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一人ひとりの患者に合わせて
調剤される漢方薬による治療

泰山堂 岡崎医院

(箕面市/箕面駅)

最終更新日:2024/03/14

泰山堂 岡崎医院 一人ひとりの患者に合わせて 調剤される漢方薬による治療 泰山堂 岡崎医院 一人ひとりの患者に合わせて 調剤される漢方薬による治療
  • 保険診療

一般的に漢方薬には、見込まれる効き目が緩やか、長期間服用する必要があるといったイメージがある。しかし実際には、即効性を期待できるものもあり、症状が改善すれば服用をやめられますと言うのは、「泰山堂 岡崎医院」の岡崎弘泰院長。漢方薬は、症状だけでなく、患者の体調や体の中で起きている変化にも注目し、そうして得られた情報を総合的に判断した上で処方するため、患者ごとに適切な治療の提供がめざせるそうだ。また、漢方薬は幅広い症状や不調への対応が望めるという。丁寧な診察をもとに患者に合った漢方薬の提供に努める「オーダーメイド漢方」を実践する岡崎先生に、漢方薬を用いた診療の特徴や漢方薬の種類、西洋医学の薬との違いなどについて、詳しく解説してもらった。

(取材日2024年2月16日)

疾患や症状だけでなく体質や体調も考えて、その患者に合わせた漢方薬を処方する

Q漢方治療の特徴を教えてください。
A
泰山堂 岡崎医院 漢方治療では病気になる前の段階で不調や体質の改善をめざす

▲漢方治療では病気になる前の段階で不調や体質の改善をめざす

西洋医学の診察や検査では明らかにすることが難しい不調の原因に、東洋医学ならではの診察方法でアプローチして、不調や体質の改善をめざすのが特徴です。診察の際、医師は視覚、嗅覚、聴覚、触覚などを総動員して、時間をかけて患者さんの状態を把握することに努めます。こうした診察で得られる情報はかなり膨大な量で、そうした情報をもとに患者さんごとに漢方薬を処方します。情報の中には西洋医学の検査で確認できるものもありますが、それだけでは確認できないものも多く、病気になる前の段階でその兆候をつかみ、アプローチすることをめざします。検査で異常が見つかってからでは治療が大がかりになることも多く、負担がかかりますからね。

Q市販の漢方薬と貴院で処方される漢方薬は違うのですか?
A
泰山堂 岡崎医院 同院では診察した時の体調や症状に合わせた漢方薬を処方

▲同院では診察した時の体調や症状に合わせた漢方薬を処方

漢方は、自然界にある草木の葉や根っこ、鉱物といった生薬を使用します。市販の漢方薬はエキス剤と呼ばれ、複数の生薬を一定の割合で混合して大量生産されたものです。よく知られている葛根湯は、葛根など7つの生薬を決められた分量で配合して作られています。このため、典型的な症状には優れた効果が期待できますが、それ以外の場合はうまく適合しないこともあります。調合されている複数の生薬の中には、その患者さんに必要のないものが含まれている可能性もあります。一方、当院でお出しする漢方薬は、患者さんの症状、その日の体調、お薬に対する耐性なども加味して、生薬の種類と分量を決めて患者さんごとに処方します。

Q診察方法を教えてください。
A
泰山堂 岡崎医院 舌診や脈診、触診など患者の情報を把握するため丁寧な診察を行う

▲舌診や脈診、触診など患者の情報を把握するため丁寧な診察を行う

まず詳細な問診票を用いて、食生活、睡眠、お通じ、男性機能、女性の場合は生理など、患者さんの基本的な情報を収集します。その後お話を伺いながら、顔色や目の輝き、話し方や声の調子を確認し、舌の色や状態を診る舌診、脈を取る脈診、おなかの状態を確認する腹診、さらに足や腕の触診を行います。頭痛や不眠症、更年期障害などで受診された方が、なぜ足の触診を行うのかと疑問に思われることもあるでしょう。東洋医学では全身に血液やリンパ液などの水が循環しており、その流れが悪くなることで不調が起こると考えます。それらは全身を巡っているので、頭部の不調の原因が実は遠く離れた足の経路の詰まりや滞りにあることも考えられるのです。

Q漢方薬は見込まれる効き目が緩やかで副作用が少ないと聞きます。
A
泰山堂 岡崎医院 生薬を細かく調整できるため、より合った漢方治療を提供できる

▲生薬を細かく調整できるため、より合った漢方治療を提供できる

生薬の種類や分量が患者さんに合っていない場合は、やはり副作用が出ることもあります。こうした場合も、漢方に精通する医師なら、生薬の種類や分量比を細かく調整しながら、より患者さんに合った処方に修正していけるのが利点です。また、漢方薬は見込まれる効き目が穏やかなので、長期間の服用が必要と考えている方も少なくありませんね。しかし、中には素早い効き目が現れることが望めるケースも複数あります。私自身、いろいろな薬を毎日のように煎じており、不眠症など即効性が望まれる場合には素早い効き目が期待できないものは排除していきます。

Qどのような人が漢方薬を希望して受診されますか。
A
泰山堂 岡崎医院 多岐にわたる不調や悩みにも患者に寄り添った診療を心がける

▲多岐にわたる不調や悩みにも患者に寄り添った診療を心がける

当院の場合は、さまざまな不調で思うように仕事ができない、パフォーマンスが発揮できないといった30〜50代の方が中心です。皆さんご自身で調べられて、当初から漢方治療を希望して受診されます。家族が以前に漢方治療を受けていたなど、漢方に対して抵抗がない方が多いですね。訴えは、頭痛、めまい、耳鳴り、睡眠障害や夜間頻尿、アトピー性皮膚炎、更年期障害や月経前症候群など本当に多岐にわたります。不調を訴えて医療機関を受診したけれど、不定愁訴と診断され治療は必要ないと言われたという方も多くいらっしゃいます。また最近は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種後や感染後に続く長引く不調で来院される方も多いですね。

ドクターからのメッセージ

岡崎 弘泰院長

ほんの150年ほど前まで、国内で日常的に漢方薬が治療に用いられていたことをご存知でしょうか? 現在でも、漢方治療に真剣に取り組んでいる人はおられますが、医療の主流からは外れてしまっているのが現状です。先行きについても不安な材料が少なくありません。漢方を再びもっと身近な存在にするためには、さまざまな不調や悩みの改善をめざす上で漢方という選択肢があることを、より多くの方に知っていただきたいと考えています。そのためには、漢方の良さを理解している医師の一人として、私自身、まだまだ研鑽を怠ることはできません。不調や不安定な症状で悩んでおられるなら、ぜひ一度漢方治療について検討いただければ幸いです。

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