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若年化が進む狭心症や心筋梗塞
正しい知識で予防・早期発見を

きくたに内科クリニック

(横浜市磯子区/洋光台駅)

最終更新日:2023/05/26

きくたに内科クリニック 若年化が進む狭心症や心筋梗塞 正しい知識で予防・早期発見を きくたに内科クリニック 若年化が進む狭心症や心筋梗塞 正しい知識で予防・早期発見を
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日本人の死因第2位といわれる心疾患。今、その若年化が懸念されている。心疾患の代表例である狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、これまで50歳以上の中高年男性に多いといわれてきた。しかし近年は、食生活の欧米化や運動不足などに伴い、30代での発症例も珍しくないとか。横浜市洋光台にある「きくたに内科クリニック」の菊谷敏彦院長は、日本循環器学会循環器専門医として研鑽を積んできた経験豊富な医師。今回、院長に虚血性心疾患について詳しく話を聞いた。日常での小さな症状であっても「年のせい」や「たまたま」で片付けず、正しい知識を持って予防と早期発見に努めることの重要性が十分に理解できた取材となった。

(取材日2015年8月26日/情報更新日2022年7月6日)

若い世代での発症は増加傾向に。胸の痛みなどは、自己判断を避けて専門の医師に相談を

Q虚血性心疾患とはどのような病気ですか?
A
きくたに内科クリニック 洋光台の閑静な住宅街にたたずむクリニック

▲洋光台の閑静な住宅街にたたずむクリニック

世間的にいう「心臓麻痺」は突然死、「心臓発作」は主に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患をさします。虚血性心疾患の最大の原因は動脈硬化です。というのも、心臓は血液を全身へ送り出すために常に動き、そのために必要な酸素を血液が運んでいます。血液の通り道を冠動脈といいますが、この冠動脈が動脈硬化によって狭くなり、血液の流れが悪くなった状態が狭心症、詰まって心臓の筋肉が壊死した状態が心筋梗塞なのです。主な症状としては胸の痛みや圧迫感、締めつけ感、息切れなどを訴える方が多いですね。意外に思われるかもしれませんが、肩こりや嘔吐のほか、のどや顎、奥歯の痛みが実は心筋梗塞だったというケースもあります。

Q高齢者に多い疾患というイメージがあります。
A
きくたに内科クリニック 循環器専門医として地域を見守る

▲循環器専門医として地域を見守る

動脈硬化は加齢とともに進むため、これまで心筋梗塞といえば50歳以上の中高年男性に多くみられました。しかし、最近は男女関わらず、30~40代で発症する例も珍しくありません。心筋梗塞でスポーツ選手や有名人が亡くなったり、入院したりしたニュースをご記憶の方も多いのではないでしょうか。30代での発症が増えていると同時に、40~50代での発症は重症化してきているとも言われています。また、中には20代で発症する例もあり、食生活の欧米化と運動不足からさらなる若年化が懸念されています。

Q生活習慣病が大きく関係しているのですね。
A
きくたに内科クリニック 父から院長を引き継ぎ、地域医療に貢献する

▲父から院長を引き継ぎ、地域医療に貢献する

そうなんです。動脈硬化とは血管が硬くなり、血液の壁に脂などがたまって狭くなることで血液の流れが滞ってしまう状態のことですが、一昔前までは主な原因は動脈の老化といわれていました。しかし、最近では高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病が動脈硬化を加速させているといわれています。特に食生活の影響は大きく、外食の多い独身男性はどうしても肉中心の脂の多い食事が増えてしまうので注意が必要です。ほかにも、運動不足や喫煙、ストレスなども原因となります。虚血性心疾患は循環器疾患の中でも致死率が高いため、動脈硬化の危険因子を少なくする生活習慣の見直しが重要です。

Q心筋梗塞は「急性冠症候群」とも呼ばれているそうですね。
A
きくたに内科クリニック 患者の負担を少なくしたいという思いから院内処方を行っている

▲患者の負担を少なくしたいという思いから院内処方を行っている

心筋梗塞をはじめ、心筋梗塞へ移行しやすい状態の不安定狭心症なども「急性冠症候群」に含まれます。というのも、動脈硬化によって「不安定プラーク」が形成されるからです。これは血管の壁にたまった脂を覆っている内膜が薄くなり、破れた状態のことです。急性冠症候群とは、この不安定プラークに血栓が集まり、血液の流れが悪くなるといった一連の病態のことなのです。もとの血管の内腔の75%以上の狭さになると、症状が出てくることがわかっています。しかし、症状のない50%程度の狭窄であっても、不安定プラークが形成されているので注意が必要です。初回の胸の痛みが心筋梗塞というケースも少なくありません。

Qどのような検査・治療を進めていきますか?
A
きくたに内科クリニック 循環器疾患の専門的な検査・治療を受けられる

▲循環器疾患の専門的な検査・治療を受けられる

問診で疑いがある場合、心電図や負荷心電図検査を実施します。必要に応じて、胸部エックス線検査や心臓・頸動脈エコー検査、ABI検査なども行います。異常があれば、総合病院にて冠動脈CTや冠動脈を直接造影する心臓カテーテル検査などを受けていただきます。これらの結果に基づき、内服治療やカテーテル治療、冠動脈バイパス手術を選択する流れです。なお、血管を木の枝に見立てると、小枝など細い血管は内服治療、比較的太く、幹に近い場所はカテーテル治療、狭い箇所が複数、幹の部分にもある場合は冠動脈バイパス手術を選択します。カテーテル治療やバイパス手術は総合病院での治療となりますが、治療後は当院で経過を診ていきます。

ドクターからのメッセージ

菊谷 敏彦院長

循環器疾患は症状が一過性のことが多く、胸の痛みや圧迫感を覚えても数分でおさまってしまうことから「病院に行くほどではない」と判断してしまう方も少なくありません。しかし、狭心症では血流の悪化により心臓が一時的に酸欠状態になり、心筋梗塞では冠動脈が詰まることで血流が止まり、酸欠から心筋の一部が壊死してしまいます。ちょっとした胸の痛みで大学病院まで行って検査するのは大変かもしれませんが、ぜひ地元の循環器専門医にご相談ください。受診さえすれば、その場で結果がわかります。心疾患をお持ちの方はもちろん、気になる症状がある方もお気軽にご相談いただけるとうれしいです。

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