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指宿 睦子 院長の独自取材記事

くまもとブレストクリニック

(熊本市中央区/熊本城・市役所前駅)

最終更新日:2023/06/07

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック main

熊本市中央区城東町。大楠の美しい並木が続く「オークス通り」に面したビルの2階に「くまもとブレストクリニック」はある。今年4月にオープンしたばかりの同院の院長を務めるのは、日本外科学会外科専門医、日本乳癌学会乳腺専門医の資格を持つ指宿睦子先生。熊本大学病院をはじめ、地域の基幹病院で20年以上にわたって研鑽を積んだ後、高い専門知識と熟達した読影技術を生かして、フリーランスの乳腺外科医師として活躍したドクターだ。「これまでに学び行ってきた乳腺に関する専門医療の一部を共有したい」という思いから同院を開業した指宿院長。3Dマンモグラフィや超音波検査機器など先端の医療機器を積極的に導入し、精度の高い検査・診断を提供している。明るく包容力の大きな人柄が魅力の指宿院長に、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2023年5月2日)

3D撮影も可能な日本人に合ったマンモグラフィを導入

4月に開業したばかりということですが、この場所に決めた理由を教えてください。

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック1

当院のお隣に婦人科のクリニックがあるのですが、そちらに私が子宮がん検診に行ったのがきっかけです。院長先生にごあいさつさせていただいた際に、私も医師で開業の思いがあることも話しました。1年半後、院長先生から「隣の物件が空いたかも、ぜひそこで開業をしたらどう?」と連絡をいただいたんです。ずっと物件を探していたのですが、その院長先生をはじめ、多くの奇跡的な出会いとご縁が重なって、この場所での開業が実現したのだと思っています。

こちらのクリニックの特徴について教えてください。

先進のマンモグラフィや超音波検査機器を導入し、専門性の高い乳がん検診・精密検査ができるということです。当院のマンモグラフィは、できるだけ痛みや不快感がなく撮影できることを最優先で考えて機器を導入しました。フランス製ですが、日本人技師が監修しているため、日本人にも合った設計となっていて、痛みの少ない検査をめざせます。一般的にマンモグラフィは「痛い検査」と思われがちですが、痛みを軽減するためには「雰囲気づくり」も大切な要素です。患者さまがリラックスできるように、院内の趣きやスタッフの声かけなどを大事にし、緊張を和らげるように心がけています。また、超音波検査機器は当院では2つのメーカーの上位機種を導入しています。これは、それぞれの機器の特徴を使い分けることによって、患者さま一人ひとりに合わせたより精度の高い診断を可能とするためです。

こちらではマンモグラフィの3D撮影も行っていると聞きました。

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック2

乳腺量の多い方は、乳腺の中身がマンモグラフィではっきりと見えない場合があります。その場合は、保険適用外となりますが、オプションとして3Dでの撮影を行うことが可能です。熊本では検診で3Dマンモグラフィを導入しているのは珍しいと思います。これは撮影回数を9回増やして、通常の撮影ではわからない石灰化や乳腺構造の乱れなど、乳腺の中身を3次元的に描出して詳しく見ていくというものです。撮影時間は10秒ほど長くなるだけで、放射線被ばく量も通常のマンモグラフィとほとんど変わりません。通常のマンモグラフィ検査で撮影をした際に、乳腺の中身が見えにくいかどうかを技師が瞬時に判断し、あらかじめご希望であれば追加することが可能です。

予防が難しい乳がんは検診による早期発見が重要

先生はなぜ、乳腺外科を専門にしようと思ったのですか?

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック3

最初の5年間は消化器外科を専門としていました。その間、地域の中核病院に赴任した時に、外科や救急の診療をしていくなかで、自然と女性の患者さま、特に乳がんの方を担当するケースが増えていったんです。乳腺の分野に関して、当初はわからないことだらけでしたが、勉強しながら患者さまと向き合っていくうちに「自分に向いている」と感じるようになりました。それで、腰を据えてしっかりと専門にしていきたいと思い、乳腺外科に転向しました。ちょうど良いタイミングで、熊本大学病院に尊敬する教授がいらっしゃって、16年間学ばせていただくことになりました。

こちらのクリニックで先生が特に力を入れていることは何ですか?

当院では、乳がん検診と精密検査、大きな病院で手術を受けた方の経過観察などを行っていますが、その中でも私が特に力を入れていきたいと考えているのが精密検査です。一般健康診断などを受けて要精査となった方は、総合病院などへ行く方が多いと思うのですが、大きな病院は待ち時間が長く患者さまにとっては大変な負担です。それを当院でカバーすることができたらと思っています。熊本では精密検査に対応しているクリニックが少ない現状があります。当院にはマンモグラフィと超音波検査の両方に対応できる放射線技師がいます。私自身もこれまで数多くのマンモグラフィ読影と超音波検査を行ってきましたので、精度の高い検査・診断ができると自負しています。当院での精密検査の結果、万が一病気が見つかった時には、通いやすさや治療の内容、患者さまのご希望などを考慮した上で、乳腺専門医のいる適切な病院を紹介してそちらで治療を受けていただきます。

予防に対する先生の考えをお聞かせください。

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック4

乳がんは9人に1人がかかるといわれていますが、残念ながら乳がんは基本的に予防が難しいのが現状で、早期発見・早期治療で対応していくしかありません。熊本市では40代以上の女性は2年に1回乳がん検診を受けることが推奨されていますが、忙しさなどさまざまな理由でその機会を逃している方も多いんです。がんは1センチくらいの大きさになるまでに10年ほどかかるといわれていますが、若い方の進行はそれよりも早くなります。今は30代でも乳がんになる方が増えていますし、特にご家族に乳がんになった方がいる場合にはリスクが高くなってしまうので注意が必要です。できれば30代から年に1回は検診を受けていただきたいと思います。また、乳がんのリスクは一人ひとり異なりますので、その点についても問診、診察の際にお話をさせていただきます。

乳がん検診のハードルを下げるため情報発信にも注力

診療の際に先生が大切にしていることは何ですか?

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック5

患者さまに喜んで帰っていただくということです。そのためには当たり前のことですが、自分がしてもらうとうれしいと感じるサービスを提供し、常に共感力を持ってお一人お一人に寄り添うことが大切だと思います。また、患者さまの求められることを、求められている分だけ適切に情報をお伝えすることも心がけています。患者さまによって、あまり聞きたくないという方もおられれば、詳しくたくさん知りたいという方もいらっしゃいますから、それぞれの思いをくんで、丁寧に対応していきたいと思います。

今後の展望についてお聞かせください。

今はまだ開業したばかりですので、まずは当院のことを少しでも多くの方に知っていただきたいと思います。「知識は力になる」と思いますので、「マンモグラフィ検査は怖くない」ということをはじめ、乳がんについてできるだけ多くの情報をSNSなどを使いながら発信していきたいです。また、当院では現在私の他に受付2人、看護師2人、検査技師が2人がいますが、定期的に勉強会を開いてスキルアップしています。現在、超音波検査とマンモグラフィ検査の両方ができる放射線技師をさらにトレーニングしていくことも目標の一つです。マンモグラフィが撮れて、読影ができて、超音波もできて、さらに検診の精度を上げていきたいと思います。そのために私もさらに精進していきます。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

指宿睦子院長 くまもとブレストクリニック6

乳がん検診はクリニックを予約するところからハードルの高さを感じる方もいらっしゃると思いますが、そこを乗り越えて来院してくださった方に対して、しっかりと診療でお返ししていきたいと思います。当院では、女性技師による乳がん検診コースをご用意しています。また、大きな病院で手術や治療などをされている方のかかりつけ医としてサポートしていきたいです。術後の治療などにも対応していきたいです。どういう検査を受けたら良いのかわからない方や、心配なことがあるけれど受診をためらっておられる方、ぜひおいでください。一緒にお話をしましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診[マンモグラフィ検査(2D2方向)+ 超音波検査(女性技師)]/1万円 3Dでの乳腺撮影/2000円 

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