から診療時間を増やし、平日は月~金の毎日診療を行えるようになりました。志を同じくする医師を仲間に加えて、いずれは土日も診療できるようにしていきたい、と思っています。また、循環器に関する相談先をお探しの方には、循環器の外来を設けている当院にぜひいらしていただきたいです。心配事、困り事があるときにいつでもお力になれるよう、今後も体制を整えてまいります。相談の内容や、困り事の大小によってお断りすることはありません。この地域のかかりつけ医として、皆さんのお力になれたらうれしいです。

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