患者、医師、薬剤師の三人四脚で
効果的な喘息(ぜんそく)治療
古家内科医院
(横浜市港南区/上永谷駅)
最終更新日:2021/10/12
子どもだけでなく大人になってからでも発症する可能性のある喘息(ぜんそく)。いつ罹患しても不思議ではないこの病気は、症状が治まった時点で治療終了ではなく、治療を正しい方法で長く継続する必要があるのも特徴の一つだ。そこで、港南区上永谷駅から徒歩10分、呼吸器・アレルギーのエキスパートである「医療法人社団 古家内科医院」の古家正院長に解説してもらいながら、向かいにある薬局「ファーマシー丸山台」と協同で行う効果的な喘息治療について、実際の様子をリポートする。
(取材日2013年9月3日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q喘息の治療では、どのようなことを行うのでしょうか?
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A
基本的には吸入ステロイドを中心とした薬による吸入療法です。これは毎日ご自宅で行うもの。当院では薬の処方だけではなく薬剤師が吸入方法を指導し、3ヵ月〜半年ごとに吸入方法や器具の相性などをチェックします。
- Qなぜ症状が良好になっても、治療を止めてはいけないのですか?
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A
症状の改善=気管支の荒れの改善、とは限らないからです。荒れた状態が続くと気管支の壁が硬くなり、肺の機能が悪化することも。吸入薬は気管支の荒れを取り除くものなので、少量でも継続することが肝心なのです。継続するモチベーションを維持できるか、その必要性を理解してもらえるかが重要だと思っています。
- Q正しい吸入療法を行うため、薬局と協同しているとのことですが?
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A
喘息の吸入療法は正確に行うことが非常に重要。ですから、医師が渡す指導依頼書をもとに薬剤師が指導し、終了後には報告書に指導内容を詳しく記入し医師へ提出、互いに患者さんの状態を把握できるようにしています。患者さんの治療がうまくいくようにするためには、医師だけでなく薬剤師のサポートが必要不可欠。連携をしっかりとり、患者さんの治療のモチベーションが下がらないようにもします。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診後、院内の機器で肺機能検査の実施
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喘息は空気の通り道である気管支が狭くなる疾患。症状が重いほど気管支が狭い傾向があり息を吐くときに勢いがないという。まずは気管支の幅、狭くなる素質の有無、勢いよく呼吸できるかなどを測る肺機能検査を行う。
- 2治療についての詳細な説明
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喘息の治療は吸入ステロイド薬などによる吸入療法が基本だ。しかし、吸入方法が正しくないと効果がまったく現れないことも。患者が疾患をきちんと理解し主体性を持って治療できるよう、治療方針などを丁寧に説明。患者さんのために、気持ちをこめて説明してくれる古家医師の姿が印象的だ。
- 3薬剤師による吸入療法の指導
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「薬剤服薬指導依頼書」に、処方した薬剤名や1回に吸入する量、吸入手技に関する注意事項などを古家先生が記入し、向かいにある薬局「ファーマシー丸山台」へ提出。それをもとに薬剤師の三沢喜彦先生が吸入指導を行う。
- 4薬の効果、相性のチェック
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薬の種類によって1日に吸入する回数や、吸入に必要なスピードは異なるそう。例えば高齢者は吸引力が弱いため、粉よりガスのタイプの薬が適しているなど、症状や肺の機能に対して薬や器具が適切かどうかを確認、修正していく。
- 5患者、医師、薬剤師による“三人四脚”での治療
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吸入療法を正しく継続することは、将来的に肺の機能の悪化を予防する一番の方法だという。患者が自身の疾患を深く理解し、医師や薬剤師のサポートを受けながら一緒に治療していく姿勢が何より大切だ。