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兵庫 秀幸 院長の独自取材記事

兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック

(広島市南区/広島駅)

最終更新日:2021/11/17

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック main

広島駅徒歩5分の好立地に2021年10月に開業した「兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック」。兵庫秀幸院長は日米で研鑽を積み、広島大学病院に約20年勤務。その後、JA広島総合病院で消化器内科部長を務めた消化器内科のエキスパートだ。兵庫院長のモットーは「1に運動・2に食事・3に薬」。総合的な診断で全身を統括管理し、ライフスタイルを改善することで将来の大病を予防していくことに重きを置く。単に現在の症状を薬で治療するだけではなく、長期的に患者一人ひとりと向き合う。その誠実さに信頼を寄せ、20年以上にわたり兵庫院長のもとに通う患者も少なくないという。長年開業を夢見てきた兵庫院長が思い描くクリニックのあり方、食事についての考え方などさまざまな切り口から話を聞いた。

(取材日2021年10月28日)

地域医療への貢献と、研究成果の還元をめざして

クリニック名から、かなり幅広い領域をカバーされている印象を受けました。

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック1

実はネーミングにはかなり迷ったんです。僕はもともと消化器内科で胆石症などの研究をしていました。胆石を研究していると、その大元の原因であるコレステロールに行き着きます。コレステロール値が高い人は肥満であることが多く、肥満は脂肪肝、肝硬変などの原因となります。そして、それらの肝臓の病気は糖尿病を引き起こすのです。ですから注意喚起の意味も込めて、「肝臓糖尿病」としました。併せて「内科」という広範囲な表現を入れたのは、何科を受診すればいいのかわからない方のマネジメントをするためです。別の科のように思えても、ご本人が症状をうまく伝えられていないだけで実は僕の専門分野だということもあります。もちろん専門外というケースもありますが、その場合は専門の先生をご紹介できる体制を整えています。まずは直にお話を聞き、必要に応じて橋渡しをするのもクリニックの一つの役割だと考えています。

開業までにはどのような経緯があったのでしょうか。

僕は、志和町という町の農家に生まれました。昭和の田舎ですから、大きな病院などはほとんどありませんでした。祖母が亡くなった病院も今で言うインフォームドコンセントが徹底されておらず、子どもながらに疑問を感じていました。医療の道に進もうと思ったのはその頃からです。ただ、いざ研修医になってみると開業前に学ぶべきことが山ほどあることがわかったのです。より多くのことを学ぶべく大学院で博士号を取得し、ニューヨークに留学して肝臓病の基礎研究をしました。海外とのつながりもできて充実した研究生活を送れるようにはなりましたが、その成果を日常診療に導入するのは容易ではありません。たとえ素晴らしい研究があっても、保険適用されるまでには相当な時間がかかるからです。そこで、保険診療に限らず、先進的な医療を地域の方々に提供したいと考えて、クリニックを開業することにしました。

交通の便が良い場所に開業されましたね。

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック2

クリニックには大きく分けて2パターンあり、1つは近所の方が腹痛などですぐに駆け込めるような、地域医療に根差したクリニックです。そしてもう1つが、県外からも交通機関を使って通えるような街中のクリニックです。後者の場合は慢性疾患でお困りの方などもいらっしゃるので、地域医療をバックアップする役割に加えて専門性を生かした診療も行うことになると思います。かかりつけ医として地域に貢献しながら長年続けてきた研究を継続したいという思いを実現するには、後者を選ぶほかありません。20年以上理想的な場所を探し続け、ようやくここに巡り合うことができました。開業して間もないので新規の患者さんはまだ少ないですが、これまで診ていた患者さんが大勢来てくださっていてたいへんありがたく思っています。

生活習慣を見直し、トータルケアでの体づくりを

こちらのクリニックの方針についてお聞かせください。

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック3

当クリニックでは、心技体の三位一体によるトータルケアに取り組んでいます。心の状態を安定させ、総合的な診断からさまざまな病気を予防・改善し、運動や食事などのライフスタイルを見直して体を整えることをめざしています。例えば人間ドックで異常が見つかっても、お元気な方はいらっしゃいますよね。その段階から生活の改善に取り組んでいただき、心筋梗塞やがんなどの命に関わるような病気を予防することが大切だと考えています。その中で、まず取り組んでいただきたいのが運動です。「ちょっと太ったな」と思うと食事を控える方が多いですが、肥満の原因は食事量ではなく活動量の減少であることが多いです。ですから、まずは楽しみながら体を動かしていただけるようにヨガ教室やスポーツトレーナーによる運動指導も実施しています。「1に運動、2に食事、3に薬」を心がけ、健やかな体づくりをしていただきたいです。

肥満を防ぐための食事とはどういうものなのでしょうか。

ダイエット目的でゼロカロリー、低脂質の食品を好む人もいますがそういったものに含まれる人工甘味料や保存料などの人工物は、人間に本来備わっている空腹感、満腹感のサイクルを乱してしまう可能性があると考えています。そうなると適量以上に食べるようになり、肥満や糖尿病につながる恐れがあるのです。カロリーを気にしてそういうものに手を伸ばすのだと思いますが、実はカロリーはそれほど重要ではありません。近年、僕の共同研究グループで行った栄養調査では肥満の人とそうでない人、あるいは病気の人と健康な人の総摂取カロリーはほぼ変わらないという結果が出ました。では何が違うのかというと、肥満の人、病気の人は食物繊維やミネラルの摂取量が少なく人工物が含まれる加工食品を多く食べていたのです。たんぱく質、脂質、糖質の三大栄養素だけではなく、ビタミンとミネラルを含めた五大栄養素を意識して食事を取ることが大切だと考えます。

栄養指導にも力を入れているそうですね。

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック4

当クリニックでは先述の、五大栄養素まで考えた栄養指導を行っています。できるだけ一次産業のもの、自然に腐るようなものを食べましょうという考え方です。現在の日本は非常に衛生的で、飲食店で食中毒などが出れば大問題になる時代です。スーパーやコンビニでよく目にするカット野菜にしても、徹底的に消毒されています。もちろん消毒に使う化学薬品はきちんと流しているはずですが、やはり自然のもののほうが良いというのが僕の考えです。コンビニ弁当でいくらバランスを整えようとしても限界があるので、できるだけ素材重視の食事を心がけていただきたいです。

信頼できるかかりつけ医を見つけ、対話型の医療を

プライベートの時間はどのように過ごされていますか?

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック5

趣味はマリンスポーツで、若い頃はウインドサーフィンなどをしていました。最近は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなかできないので、スキーやスノーボードにシフトしました。基本的に滑ることが好きなんでしょうね。あとは釣りも好きで、釣り仲間と一緒に早朝から船に乗って瀬戸内に出ています。釣り仲間というのは同好会のようなもので、40代から80代まで多彩な職種の人たちがいます。

診療や研究に注力しつつ、オフの時間も充実しているのですね。

僕は、9~17時しか働かないスタンスなんです。日中は仕事がある限り休憩せず働き、時間きっかりに切り上げる生活を20年続けています。というのも、アメリカ留学中に夜遅くまで研究をしていると怒られたんです。アメリカ人の多くは就業時間内だけ働き、その後は帰って家族との時間を過ごします。「時間外まで働くのは、能力が低いか計画性がないからだ」という考え方なんです。日本では平日夜や休日にセミナーなどが開催されますが、アメリカではそういうものも平日の就業時間内に組み込まれています。それでも仕事の成果は落としません。そのスタイルが気に入り、以来こういう生活を送っています。

読者へメッセージをお願いします。

兵庫秀幸院長 兵庫内科・肝臓糖尿病クリニック6

僕は基本的に、「駄目駄目診療」は良くないと考えています。要するに、患者さんに対して「~しちゃ駄目」「太っちゃ駄目」と言い続けることです。患者さんはそれがわかっているけどできないから病気になって、医師に相談しているわけです。医療というのは人と人との対話ですから、きちんと説明してくれる医師をかかりつけ医にするのが良いと思います。もちろん当クリニックでもきちんと対話を重ね、患者さんが納得して治療を進められるよう努めております。できる限りご相談に乗りますので、お体のことで疑問があればお気軽にお越しください。心と体を健やかに整え、大きな病気を予防して健康寿命を延ばしましょう。

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