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木村 公一 院長の独自取材記事

きむら内科呼吸器内科クリニック

(高松市/讃岐牟礼駅)

最終更新日:2024/02/27

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック main

国道11号線の房前交差点から西へ800mほど進むと、広い駐車場の奥に「きむら内科呼吸器内科クリニック」の白い建物が見えてくる。かつて高松町で30年間クリニックを営んでいた木村公一院長が、現在の地で新規開業したのは2022年のこと。前院から変わらず、「誰でも気軽に受診できるコンビニのようなクリニック」が木村院長のモットーだ。専門は呼吸器内科だが、日本内科学会総合内科専門医としての知見を生かし、生活習慣病や消化器疾患など、内科全般の診療に対応。往診や訪問診療にも、精力的に取り組んでいる。インタビューでは、木村院長の飾らない人柄と穏やかな語り口、そして時折見せる茶目っ気のある笑顔が強く印象に残った。

(取材日2024年1月17日)

コンビニのように、誰でも気軽に受診してほしい

以前は高松町で開業されていたそうですね。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック1

はい、そうです。私は10年ほど総合病院に勤務していましたが、「誰もがもっと気軽に受診できる環境で診療したい」という思いから、1989年に「木村内科呼吸器科医院」を開業しました。場所はここから車で10分程度でしょうか。コンビニのように、気軽に立ち寄って受診できるということで、当時は「コンビニ先生」なんて呼ばれていました。入院用のベッドも19床ありましたし、あの頃は非常に忙しかったです。60代になって少し早めのリタイアを考え、ちょうど30周年を迎える2019年に、クリニックを閉業しました。その後は非常勤という形で複数の病院に勤めましたが、開業医を経験した身としては、少しだけ不自由に感じる部分もあったんです。悩んでいたところで、お世話になっていた先生から「この場所で開業しないか」と熱心にお誘いいただき、67歳にして再び開業を決意しました。

根っからの医療人なのですね。そもそもどうして、医師になろうと思われたのですか?

医療に関心を抱いたきっかけの一つは、中学生の時の入院経験だったと思います。急性糸球体腎炎を発症し、3ヵ月ほど病院へ入院したんです。慢性化すれば、より危険性の高いネフローゼ症候群と診断されるところでしたが、病院の皆さんのご尽力により、無事に退院することができました。進学先の高校は医学部へ進む同級生が多く、私も自然と医学部受験を考えるようになりましたね。北里大学医学部に合格した後は、故郷の徳島を出て、神奈川の相模原キャンパスへ。小田急線の相模大野駅からバスで30〜40分という環境で、キャンパス周辺は徳島よりものどかな印象でしたが、休みの日には友人と横浜へ遊びに行ったり、夏は逗子へ海水浴に出かけたりと、青春を謳歌しましたよ。

医師としての歩みをお聞かせください。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック2

大学卒業後は故郷へ戻り、徳島大学医学部附属病院(現・徳島大学病院)に勤務しました。そこで入局したのが、喘息、肺がん、呼吸不全などの呼吸器疾患や、感染性疾患を中心に診る第3内科だったんです。医局に入ってからは、全国各地の総合病院で臨床経験を積む日々。初めは高知の中村市民病院(現・四万十市立市民病院)の内科に配属されましたが、若い頃ですから、都会でもまれたいと教授に志願して、1年後には東京の国立がん研究センターへ赴任。ここでは、毎日早朝から夜半まで診療・実験・研究にあたり、多くのことを学ばせていただきました。半年だけ在籍した大阪府立羽曳野病院(現・大阪はびきの医療センター)での経験も、医師として勉強になりましたね。私の診療の基盤は、この東京、大阪時代に作られたように思います。1985年から4年間勤めた高松赤十字病院には、開業前までお世話になりました。香川に住み始めたのも、この時からです。

内科診療に幅広く対応し、肺がんや喘息の検査にも注力

こちらのクリニックの診療内容を教えてください。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック3

当院では、気管支喘息や肺がんなどの呼吸器疾患だけでなく、高血圧症や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病、また風邪やインフルエンザなどの感染症、さらには消化器疾患や循環器疾患の診療にも対応しています。中年代以降の男性を中心に罹患者数が増えている、睡眠時無呼吸症候群の診査、診断、治療も可能です。加えて、外来診療が休診となる水曜と土曜の午後には、往診・訪問診療を実施。通院が困難な方のご自宅に伺ったり、高齢者施設へ訪問したりしています。範囲としては、高松市であれば庵治町や、さぬき市志度辺りまで出かけていますね。ご希望があれば、症状が落ち着いている方を対象として、オンライン診療にも対応します。

どのような患者さんが受診していますか?

場所が少し離れていますので、高松町のクリニックで診ていた患者さんよりは、牟礼町で開業した後から来られている患者さんが多いと思います。ただ、当院のスタッフはほぼ全員、以前のクリニックでも勤務していたメンバーですので、昔からの患者さんも安心してお過ごしいただけるのではないでしょうか。主訴としては、やはり呼吸器疾患の患者さんが多いですね。高齢の方は基礎疾患をお持ちの方が多いため、合わせて生活習慣病の治療を行います。喘息については、若い患者さんも多いです。「なかなか風邪が治らない」と咳症状を訴えられるケースでは、喘息の可能性を考慮し、吐息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定する呼気NO検査を行います。この検査機器は高松町時代には導入していなかったものですが、現在、非常に多くの場面で活躍しています。

呼気NO検査以外にも、さまざまな検査に対応していますね。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック4

肺がんの罹患者数と死亡者数は、年々増加しています。胸部エックス線検査で認められる肺がんは、すでに相当進行している状態です。早期がんの発見率向上をめざして、当院では積極的にCT検査に取り組んでいます。CT検査は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という炎症性疾患の診断にも有用です。かつては慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれた病気で、タバコなどの有害物質を長年、吸入することで発症します。昨今は喫煙者の方も減少傾向にありますが、呼吸器内科医としては、引き続き注意を払いたい疾患の一つです。CT検査だけでなく、呼吸機能検査なども合わせて、より精度の高い診断をめざします。また前院と同様、経鼻内視鏡を用いた胃の内視鏡検査にも対応可能です。必要であれば、痛みの軽減に配慮するため鎮痛剤もご用意します。

訪問先で患者や家族に喜ばれることがやりがいに

お休みの日の過ごし方や、日々の気分転換の方法を教えてください。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック5

休みの日は、2週間に1度は徳島の母に会いに行きます。その時は、必ずお気に入りの店で徳島ラーメンを食べるんです。私はラーメンが好きで、香川でも行きつけの店によく食べに行きます。気分転換の方法は、往診や訪問診療に出かけながら、移ろう季節の景色を楽しむことです。志度方面へ行ったら、鴨部川の河口付近で、きれいな鳥が休んでいるのを眺めるという具合です。毎日クリニックの中にいるだけではわからない、四季折々の自然を楽しむことで、心癒やされています。

今後の展望をお聞かせください。

加速する高齢化に伴い、来院が困難な方や自宅療養の方はますます増えて、在宅医療のニーズが高まっていくでしょう。当院でも、脳卒中の後遺症や認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)など、さまざまな症状や疾患をお持ちの患者さんに向けて、往診や訪問診療を行っています。寝たきりの患者さんが多いため、褥瘡(じょくそう)のケアも必要です。大変な場面もありますが、私が大きなやりがいを感じるのは、患者さんや患者さんのご家族が喜んでくださること。診療以外のお話をすることもできますから、そういった時間も含めて、私は往診や訪問診療が好きだなと思います。往診や訪問診療は、今後さらに力を入れていきたい分野です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木村公一院長 きむら内科呼吸器内科クリニック6

高松町で診療を行っていた時から、誰でも気軽に受診できるクリニックをめざしてきました。呼吸器内科が専門領域ですが、健康に関するお悩みであれば、どんなことにも耳を傾けています。実際、当院には冷えなどの更年期障害のご相談に来られる方もいらっしゃいますが、そうした場合には、日本東洋医学会漢方専門医の知識を生かしたアドバイスを行っています。より専門的な医療が必要な場合には、速やかに他の医療機関へとご紹介しつつ、これからもコンビニのようなクリニックでありたいと思います。何でも、ふらっとご相談にいらしていただきたいですね。

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