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児玉 奥博 院長の独自取材記事

新座こだまクリニック

(新座市/ひばりヶ丘駅)

最終更新日:2024/02/08

児玉奥博院長 新座こだまクリニック main

1人でも多くの人により多くの幸せを届けたい。「最大多数の最大幸福」というモットーを掲げ、新座・朝霞・和光・志木・ふじみ野・所沢・西東京エリアを中心に訪問診療を提供する「新座こだまクリニック」。院長と理事長を兼任し精神保健指定医でもある児玉奥博(こだま・おぼ)先生が、病気や障害で通院が困難な患者に、丁寧で親身な診療を提供したいと2022年に開院した。内科のほか、精神科、皮膚科も標榜し、専門性の高い精神疾患や認知症の治療に対応可能だという。「ちょっとでも困ったことがあればすぐにご連絡ください。患者さん本人とご家族をはじめ、関わりのある方全員が幸せになるためのお手伝いをさせていただきます」と優しい笑顔でほほ笑む児玉院長。そんな児玉院長に、当院の特徴や心がけていること、今後の展望などを詳しく聞いた。

(取材日2023年11月29日)

「最大多数の最大幸福」を掲げて主に訪問診療を提供

まずは、児玉院長が医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

児玉奥博院長 新座こだまクリニック1

幼い頃から好奇心が旺盛で、わからないこと・気になることがあればすぐに調べて理解するということが大好きでした。そのため、わからないことが多い分野である医学は、当時から僕にとってとても魅力的だったのです。小学生の頃には「医師になって、いろいろと知らないことを勉強したい!」という気持ちを持っていましたね。また、両親は歯科医師であり、親戚にも医師や看護師などの医療従事者が多く医療が身近な存在だったことも、医師をめざしたきっかけだったかもしれません。

なぜ訪問診療を主としたクリニックを開院しようと思ったのでしょうか?

さまざまな病院に勤めていた時、場所によって方針があり、在籍する医師によって考え方が異なっていたため、自分がやりたい医療を提供できないことが何度もあったのです。もっと時間をかけて患者さんと接したい。自分が苦しい思いをするとしても患者さんを救いたい。そんな医療の実現をめざし、クリニックを開院することにしました。訪問診療を主としたクリニックにしたのは、外来よりも患者さんとの距離が近くて、ご家族とも一体感を持って接することができると思ったからです。また、日本は「独居老人」や「高齢者の孤独死」といった言葉をよく耳にするように、高齢者に対して関わりが希薄だと感じています。そんな状況を、寂しい思いをする高齢者を1人でも減らしたい。そして寂しくない最期を迎えてほしい、そう考えたことも訪問診療を主軸にした理由ですね。

こちらのクリニックの診療体制・方針を教えてください。

児玉奥博院長 新座こだまクリニック2

現在、当院には僕を含めて医師が8人在籍し、それぞれが精神科や皮膚科などの専門家で救急医療にも携わっているなど、各専門領域が充実しているのです。2024年4月にはリハビリテーションを専門とする医師も加わる予定です。そんな強みを生かし、ケアマネジャーや訪問看護師、薬剤師、地域包括支援センター、保健所、行政などと密な連携を取りながら、新座・朝霞・和光・志木・ふじみ野・所沢・西東京エリアを中心に訪問診療を提供しています。月2回の定期訪問に加えて、症状の悪化や緊急時には往診するなど、24時間365日体制で対応。患者さんやご家族には、何かあれば遠慮せずにすぐご連絡くださいとお伝えしています。当院のモットーである「最大多数の最大幸福」は、1人でも多くの方により多くの幸せを感じてほしい、という意味です。患者さん本人、ご家族やケアマネジャーなどの関係者全員が幸せだと思えるように、日々の診療に努めています。

精神科も標榜し精神疾患や認知症の専門的な診療を行う

精神疾患と認知症の治療に注力しているそうですね。

児玉奥博院長 新座こだまクリニック3

ええ。当院では内科の他に精神科、皮膚科を標榜し、精神疾患や認知症の診療に注力しています。これらは、現在の医療では完全に治すことは難しいとされていますが、病状や治療法によっては自宅で落ち着いて過ごせる状態をめざすことは可能です。精神疾患と認知症の治療を強みにしようと思ったのは、日本の未来を考えた時、この分野は今後さらにニーズが高まると感じたからですね。実際、高齢者に多かったり、患者さん本人に病識がないために受診を激しく拒否したり、精神疾患や認知症の患者さんは訪問診療が必要だと判断されるケースが多いです。そのような状態なのに家庭内ですべて対応しようと無理をすると、患者さんやご家族をはじめとする多くの方に、大きな負担・危険が及ぶ可能性があります。全員が快適に毎日を過ごすためにも、「家族が認知症かもしれない」「どうすれば良いかわからない」と少しでも困ったことがあれば頼っていただけたらうれしいです。

診療を行う際に気をつけていることはありますか?

開院した理由の1つにある、時間をかけて丁寧に診療を行うことを大切にしています。また、常に患者さんやご家族を、自分の「家族」だと思って接することを心がけていますね。そう思うことで、より親身で丁寧な診療につなげることができると考えてのことです。「自分の家族だったらこういう医療を受けさせてあげたい」とも思うようにもなり、さらに力強い姿勢で最良の医療提供をめざせています。

患者さんやご家族への対応で心がけていることはありますか?

児玉奥博院長 新座こだまクリニック4

患者さんはもちろん、ご家族にも寄り添うことを大事にしています。訪問診療が必要な場合、ご家族が疲弊していることが多いからです。家族が疲れてしまうと、患者さんへの接し方や介護内容が荒くなってしまいます。すると今度は患者さんが荒れてしまう。そんな負のループが発生してしまうのは、双方にとって良いことでありません。しかしこのような事態は、ご家族が介護を頑張っているからこそ起こることであり、どの家庭でも起こる可能性があります。介護は想像以上に大変で、肉体的・精神的負担がとても大きいもの。その負担を極限まで減らすために僕らがいると考えています。

より多くの人へ幸せを届けるために、活動の幅を広げる

現在の患者層を教えてください。

児玉奥博院長 新座こだまクリニック5

精神疾患や認知症の患者さんのほか、皮膚科での治療を希望される患者さんも多いですね。訪問診療というと高齢者のイメージが強いでしょう。しかし実際は、病気や障害などあらゆる理由により通院が困難な方であれば、年齢を問わず訪問診療の対象となる可能性が高いのです。「自分は対象外だろう」と思わずに、まずは気軽にご連絡いただければと思います。もし訪問診療の対象に当てはまらない場合でも、適切な医療施設へつなげることができるのでご安心ください。ご連絡はケアマネジャーや地域包括支援センターなどを通しても問題ありませんが、当院に直接いただいても大丈夫ですよ。

今後の展望・目標をお聞かせください。

多くの方に幸せを感じていただくために、僕らの手が届く範囲を広げていきたいと考えています。そのためにまず当院では、診療の質を下げることなくより多くの患者さんを診るために、在籍する医師や看護師の数を増やしました。また2024年春頃には、ふじみ野市に分院を開院する予定です。いずれは老人ホームをつくりたいとも考えているんですよ。高齢者が満足できる施設をつくり、安らぎの中で最期を迎えられるようにしたいのです。幸せを感じる方や、「最大多数の最大幸福」という考えに共感してくださる医療従事者が増えるように、これからもさまざまな取り組みに尽力していこうと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

児玉奥博院長 新座こだまクリニック6

訪問診療は外来に比べて割高に思われているかもしれませんが、保険適用されますし、負担軽減に関する制度もいろいろとあります。費用面でご心配がありましたら、まずは自治体やクリニックへ電話で問い合わせてみることをお勧めします。

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