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長引く咳や原因不明の咳があれば
軽視せず、早めに呼吸器内科へ

おのKクリニック

(北九州市八幡西区/穴生駅)

最終更新日:2023/12/20

おのKクリニック 長引く咳や原因不明の咳があれば 軽視せず、早めに呼吸器内科へ おのKクリニック 長引く咳や原因不明の咳があれば 軽視せず、早めに呼吸器内科へ
  • 保険診療

咳は特別な症状ではない。しかしその原因は風邪による慢性的な咳、喘息、気管支炎、食道炎、肺がんなど実にさまざまだ。「おのKクリニック」の理事長、小野憲司先生は多くの基幹病院の外科で研鑽を積み、中でも肺がんの治療を得意とする呼吸器の専門家。「原因を見極めないことには正確な処置はできません。CTを使った診断を行える点が、当院の大きな特徴でしょう。迅速に結果が得られるため患者さんの負担も少ないですし、病気の早期発見・早期治療につながります」と語る。咳は体内に入った異物を出す体の自然な反応だ。だからこそ、そのサインを見落とさないでほしいと訴える。「たかが咳、されど咳。大病になる前に気軽に相談にいらしてください」と語る小野理事長に、長引く咳の注意点、咳の原因などについて話を聞いた。

(取材日2021年10月27日)

肺炎・肺がんなどの病気を見落とさないためにも、原因不明の咳や、風邪が治っても長引く咳は呼吸器内科へ

Q咳の原因にはどのような病気がありますか?
A
おのKクリニック 長引く咳は病気のサインの可能性もあると話す

▲長引く咳は病気のサインの可能性もあると話す

風邪の咳は通常1週間ほどで治まりますが、それ以上長引くと感染後咳嗽(かんせんごがいそう)となり、放置すると咳喘息、気管支喘息まで進行してしまいます。咳の原因は、寒暖差、ハウスダスト、花粉、PM2.5、長年の喫煙による慢性閉塞性肺疾患、結核などさまざまです。また、先ほどの感染後咳嗽でもそうですが、「体調がきついな」と感じると肺炎まで進行していることも。咳は体に入った異物を外に出そうとする体の反応ですが、それを放っておくと周りの人に感染を広げてしまいます。自分の健康のためだけでなく、職場や学校といった社会的な場所での感染拡大を防ぐためにも、咳が長引く場合は医療機関を早めに受診しましょう。

Q喘息などから生活習慣病まで、幅広く診察しておられますね。
A
おのKクリニック 生活習慣病から肺がんまで多種多様なパンフレットを常備

▲生活習慣病から肺がんまで多種多様なパンフレットを常備

先ほども言いましたように、呼吸器疾患の原因は多岐にわたります。生活習慣病は咳に直結しなくとも、糖尿病などがあれば抵抗力が低下して病気に感染しやすくなり、肺炎に進行するリスクも考えられますから、年齢や体質、病歴も加味して診断をつけることが大切です。ほかにも、症状はいつからなのか、ゼーゼー、ヒューヒューと音がする喘鳴(ぜいめい)はあるか、痰が出るか、症状が出やすい時間帯やきっかけの有無も診察で丁寧に聞いていきます。明け方や夜中に咳が出る咳喘息、激しい咳が出るマイコプラズマ肺炎がわかることもあれば、症状すべてが当てはまらずストレス性の咳だと判明することや、肺がんの可能性が考えられることもあります。

Q判明した疾患にはどのような治療法がありますか?
A
おのKクリニック 正しい診断を重視し、疾患に合わせた治療法を説明

▲正しい診断を重視し、疾患に合わせた治療法を説明

それぞれ症状に合ったお薬がありますので、入院の必要がなければ服薬で治療していきます。咳は体内から菌などを吐き出そうとする体の防御反応です。それを薬で止めてしまうと、かえって症状が悪化することもあるので、注意が必要です。喘息の場合はネブライザーによる吸入を行い、ストレス性の咳だとわかれば、咳止め薬が適しています。また当院にはCTがあるため、肺がんの疑いがある場合はCTで撮影し、診断をつけ、必要であれば基幹病院への紹介も行います。

Q正しく診断し、それに即した治療を受けることが重要なんですね。
A
おのKクリニック 些細な症状から早期発見へとつなげる

▲些細な症状から早期発見へとつなげる

前述したとおり、原因に応じた治療、処方が必要です。特にがんの場合、CTは重要な診断ツールと言えるでしょう。勤務医時代に咳の症状で来院された方にCT検査をしたところ、6〜7mmのごく小さな影が見つかったこともありました。通常その大きさではまだがんだとは診断できず転移の心配もないため、CTを活用して経過観察を行いますが、ご本人は軽い症状だと思っていても実は裏に大きな病気が隠れていて、咳はそのサインだったということも多いのです。特にがんは早い段階で見つけ、いかに早期に治療に取りかかれるかがその後の経過を左右し、進行がんへの進展の予防にもつながります。まずは小さな症状でも来院することが大事なのです。

Qどんなタイミングで受診すれば良いでしょうか?
A
おのKクリニック 少しの咳や痰でも早期の来院が何よりも大切と話す

▲少しの咳や痰でも早期の来院が何よりも大切と話す

早ければ早いほど、大きな病気を食い止めることが期待できます。咳の場合、目安となる期間は2週間です。風邪からの治りが悪いなどのほか、これといった原因が思い当たらないのに咳が続くようであれば、一度ぜひ呼吸器内科を訪ねてみてください。原因が思いつかない場合はより注意が必要で、COPDの可能性もありますし、咳とともに出る痰、もしくは痰もないのに血が出てくるのであればより警戒すべきです。咳一つとっても結核や肺がん、気管支拡張症、誤嚥性肺炎、肺炎球菌感染症など考えられる疾患はたくさんあります。「咳が出るのは普通だから」と軽く見て放置せず、早めの軽い症状の時にこそ診察を受けるのが大切なのです。

ドクターからのメッセージ

小野 憲司理事長

呼吸器疾患では、咳は体からの大きなメッセージの一つです。「咳の原因がわからない」「風邪が長引いたかもしれない」、そのくらいの軽い症状で構いません。「こんな咳くらいで」と思う医師はいないはずですから、どうか安心して受診してほしいですね。それに咳は続けば体力も消耗しますし、高齢者であれば骨折の引き金になり、ひいては寝たきりにつながる恐れもあります。普段の生活の質や、今後の人生にも関わってくるという意識をどうか持っていただきたいと思います。体からのメッセージを無視せず、長引く咳、原因が見当たらない咳があれば、ご自身のため、そして周りの方のためにも、早めに受診してくださいね。

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