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田村 光広 院長の独自取材記事

田村胃腸科・内科クリニック

(町田市/鶴川駅)

最終更新日:2022/02/10

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック main

鶴川駅から徒歩約3分という好立地にある「田村胃腸科・内科クリニック」。1956年にこの地域で開院して今年でちょうど60年を迎えるが、2001年の移転新築を機に現在の名称へと変更された。院長を務めるのは、父である先代を引き継いだ田村光広先生。院名のとおり、内科をベースとして、特に胃腸に高い専門性で診察・治療を行っている。ただし、「私がいた医局の方針で、消化器、循環器、呼吸器の3つについては、みっちりと研修をやりました」と田村院長が語るように、幅広い分野の診療を高いレベルで行い、患者の健康をトータルでチェックしてくれる点も特徴だ。内科医師の役割は、患者の全体を最後まで診ることだという田村院長に、クリニックの歴史から診療方針までさまざまな話を聞いた。

(取材日2016年4月13日/更新日2022年2月9日)

図面を院長自ら描き細部までこだわり抜いた院内

歴史あるクリニックと伺っています。

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック1

私の家は医師の家系で、はっきりとはわかりませんが、私で7代目とか8代目という話です。曽祖父は東京の代々木で開院していました。この地域で開院したのは先代院長である父で、それが60年ほど前でした。もともと父は横須賀市のほうに住んでいて、疎開でこの地域に移ってきたそうです。当初のクリニックは、地名にちなんで「能ケ谷診療所」という名前でしたが、2000年頃から始まった区画整理で建て替えたのをきっかけに、現在の名前へと変更しています。私は大学の医局で消化器内科、特に胃腸を専門にやってきたものですから、その特色が患者さんにもわかるように「胃腸科」を院名に入れました。

医師になられたのは、やはりご家族の影響ですか?

そうですね、子どもの頃から父の背中を見て育ちましたから、やはりそこは大きいと思います。診療している父の姿そのものを見ていたわけではありませんが、ご近所の方から「この間、先生にお世話になった」「家族みんなが診てもらってます」と話しかけられると、それだけ父は頑張ってるんだなということが間接的に伝わってきました。それに、代々続く医師の家系ですから、周囲は私が医師になるのが当然だと思っていたということもあります。例えば、父の医師仲間が家に遊びに来た時も、「当然、大学は医学部に進むんだろうね?」と声をかけられるわけです。そういった無言のプレッシャーみたいなものも影響したのかもしれませんが、いずれにしろ、今は医師になって良かったなと思います。

院内の造りでこだわった部分はありますか?

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック2

実は、建て替えの時に素人ながらも自分で図面を描いたんです。ベッドの位置や動線の引き方、もっと言えば受付カウンターの高さは何センチで、コンセントはそこから何センチ下に何箇所取りつける、というところまで気になる部分はすべて考えました。きちんと図面を描きたかったので、開業医をされている先輩ドクターにアドバイスをいただいたり、計測器持参でいろいろな病院やクリニックにデータを取らせていただきに回ったものです。内装の装飾や椅子などの調度品は、そこだけ別途、婦人科系中心に内装を手がけていた会社に頼んで選んでもらいました。女性建築士の視点が入ったおかげで、装飾品のデザインや壁紙の色合いなどやわらかい印象になったのではないかなと思います。

全身麻酔で楽に受けられる内視鏡検査

どんな患者さんが来院しますか?

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック3

年代層でいえば、高血圧など持病で通院されているのは、やはり60~80代くらいの方が多いですね。ただ、当院は胃や腸の内視鏡検査をやっているので、そちらには若い方もたくさんいらっしゃいます。特に、町田市で3年前から血液検査でピロリ菌を調べるABC検診を導入してからは、検診で異常が出て精密検査を受けに来院する働き盛りの世代が増えた印象です。患者さん全体として言えるのは、日常生活で努力している方が多くて感心させられるということ。もちろん全員がそのように意識しているわけではありませんが、毎日散歩したり、食生活に気をつけたりする人は意外に多く、健診をきちんと受けている方も少なくありません。当院への通院も、こちらが来てくださいといった日にきちんと通ってくださっています。

内視鏡検査のニーズは多いようですね。

そうですね。当院の内視鏡検査は、全身麻酔もご用意しています。麻酔を用意したのは、私自身が胃カメラの苦しさを味わった経験からです。カメラがのどを通る時の嘔吐反射が強すぎて、大変な目に遭ったんですよ。これだけ苦しい思いをしたら患者さんは二度と検査を受けなくなる、もし検査に来るとしても手遅れになるぎりぎりまで我慢して病気の発見の遅れにつながりかねない。そう思い、楽に検査を受けられるよう全身麻酔を始めました。現在、全身麻酔での胃の内視鏡検査は、3分の1から5分の2ほど。眠っている間は、血中酸素濃度測定計で患者さんの状態を監視し、いつでも麻酔の中和剤を入れられるように備えています。

診療にあたって心がけていることは?

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック4

一つは説明を十分に行い、患者さんに理解していただくこと。もう一つは、検診の重要性を患者さんにお伝えすること。高血圧、糖尿病やがんといった病気は、自覚症状が出た時点ではかなり進行してしまっていることが多いので、症状がないうちに検診で病気を見つけることが重要なんです。例えば、大腸ポリープを取った場合は2、3年に1回、ピロリ菌を除去した方は年に1回の検診をお勧めしています。除菌に成功すると「もう胃がんにならない」と勘違いされる方がいますが、除菌しても胃がんの可能性はゼロになりません。最後にもう一つ。隠れた病気を見つけるため、患者さんの話をよく聞き様子をよく診ること。診察室に入ってきた瞬間から、いつもと違う様子はないか、問診票との食い違いはないかなどを探り、病気の発見に努めます。

「最後まで患者に責任を」という恩師の言葉を今も守る

先生の診療スタンスに影響を与えた出来事などはありますか?

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック5

私が医局に入って、これから外来をするというタイミングで教授から言われた言葉ですね。「初診で診た患者さんは、最後まで君が責任を持ちなさい。自分の専門外の病気だと思われたときは紹介状を書いて他の科に紹介しなさい。そして戻ってきた返事をまとめて最後に総括するところまでが君の仕事です」。いろいろ検査したけど異常がないので診療終了としては駄目で、この症状があり、しかも検査で異常がない場合にはどんな病気・病状が考えられるかを検討するのもわれわれの仕事であるという意味が含まれています。当時もそのとおりだと思いましたが、今になってあらためて、教授の教育は素晴らしかったなと感謝しています。実践するのはそう簡単ではありませんが、努力しています。

どんな学生時代を過ごされましたか?

大学生時代は、体育会のヨット部に所属していました。当時、いつも優勝を争っている学校が5つあり、うちの大学はその1つだったので練習は厳しかったですね。2人乗りのヨットで、後輩が前に乗って先輩が後ろでかじを取るのですが、4年生と5年生でかじ取りのほうで出場し、4年生では個人で優勝、団体で準優勝。5年生では、個人で準優勝、団体で4位という結果が残せ、一生懸命やったかいがありました。当時の仲間とはもちろん今でも付き合いがあり、年に1回は同窓会をやっていますし、夏の大会の時は漁船を借りて、仲間とともに海の上から現役の後輩に声援を送っていますよ。一つの目標に向かって懸命に努力し、結果が残せた経験は、社会に出てからも役立っています。

健康を守るために読者ができることを何か1つ教えていただけますか。

田村光広院長 田村胃腸科・内科クリニック6

何らかの症状が出現した際には、自分の判断で受診せず、仮に内科の疾患でなさそうでも、まずはかかりつけの内科医に相談してください。何科を受診すればいいかを仕分けてもらい、必要なら紹介状も書いてもらいましょう。紹介状を持参すれば必ず返事が来るので、診断・治療内容がかかりつけ医に文書で伝わりますが、持参しないと伝わりません。紹介先ですべて解決すればいいですが、解決しない場合は他の科を受診する必要があります。その時に新しい紹介状に以前の返事のコピーも添えると無駄な検査が省けるし、紹介先の先生の参考にもなります。また診断がなかなかつかない状況の場合、戻ってきた返事をかかりつけ医が集約、総括し、正しい診断に導くことができます。より正しい診断を得るためにはデータを集積することが重要なのです。

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